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NASの枠を超えて“ミュージックライブラリー”へ

<音展>バッファローのNAS“DELA”が大きく進化、オーディオプレーヤーとしても使用可能に

ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
2014年10月17日
「オーディオ・ホームシアター展2014(音展)」が、本日10月17日より東京・お台場の「TIME 24」で開催されている。バッファローは、同社のオーディオ用NASである“DELA”「N1Z」「N1A」を出展。アップデートで対応予定の「USB-DAC接続機能」についての説明会を行った。

“DELA”のSSD搭載モデル「N1Z」。価格はオープン(予想実売価格75〜80万円前後)

バッファローのブースでは、CH PrecisionやVIVID Audioの各製品がリファレンスとして揃えられた

NASにUSB-DACを接続してのオーディオ再生が可能

“N1シリーズはバッファローが今年2月に立ち上げた新ブランド“DELA”のオーディオ用NAS(関連ニュース)。N1Zは1TB SSD搭載モデル、N1Aは2TB HDD搭載モデルとなる。説明会ではバッファローのオーディオ関連機器担当である荒木甲和氏が登場。USB-DAC接続機能の詳細について説明してくれた(荒木氏へのDELA開発者インタビューはこちら)。なお、USB-DAC接続機能の正式なアップデート開始時期は11月末から12月頃になるとのこと。アップデートは無料で実施される。

(株)バッファロー BBSビジネスユニット BSS事業課 オーディオ係 シニアプロダクトプロデューサー オーディオ関連機器担当 荒木甲和氏

DELA「N1Z/A」がアップデートで対応するUSB-DAC接続機能とは、N1Z/AのUSB端子にUSB-DACを接続することで、N1Z/Aの内蔵ストレージに保存されている音楽をUSB-DACから再生できるというもの。N1Z/Aは新たにプレーヤー機能を備え、いわば「ストレージ搭載ネットワークトランスポート」として機能する。よって汎用のコントローラーアプリから、通常のネットワークプレーヤーと同様にN1Z/Aを操作することが可能で、接続したUSB-DACをあたかもネットワークプレーヤーのように用いて再生することができる。

“DELA”のHDD搭載モデル「N1A」。価格はオープン(予想実売価格15〜20万円前後)

再生フォーマットは最大384kHz/32bit、5.6MHz DSDに対応

USB-DAC接続時の特徴として、再生フォーマットは最大384kHz/32bit、5.6MHz DSDの再生に対応(もちろん、USB-DAC側がそれらフォーマットに対応している必要がある)。またUSB-DACがDSDに非対応の場合は、DSDをPCM変換してUSB-DACへ出力することも可能だ。

PS AUDIOのUSB-DAC「DirectStream DAC」をN1Zに接続してデモを行った

接続可能なUSB-DACについては検証中とのことだが、国内ブランドの多くのオーディオブランドのUSB-DACで接続を確認しているとのこと。会場ではPS AUDIOの最新のUSB-DAC「DirectStream DAC」をN1Zに接続し、再生デモを行っていた。

汎用DLNAアプリからの操作も可能。操作性にもこだわった

操作するアプリについては、N1Z/A自体がネットワークプレーヤーとしての役割を果たしているため、汎用のDLNAコントローラーアプリであれば基本的に使用が可能。会場のデモではLINNのiOS/Androidアプリ「Kinsky」や、Android用アプリ「Audionet Music Player」が用いられていた。カバーアートの表示も可能。さらにシーク(楽曲の早送り/巻き戻し)が非常にスピーディーなことも特徴だという。

KinskyからDELAを操作している画面。右写真はその拡大画面で、「N1Z」および「PS Audio USB Audio 2.0」の表示が確認できる。接続したUSB-DACの名称まで表示できるのはユーザーにとってはうれしいはず

LINN DSを除くほとんどのネットワークプレーヤーでは、いわゆる「プレイリスト」の情報を操作アプリ側で持つため、プレイリスト再生時にアプリ側が落ちるとプレーヤー側の再生も止まってしまうとのこと。しかしN1Z/AではリンDSと同様、プレーヤー(N1Z/A)側でプレイリストを持つため、アプリが落ちたり閉じたりしても、引き続きプレイリスト再生を続行できる。こうした操作性の追求について荒木氏は「ネットワークプレーヤーとしての使い勝手にもこだわっている」とコメントしていた。

