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公開日 2008/10/04 16:52

<高橋敦のTIAS2008レポート>“魔人ブウ"にノックアウト − タカハシ的ハイエンド試聴記

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他ではなかなか聴けないハイエンド・サウンドをたっぷり聴けることこそショウの醍醐味です! …いきなり断言してしまったが、とにかくそういうことにしてしまって、その観点から見所をいくつかピックアップしていこう。

■デノンのSXシリーズは丸太のような低音

まずはデノンブース。このショウに合わせて発表されたフラッグシップ"SX"シリーズのプレーヤー「DCD-SX」とプリメインアンプ「PMA-SX」をDALIのフロア型スピーカー「Helicon 800 MkII」「Helicon 400 MkII LE」との組み合わせでデモしている。

スピーカーは2機種を随時使い分けているようだ

”SX”のサイドパネルは希少なバーズアイメイプル。木材フェチにはたまらない模様と質感…

筆者はタイミングよく石田義之氏の講演に遭遇。400 MkII LEと組み合わせての音を聴くことができた。

クレア・マーティンの曲はウッドベースから始まった。その低域は実に確かにグリップされていた。ぶっとくて揺るぎない、丸太のような低音だ。

ボーカルも良い。声の掠れ具合がちょうど心地よく描写され、きつくも甘くもない絶妙のハスキーさの歌になっている。これでもまだ6割程度の完成度だというのだから、"SX"シリーズの完成版が実に楽しみだ。

■個人的に大注目のアキュフェーズ「E-250」

続いてはアキュフェーズのブース。デモの主役は同社のアンプ・プレーヤーの新製品群だが、それをサポートするスピーカーも豪華。一本はSonus faber「Amati anniversario」、もう一本はJBLの「Project EVEREST DD66000」である。ともに300万円超の完全なハイエンド機だ。

威風堂々とはこのような有様のことだ! そしてその木工の美しさときたら木材フェチにはたまらな以下略

同社ブースでは、このショウで発表された新型プリメイン「E-250」(個人的に注目製品)とAmati anniversarioの組み合わせを聴いた。

Sonus faberのスピーカーらしいしなやかさを堪能。ハープシコードの粒立ちは穏やかでありながら明瞭という、得難い感触。サックスのふくよかさ、シンバルの粒のきめ細かさには、官能的という言葉が似合う。低域の制動も効いていてぼやけない。Sonus faberの良さと、それを引き出すE-250の実力を確認できた。

なおDD66000の方は、新型モノラルパワーアンプ「M-6000」によるバイアンプ駆動にてデモされるとのこと。“超弩級確定"のデモであるから、お聴き逃しなく。筆者はすぐに帰ってこの原稿を書かなくてはならなかったため、聴くことができなかったが…。

筆者が聴けなかった超弩級システム。一般家庭では買えぬ! 置けぬ! 鳴らし切れぬ! であろう、マニア垂涎のシステムだ

■魔人ブウがズールー族のダンスを踊る


右側の白いボックスがTEROS 5000、左側の“魔人ブウ"みたいなものがG1 GIYA
そしてステラヴォックスジャパンのブースでも、スーパー・ハイエンドなシステムが披露されていた。GOLDMUNDモノラルパワーアンプのフラッグシップ「TEROS 5000」、そしてVIVID audioの“魔人ブウ"みたいな形のトップモデル「G1 GIYA」。

何しろ"TEROS"は「あらゆる力の根源」の意味で、"GIYA"は「ズール一族のダンス」だそうで、問答無用にすごそうな名前だ。見た目もすごいし。

しかしそれ以上に問答無用なのはもちろん、こいつらが発生させる音である。第一印象を“2chらー"的に表現するならこうだ。「何この音!? ギザテロス!」…取り乱してしまいました。申し訳ありません。

しかしそれだけ強烈な音だったのだとご理解いただきたい。特にその低域の速さ、強さ、重さ、つまり威力は、このようなショウの会場でも聴いたことがないレベルに至っていた。いままで使ったことのない表現だが「強大な低域」と言いたい。

■Signature Diamondと“長いお別れ"

最後にマランツブースのB&W「Signature Diamond」に触れないわけにはいかない。筆者は昨年のこのショウでその音に完全に魅了され、同機を購入予定だったのだが、なんと「宝くじが当たらなかった」という不測の事態に見舞われ、未だに購入できていないのだ。

そのSignature Diamondの各色限定500ペアの生産が最終段階に入り、ショウでのデモも今回が最後だという。

Signature Diamond、WAKAMEフィニッシュ。ウネウネした木製単版仕上げが木材フェチにはたまらな以下略

同じく、ミニマリスト・ホワイト。我々との別れを惜しんでか、心なしかうつむき加減だ(完全に気のせい)

名機として語り継がれるであろう逸品の、最後の大舞台だ。これまたお聴き逃しのないようにお願いしたい。

(高橋敦)

執筆者プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。

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