公開日 2026/04/15 11:21

電気製品の安全性認証「Sマーク」、製品購入時に有無を確認したことが「ある」人は約2割。関係者が現状を説明

電気製品認証協議会が「Sマーク広報関係者懇談会」を開催
編集部:竹内 純
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ポータブル電源でもSマーク認証取得が進展

電気製品認証協議会(SCEA)は、Sマーク広報関係者懇談会を開催した。モバイルバッテリーやポータブル電源の事故が社会的にも注目を集めるなか、電気製品の安全・安心のための第三者認証制度「Sマーク」の公平な運営や普及に対する最新の活動について説明を行った。

冒頭、登壇した同協議会会長・大崎博之氏は、「電気製品は以前にも増して数多くの消費者に使われるようになり、安全性はまさに重要なテーマとなります。海外からもいろいろな製品が入ってきて購入できるようになり、Sマークが付かない製品が増える傾向も見受けられます」と家電製品を取り巻く購入環境の変化を指摘した。

「しかし、そのようななかでも、多くのメーカーがSマークを付け、この第三者認証制度を活用いただいています。消費者の方々にもSマークをより知っていただき、Sマークを活用して安全、安心に電気製品を使えるよう、電気製品認証協議会の活動を進めて参ります」と力を込めた。

続いて、認証に関する事項や将来展望、業務計画の実行・実務等を担う基本問題専門部会の活動概要について、同部会長・関野正樹氏が説明した。

Sマーク認証の試験基準は、電気用品安全法(電安法)の対象製品については同法の技術基準を適用して行われるが、市場の事故情報に基づいた安全性確保の観点から、必要な場合には「追加基準」や「運用基準」を設けている。現在追加基準は「電気湯沸器(電気ケトル及び電気ポット)の転倒流水対策に係る取扱い運用」など6つの項目がある。

20246月に運用が開始されたのが「ポータブル電源に係るSマーク追加基準」。関野氏は「民間の認証として機動的に先行することで、ポータブル電源の安全確保に対する社会的な役割を果たしています」と意義を強調した。

20261月にはアンカー・ジャパンのポータブル電源「Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station」がポータブル電源としては初のSマーク認証取得を発表。2月にはJVCケンウッド「BN-RL410」「BN-RL230」が2例目として続いた。

現在推進中の案件もあり、今後、ポータブル電源の製造に携わる各社での取り組み加速が期待される。

Sマークの信頼性向上を目的に、サーベイランス(監視)の一環として実施しているのは、市場で販売されているSマーク認証製品を買い上げ、市場品の認証時との同等性を確認する「市場買い上げ調査」。

2009年度から開始され、2025年度は9月に12機種を買い上げ、各認証機関で同等性の確認が行われた。不適合な製品は認められず、これで8年連続で不適合は出ていない。

Sマーク認証製品による製品事故、不正使用、リコール調査については、2025年の4月から12月において、製品事故は0件、不正使用は1件。リコール調査は、経済産業省から同期間に公表された電気製品のリコール31件のうち、Sマーク認証製品は1件。

関野氏は「個別の対策処理としてはリコールの形で、市場での再発防止には対処されていますが、根本原因の追求と対策を当該メーカーとともに検討して参ります」とした。なお、初回ロット検査での不適合は報告されていないという。

Sマークの本来の意味の消費者伝達は永遠のテーマ

Sマークの普及・広報・調査等を担う広報専門部会の活動について、同部会長・三浦佳子氏が説明した。多岐に渡る活動のなかからまず取り上げたのは、20年近くにわたり継続して行う「認知度調査」。

従来はイベント来場者への店頭アンケートで行っていたが、新型コロナを契機とした2020年度からWEBアンケートに調査方法を変更。2025年度は38.9%となり、前年の36.4%から2.5ポイントアップした。比較が可能な調査方法変更後、5年連続でのアップとなる。

三浦氏が着目したのは、「電気製品を購入する際に銘板でSマークを確認したことがありますか」という設問。回答は「ある」が22.7%、「ない」が77.3%。

「購入される時に何を見ているかということです。PSEが義務であることをご存じの消費者も、実はあまり多くないと思います。38.9%の認知度に対し、『ある』と答えたのは22.7%。この乖離した部分をどう埋めていくかが非常に重要です。

Sマークが付いた電気製品は自分や家族が使うときに安全性が高い、信頼できるマークであるという本来の意味を消費者にいかに伝え、消費行動につなげられるかは永遠のテーマになります」と訴えた。

一方、店頭におけるSマーク付き電気製品の普及実態調査では、家電量販店やホームセンターなど従来からの調査対象は68.7%となり前年度70.7%からダウン。

2020年度から調査対象として追加された価格.com、アマゾン、ヤフーのネット販売大手3社平均は54.3%となり、こちらも前年度59.9%からダウンとなった。

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなどの比較的高額なカテゴリーでは、海外メーカーのSマーク取得率も高まっているが、ここでも取り巻く環境の大きな変化を取得率の総平均ダウンの要因に指摘する。

そのひとつとして、PB(プライベートブランド)の進展を取り上げた。「廉価なPB商品がいろいろなところから発売されています。経済状況もあります、また、長く使う気持ちがない若者も多く、ちょっとファッショナブルで簡単に購入できるのなら、これでいいやという買い方も見受けられます」。

消費者行動を見極めながら、引き続き調査を実施していくとしたが、そこには「よりよい商品や安全にはお金がかかるという概念を、もう少し消費者にご理解いただけるよう、伝達の仕方ひとつとっても工夫が必要になります」との見方を示した。

広報活動では、一般消費者やネット販売を含めた流通事業者に向けた活動を推進する。なかでも力を入れるのはSNSを活用した情報発信。

Sマークを見たことがあると言っても、電気製品のどこについているか知らないのではなかなか認知度が上がりません」と、課題解消を目指して20251120日から1カ月間にわたり「SマークXキャンペーン」を実施した。

自宅にあるSマークの付いた家電を撮影した画像をポストしてもらうもので、「投稿してくれた人の『見つけました』『うちの家電にはこんなところに付いていました』という気づき、そして、それを見た方の認識も高める相乗効果が期待できます」と2023年度より3年連続で実施する。

平成ノブシコブシの吉村崇さんとみちょぱさんのYouTube動画チャンネル「みちょぱ吉村のマブマブTV」とのコラボ企画も今回が2回目。

Sマークの4つの認証機関のひとつ一般財団法人日本品質保証機構(JQA)において、製品試験・検査を行う「JQA多摩テクノパーク」を訪問し、普段は目にすることができない試験・検査の様子を紹介した。

全国小学校家庭科教育研究会の協力を得て練馬区大泉第三小学校で行ったのは、安全な電気製品の使い方をクイズ形式で楽しく学べる出前授業。

「同研究会が出している教育課程の新聞にも掲載させていただいています。教鞭をとる先生の目にもSマークが触れる機会が増えるように展開していきます」。

リチウムイオンに関連した事故が数多く報道されている。三浦氏は「経産省でも必死に取り組んでおり、モバイルバッテリーでは飛行機に搭乗する際のルールも大変厳しくなりました。そこには、私たちの危険に対する“選ぶ目”も問われており、Sマークの重要性について、広く一般の方がお気づきになっていただけるチャンスでもあると思います」とSマークの啓発に向けた取り組み強化へ気を引き締めた。

乾杯の発声を行った会長代理・幹事長 小野亮氏
中締めの挨拶を行った一般財団法人日本品質保証機構 理事 平岩貞浩氏

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