N1Z/Aから他のNASの音源を再生することも可能。DSDの曲間ノイズも解決

USB-DAC接続再生中もN1Z/AはNASとして機能しており、同時に他の部屋のネットワークプレーヤーなどからN1Z/A内の音源を再生することが可能。さらにネットワークプレーヤー機能も搭載しているので、ネットワーク上の他のNASが配信する音源をN1Z/AとUSB-DACの組み合わせで再生することもできる。

N1Zの内部画像。NASとしての役割はもちろん、アップデートでネットワークトランスポートの役割も果たすことになる

こうした点について荒木氏は「N1Z/AはNASの役割と共に、ネットワークトランスポートとしての機能を備えたことになります。もはやオーディオ専用NASという表現ではカバーしきれない機能を搭載しており、今後は“ミュージックライブラリー”という言葉で本機を紹介していきたいと考えています」ともコメントしていた。

USB-DAC接続再生においては、DSD再生時の曲間のポップノイズをいかに消すかに注力したとのこと。結果、ノイズの問題をクリアすることもできた。現時点ではギャップレス再生には非対応だが、まずはDSDのノイズ問題などストレスなく使えることを最優先したとのことだったので、今後のアップデート対応に期待したい。

あくまで周辺機器として、ネットワークオーディオ環境を整えていく

荒木氏は「N1Z/Aを発表したときに、多くの評論家や関係者の方から『ここまで突き詰めたNASならば、もはやトランスポートと呼んでも差し支えない』というお言葉をいただいたことがきっかけのひとつでした。また、我々はNASをつくる立場として、ネットワークプレーヤーのことをもっと詳しく知る必要がありました。今回のアップデートでは結果的に自らネットワークプレーヤーを手がけることになったのですが、それはNASとしての性能を高めるためにも重要なことでした」と述べ、USB-DAC接続機能実現の背景を紹介した。

今回のアップデート内容は、N1ZとN1Aで同様。より手頃な価格のN1AでもUSB-DAC接続が可能だ

また、このUSB-DAC接続機能を使えば、ハイエンドオーディオファンがすでに所有しているUSB-DACやUSB-DAC搭載SACDプレーヤーを活かして、新たにネットワークプレーヤーを買わなくても快適なネットワーク再生ができるので、より多くの方にネットオーディオを楽しんでもらえるのでは、とも述べていた。

ここまで使い勝手にこだわったネットワークプレーヤー機能ならば、単体プレーヤーを実現することもできたはず。しかし荒木氏は「我々はあくまでも“周辺機器メーカー”に徹したいのです」と説明。「オーディオにおいてはDACやプレーヤー選びは最大の魅力だと思います。最近では海外を中心にストレージからプレーヤーまでを一体化した“ミュージックサーバー”的な製品も多いですが、我々はあくまで周辺機器メーカーとして、お気に入りのDACやプレーヤーを最高の環境で再生するサポートをしたいと考えています」と“DELA”の思想を紹介してくれた。

LANハブやルーターなど、バッファローのオーディオ向け周辺機器群もデモ用システムに用いられていた

DELAのLANケーブル「C1AE」

DELAを中心にバッファローのオーディオ関連製品をデモ

音展のバッファロー・ブースでは、“DELA”「N1Z/A」と組み合わせるオーディオシステムとして、最新のハイエンド・オーディオシステムを用意。前述のPS AUDIO「DirectStream DAC」のほかにも、ネットワークプレーヤーとしてSFORZATO「DSP-05」、オーディオストリーミングボード搭載でネットワーク再生にも対応させたCH PrecisionのD/Aコンバーター「C1」、スピーカーシステムにVIVID Audio「G4 GIYA」を用意していた。

CH PrecisionのD/Aコンバーター「C1」は、オプションのネットワークボードの追加により、DSDも含めたネットワーク再生に対応できる

SFORZATOのDSD対応ネットワークプレーヤー「DSP-05」

LANケーブルはDELAシリーズ「C1AE」が用いられていた。また、DELA以外のバッファローのラインナップとして、LinkStationシリーズのNAS「LS421D」シリーズ、無線LANルーター「WZR-1750DHP2」、LAN用ハブ「BSL-WS-G2018M/A」なども展示・デモが行われていた。

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