山之内 正氏&開発者が登場

新生テクニクスの音を体験! 「Technicsプレミアム試聴会@大阪」イベントレポート

公開日 2014/12/24 16:21 ファイル・ウェブ編集部
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12月20日(土)と21日(日)の2日間、「パナソニックセンター大阪」内「テクニクス サロン」において、オーディオアクセサリー誌・Phile-web共催の新生Technics(公式サイト)プレミアム試聴会が開催されました。

テクニクスサロンはグランフロント大阪の「パナソニックセンター大阪」1Fにある

今年のIFAで鮮烈なデビューを果たした新生Technics。そのサウンドを確かめる機会を心待ちにしていた方も多かったことでしょう。今回は当サイトでイベントの開催告知や募集を行いましたが、予想を遙かに上回る多くの方々からご応募いただき、厳正な抽選の結果、ご当選された方々にご参加いただきました。

イベントは各回12名様にご参加をいただき、土曜日に2回、日曜日に2回、計4回で47名様に足を運んでいただきました。あいにく土曜日は土砂降りでしたが、1名も欠席されることなくご参加いただき、Technicsに対する強い思いが伝わってきました。

山之内 正氏が様々な音源でReferenceシステムを再生

今回のイベントは“プレミアム試聴会”と銘打ちました。ただ単にシステムの音を聴いていただくだけでなく、オーディオ評論家の山之内 正氏、そしてTechnicsの開発者が来場し、お客様と直接対話していただきました。これが“プレミアム”と謳ったゆえんです。

山之内氏は、製品に関する説明を行うだけでなく、膨大なシステムや楽曲を日々検証している山之内氏自身がセレクトした音源を使い、今回登場したTechnicsの最上位システムであるReferenceシステムを鳴らしました。様々な楽曲を再生しながら、山之内氏が丁寧な解説を加えていきました。

オーディオ評論家の山之内 正氏

たとえばクラシックでは、ミネソタ管弦楽団が演奏したR.コルサコフの「道化師の踊り」ハイレゾ音源を再生。「パーカッションや金管、打弦の組み合わせを駆使した聞き応えのある曲で、大変情報量が多いのですが、Referenceシステムではハイレゾ録音の情報量をしっかりと描き出します」と評価しました。

テクニクスサロン内にあるリスニングルーム

またジャズでは「jazz at the pawnshop」より「take5」などの楽曲を再生。これもハイレゾ音源でしたが、「ドムネラスのサックスの音色のリアルさが感じられます。もともとアナログ録音の音源ですが、Referenceシステムで聴くとドラムの音がかなりアナログライク。粒立ちよく、立ち上がりが速いですね」と評価。またこの楽曲では、位相とゲインを自動的に調整する「LAPC」(Load Adaptive Phase Calibration)のオンとオフを聴き比べるデモも行われ、その効果の大きさに驚きの声も上がっていました。

山之内氏は、Referenceシステムが楽曲のディテールをしっかりと鳴らし切る実力を秘めている、と高く評価

CDをリッピングした音源も再生。ペトラ・マゴーニ&フェルッチオ・スピネッティ(Musica Nuda)の「Complici」より「bach: Aire」では、そのボーカルについて「エコーやリバーブの頼りなしに、これだけ歌える歌唱力はすごい。そして機器側も、こういった誤魔化しのない音源をきっちりと再生することは難しいのですが、それを見事にこなしています。S/Nの良さも特筆すべきポイントで、音が小さくなり、消えていく際の静けさは圧倒的。これはジッターを抑えるJENO Engineの効果でしょう」と、新開発技術のポテンシャルが高いことを強調しました。

様々な音源を再生しながら、Referenceシステムの音を解説する山之内氏

山之内氏が再生した楽曲はバリエーションに富み、「この楽曲のこのパートは、通常のシステムであれば鳴りにくいが、Referenceシステムはこう聴こえる」など、ディテールを仔細に語ることで、Referenceシステムのパフォーマンスを浮き彫りにしました。

試聴の後、機器のディテールを興味津々に眺める方々も多かった印象です

開発者も来場。開発の裏話や技術解説など活発にコミュニケーション

今回のイベントには、Technics開発陣の方々にもご参加いただきました。

まずイベントの冒頭では、Technicsのチーフエンジニアである井谷哲也氏が、今回ブランド新生に至った経緯、Technicsブランドに対する想いについて熱く語りました。

Technicsのチーフエンジニアである井谷哲也氏

井谷氏は「『Rediscover music』、つまり音楽を再発見することが新生Technicsのコンセプトです。そしてブランドの哲学は、サウンドとテクノロジー、デザインが三位一体となったものを製品化することです」と説明。

「まず第一に音質が重要であることは言うまでもありません。高音質を実現するためのテクノロジーを新たに開発しました。我々がブルーレイレコーダーなどの開発で培った最先端のデジタル技術を投入し、新しいスタイルのオーディオ機器を開発できたと考えています。また、オーディオ機器は所有した際の喜びも重要な要素で、デザインにもこだわりました」(井谷氏)。

さらに今回メインで紹介したReferenceシステムの概要や、今回新たに開発したテクノロジーである「JENO Engine」「GaN-FET Driver」「LAPC」「Technics Digital Link」などについても、ひとつひとつ詳しく解説していきました。これらの技術については、Phile-webのTechnics特設サイトでくわしく紹介しています。

Referenceシステムの詳細をチーフエンジニア自ら解説した

またイベントには、筐体設計やメカエンジニア、信号処理など、Referenceシステムを実際に開発したメンバーも参加し、ご来場者様からの質問に答えたり、ご意見を伺ったりなどといった交流も活発に行われました。

歓談のなかでは、記事には書きづらい裏話や開発時の苦労話など生々しい話も飛び出て、イベントならではのライブ感あふれるトークが展開されました。また、実際の音を聴いた後では、そのサウンドに対する感想も次々に飛び出しました。「思っていたよりあたたかい音が聴けた」「位相が揃っている感じがした」「デジタルアンプの音がこれほどよいものと思いませんでした。目からうろこでした!」「今後も業界の常識を打破するシステムを提案してほしい」などなど、Referenceシステムの音を高く評価するご意見が多く出ました。

様々な意見や質問が飛びだした歓談タイム

当サイトでも先日、読者のみなさまからいただいた質問をまとめた記事を展開しましたが、今回のイベントで頂いたご質問やそれに対する回答は、後日、別途記事としてまとめたいと考えています。



今回のイベント終了後、あらためて感じたのは、ご来場いただいた方々の「Technics」ブランドに対する憧れや想いの強さです。新たに再スタートを切り、その第一弾モデルから高い完成度を見せつけたTechnics。今後の展開がますます楽しみになってきました。

>Technics 公式サイトはこちら http://jp.technics.com/

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