公開日 2025/06/13 06:30

超大画面レグザから4Kプロジェクターまで勢揃い。TVS REGZAが販売店向けセミナーを開催

専門店・インストーラー向けに製品内覧も実施
編集部:松原ひな子
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TVS REGZAは、全国の販売店向けの内覧&セミナーイベントを開催した。イベントでは2025年春の新商品を含むほぼすべての現行ラインナップをUDXギャラリー(東京・秋葉原)に集め、各商品の特長を解説するオリエンテーションを実施。加えて、オーディオ・ビジュアル機器の販売・導入やホームシアターの施工・デザインを行っている専門店に向けてセミナーを行った。

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現行シリーズをそれぞれ紹介する展示ツアー
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専門店・インストーラー向けにセミナーを実施。声かけは音元出版が行った

有機EL/液晶モデルとも豊富に展開するレグザ

オリエンテーションでは、商品ラインナップについて、それぞれの特長をTVS REGZAの担当者が解説。2025年のフラグシップである4K有機ELモデル「X9900Rシリーズ」(55V型/65V型)と4K Mini LED液晶モデル「Z970Rシリーズ」(65V型/75V型/85V型)をはじめ、4K液晶モデルのスタンダードライン「Z770Rシリーズ」「Z670Rシリーズ」、Mini LED搭載で85V型以上の “大画面レグザ” 各モデルの実機展示や、独自の録画機能「タイムシフトマシン」のデモンストレーションなども披露された。

4K有機ELテレビ「65X9900R」(65V型/左)、「55X9900R」(55V型/右)
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4K Mini LED液晶テレビ「75Z970R」(75V型/左)、「85Z970R」(85V型/右)
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4K液晶テレビ、左から「43Z670R」(43V型)、「50Z670R」(50V型)、「55Z770R」(55V型)「65Z770R」(65V型)、「75Z770R」(75V型)

とくにブランド史上最大サイズである110V型「110Z990R」と、85V型まで揃えるZ970Rシリーズは高画質機能の実演も。110Z990Rは、Mini LEDバックライト、広色域量子ドット、4K倍速パネル、広視野角ワイドアングルシートに加えて、パネルの表面に低反射ARコートを採用した「Mini LED液晶パネルモジュール」を搭載。4万分割以上の緻密なエリアコントロールと5,500nitオーバーのピーク輝度によって高コントラストを確保し、輝く光と引き締まった黒の描写を実現する。

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110V型の4K Mini LED液晶テレビ「110Z990R」。テレビボードは朝日木材加工による参考出展
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4万分割以上のエリアコントロールをデモで披露

Z970Rシリーズは、従来シリーズ比でピーク輝度が約1.2倍、エリア分割数が約1.4倍となった最新世代の「高輝度ファインMini LEDバックライト」を搭載。広色域量子ドットのほか、4K倍速広視野角液晶パネル、広視野角ワイドアングルシートを組み合わせて、純度の高い色鮮やかな映像表現と、斜めからも見やすい広視野角を確保した。

いずれもディープニューラルネットワークを駆使することで解析精度を高めた独自のAI映像エンジン「レグザエンジンZRα」を採用。バックライトの点灯エリアを高度に制御しながら映像を補正、さらにエリアごとの点灯時間と電流をダイナミックにコントロールすることでコントラストを高め、メリハリのあるリアルな映像を実現する。

実演された「AIシーン高画質PRO」は、AIエンジンによるコンテンツタイプ判別に加え、夜景、花火・星空、リング競技、サッカー・ゴルフといったシーンの判別にも対応するよう進化。夜景シーンで「ピーク輝度をキラッと伸ばして、色の復元を行う」機能について、「通常、色の復元は被写体の反射光によって色域を判別しているが、夜景シーンではそれぞれの照明が自発光となるため、シーンを検出すると発光色に対して補正をかけることでより色鮮やかに復元できる」と説明した。夜空は黒を沈めてコントラスト感を高めつつも、一体感のある映像に補正するとしている。

またZ970Rシリーズは上述したシーンに加えて、ライブシーンの判別も可能に。照明による顔の白飛びを抑制するほか、引きのショットではアーティストの精細感をアップできるよう刷新された。なお、シーンの切り替えは映像設定の「シーンモード」から、見ている映像に合わせて自動的に切り替える「AIオート」、もしくはシーンの種類を任意に選択して設定できる。

「クラウドAI高画質テクノロジー」によって、再生中の放送コンテンツをリアルタイムで判定、適切な画質へと補正するようすも実演。クラウド上に番組のジャンルやタイトルごとに独自に調整したパラメーターをデータベース化し、視聴中の映像に反映することで、さまざまな放送コンテンツを高画質化できる機能。「番組のジャンルやタイトルに合わせてそれぞれ独自にパラメーターを作成しているため、再生中の映像に適した画質へと補正できる」と説明した。

ほかネット動画向けの機能として、「ネット動画ビューティPRO」も紹介。映像のバンティングノイズが発生する箇所にはノイズの除去処理をし、除去効果を強めてノイズ感を軽減、さらに人物が画面上に映っているかをAIで判定して、人物にはバンディング除去をかけないように補正を行うという。これによって、テクスチャーや形がとろけるのを防いだ上で、なめらかでノイズ感の少ない映像を実現するとのこと。なお、人物の検出は実写、アニメを問わず対応する。

