フォノEQ搭載プリアンプと300Bパワーアンプ

吉柴音響、音楽の再現性にこだわった管球アンプ2機種を発売

公開日 2016/12/20 16:46 analog編集部
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宇都宮に拠点を置き、真空管アンプを中心とした製造販売および修理などを行う(有)吉柴音響産業は、自社オリジナル設計および製造によるyoshiba-onkyoブランドの最高峰プリアンプ「PR-99」(税抜980,000円)と、真空管ステレオパワーアンプ「300B-metal」(税抜580,000円)を発売した。


yoshiba-onkyoの最高峰プリアンプPR-99(980,000円、税抜、写真右)とステレオパワーアンプ300B-Metal(580,000円、税抜、写真左)
PR-99は、レコードマニアのためのフォノEQを搭載させた、同ブランドの最高峰プリアンプ。音のハイスピード感の獲得と中音域の明瞭度を最優先で設計しているという。プリのあるべき役目を追求し、基音に余韻やエコー成分をより克明に再現するために、本格的トーンコントロール回路を搭載し、好みのサウンドバランスに調整可能としている。

入り口には低インピーダンスの目的もありカソード・フォロア回路を採用、トーン回路を駆動している。フラットアンプ部は0バイアス回路と帰還回路を使用して特性を向上、送り出し回路はトランス出力としている。また音量調整器には、業務用機器の仕様と同様な東京光音製の600ΩのT型音量調整器を採用。入力信号を確認できるVUメーターを装備、さらにアナログレコード再生RIAAアンプも装備し、真空管3本を採用したキレの良好なCR回路を使用する。

PR-99の主な仕様は、入力端子はRCAがPHONO、CD、AUXが各1系統。BALが1系統。出力端子はRCAが1系統と、BALを1系統、さらにmono端子を1系統RCAで装備する。消費電力は100V/50Hz,60Hzで34W。サイズは430W×190H×340Dmm、質量7.5kgとなっている。

『季刊analog vol.54』の誌面に試聴レポートを掲載

一方の300B-Metalは「昭和に置き忘れてきた最高の音を目指し、幻の機器の領域に足を踏み込んだ」と同社代表の吉柴和男氏が語る、300B Singlewoodの姉妹モデル。新しい角度からアンプ設計のスタンスを変更した結果、シングルアンプとは思えない躍動感と迫力の劇場サウンドを実現したという。

回路の工夫と材料の吟味によって、早い音速感を追求。加えて良質な低音部を求めて回路で処理し、締まりのある心地よい低音域を実現したという。また電源からの歪みを遮断するため、電源設計には従来の古い手法を使いつつアンプの透明度を高いレベルで確保しているとのこと。吉柴氏によると、中音部の明瞭さを得るため、2年間試行錯誤で完成させた回路工夫を採用し、現在、同社最高度の明瞭さを持つ他に類をみないサウンドのアンプになったということだ。

300B-metalの主な仕様は、使用真空管が300B×2本、6SN7×2本で、プレートチョーク採用。周波数特性は20〜20kHzで、最大許容入力電圧は300mV、スピーカー出力端子は4Ωと8Ω。消費電力はAC 100V/50Hzで93W。サイズは405W×240H×325Dmm、質量13kgとなっている。


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yoshiba-onkyoでは、アンプの基本を「個性的で楽しい音の追求にある」としている。歪み率やf特など総合特性の良さよりも、自身で音をしっかり判断して楽しむファンに向けた製品作りを目指しており、クラシック向けとかジャズ向きとかいうのではなく「クラシックは奥の方から、サックスは風が吹くようにシンバルやスネアはしっかり叩いている様子が伝わるように」と、どちらかに偏らず、時間を忘れるくらい聴き続けられるアンプを追求している。今回の製品は、その要望を満たすものに仕上がったとのこと。

PR-99と300B-Metal両機を聴いての音質レポートは、井上千岳氏の試聴により、『季刊analog vol.54』に掲載しているので、ぜひ誌面をご覧いただきたい。

【問い合わせ先】
(有)吉柴音響産業
栃木県宇都宮市峰1-14-15
TEL/028-637-3990

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