振動膜も大型化

スタックス、静電型イヤースピーカーのフラグシップ「SR-X9000」。金属メッシュによる固定電極を新規開発

公開日 2021/09/16 10:00 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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スタックスは、新開発の固定電極「MLER-3」を搭載する静電型イヤースピーカーのフラグシップ機「SR-X9000」を発売する。価格は693,000円(税込)、10月8日より発売予定。

STAX「SR-X9000」

固定電極「MLER-3」は、従来モデル「SR-009S」に搭載されていた多層固定電極「MLER-2」をさらに進化させたもので、大型の金属メッシュを組み合わせた4層構造となっている。金属メッシュは固定電極の素材として理想的な特性を持つが、製造上の問題により実装が難しかったところを、これまでの開発で得た熱拡散結合の技術を応用することで、今回始めて実現に成功したという。

円形金属メッシュを4層組み合わせた新固定電極「MLER-3」を搭載する

振動膜は極薄のスーパーエンプラフィルムによるダイヤフラムを採用。振動膜面積は「SR-009S」に比べて20%の大口径化を実現しながらも、軽質量化で優れた過渡特性を実現し、低域から高域に渡って音の追従性を向上させたとしている。

振動膜は前モデルより20%の大口径化を実現

新設計となる筐体はアルミ削り出しで、発音ユニットを強固に固定するとともに不要共振を徹底排除。またガードメッシュは、音の反射角をコントロールするため、前後で高さの違う支柱を採用する「チルト・ガードメッシュ構造」となっている。

音の反射角をコントロールするために、支柱の高さを変える「チルト・ガードメッシュ構造」を採用

アークASSYには、ひねりやねじりへの耐性の高いステンレスを採用。ヘッドパッドは本革で、アジャスターによって位置の微調整が可能になっている。イヤーパッドは本革(羊皮)で、長時間の快適なリスニングに貢献するとしている。

ケーブルは2.5mと1.5mの2本を同梱し、リケーブルも可能。導体には6N OFC高純度軟銅線、外周には銀メッキ軟銅線を配置する。

再生周波数帯域は5Hz - 42kHz、静電容量は110pF、インピーダンスは145kΩ。本体の質量は432g。収納ケースは桐材で、熱伝導が低く優れた調湿効果により、イヤースピーカーを最適なコンディションで保管できるとしている。

次ページ「SR-X9000」を早速ハンドリング!

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