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また環境適応機能として、視聴者の距離や位置をミリ波レーダーで把握し、画質音質の調整を行う「レグザセンシング」も紹介。画質の調整では、テレビの近くで視聴する場合は目立ちやすいノイズを抑制して自然な映像に補正、また離れた場合は精細感が高まりメリハリのある映像に調整されるようすを実演した。

サウンドにおいても画面のセンターで視聴する場合/左右にずれた場合の違いについてデモを実施。センターからずれた位置で視聴する場合でも、左右のスピーカーの出力タイミングを調整することによりバランスを保つことができるのに加えて、視聴距離に合わせて人の声を聞きやすく調整する。

ほか、離席時にスクリーンセーバーへと切り替えて消費電力を抑える「スマート省エネモード」や、同じく離席時にタイムシフトマシンや通常録画による録画、および録画番組の再生を一時停止し、戻ると開始する「スマートちょっとタイム」など、使用感をアップする機能も備えている。

2025年春以降のモデルに搭載される生成AIを活用した「レグザ インテリジェンス」による新機能も披露。生成AIを利用したコンテンツ検索機能「レグザAIボイスナビゲーター」では、対話形式で発話内容の文脈やニュアンスから視聴したいコンテンツを探すことができる(2025年夏にアップデートで対応予定)。

たとえば「ゴルフが見たい、女子プロの番組はあるかな?」と訊いてみると、生成AIが女子プロゴルフの番組や配信映像を検索。検索結果の画面は独自に作成しており、放送予定の番組、VODサービスでの配信映像、YouTubeなどネット動画、タイムシフトマシンで録画済みのコンテンツなどが一覧で表示される仕様となっている。

さらに放送中のニュース番組を見て「相互関税ってなに?」と話しかけると「相互関税は、国同士がお互いの輸入品に課す関税のことです。貿易を促進したり、自国の産業を保護したりする目的があります」と回答。テレビを検索デバイスとしても利用できる。

最後に、ブランド初の4Kレーザープロジェクター “V7Rシリーズ” から、上位モデルである「RLC-V7R MAX」を披露した。日亜化学工業製の3色(RGB)レーザー光源を搭載したDLPプロジェクターで、最大3000ルーメン(ISO)の輝度を実現する。内蔵のGoogle TVによるコンテンツ再生、ジンバル一体型のため角度調整も容易で、スタンドアローンで手軽に大画面を得られると説明した。

「RLC-V7R MAX」のデモも披露

レグザとの連携機能を備えており、タイムシフトマシンで録画したコンテンツは、デジオンのアプリ「DiXiM Play」を利用することで、そのままプロジェクターでも再生することができる。

担当者は「レグザは国内で唯一110V型から24V型までのラインナップを揃えているブランド。高画質の要である独自の映像エンジン『レグザエンジンZRα』は3年かけて自社開発して、2022年に初めて搭載したモデルから、毎年アップデートを重ねてきた。どのような視聴環境、コンテンツでも、圧倒的な高画質を実現できるテレビであると自信を持っている。そのテレビを、欲しいと思ってくださるお客様の手元へお届けするために、今後は販売店との協力関係の構築にも積極的に取り組みたいと考えている」とコメントした。

営業本部 ブランド統括マネージャーの本村裕史氏

 

イベント参加者「大画面の選択肢が大幅に広がった」

「インストーラーの強みは『空間のデザイン』を提案できることなので、まずはお客様がどういうふうに使っていきたいか、といったヒアリングから始めるのがセオリー。要望に対してマッチする要素はあればあるだけ好ましいので、新しく取り扱える商品が増えるのは素直に嬉しい」

「AI機能には感心した。距離によってフォーカス感が変わったり、ネット動画の画質を整えたり、画質補正機能の多様さは秀逸で面白い。こうした画質・音質の自動補正機能はお客様からの反応もよく『便利につかえて気に入っている』といった声をよく耳にする。直接解説が聞けてたいへん参考になった」

「すべてのラインアップを同時に見学したのは初めて。総じて画質はよいと感じた。とくに110V型は印象に残っている。明るいところでも見られるし、同じくらいのサイズのスクリーンとも視聴の感覚は違う。大画面の選択肢が大幅に広がったように思える。スクリーンの導入を検討できる間取りなら、住環境における設置のハードルは高くないといえる。そういった大型サイズは、サポート込みのパッケージとして専門店での購入を選ぶ方も少なくないので、ブランド側にも柔軟な対応を期待したい」

「テレビはリビングなど居住空間に中心に据えることが大半のため、100型以上になるとインテリアや建築と組み合わせて空間に溶け込ませていく提案は必須に感じる。壁面の素材を工夫したり造作家具を活用したり、方法もいろいろと合わせていく必要があるため、空間提案を日頃から行なっているインストーラー向きの商材といえるし、お客様にも頼りにしていただきたいと思う」

「100V型以上の超大型サイズはテレビの大きさにともなう大きな空間や住宅へ導入される場合がほとんど。設計に関する知識や経験、また搬入や施工に関する地域のネットワークが必要になるが、これにおいては専門店が豊富に持っている。お客様に安心いただき、選択肢をより広げていただくためにも連携をとっていきたい」

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