NA8005へのギモンに答える「Q&A」<音質編>

マランツ「NA8005」の音質に関する疑問に山之内 正&開発陣がズバリ回答!

構成:ファイル・ウェブ編集部

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2014年06月26日
マランツの新ネットワークプレーヤー/USB-DAC「NA8005」。先日の<仕様編>に続き、ファイル・ウェブ上で実施した「NA8005」アンケートに寄せられた様々な疑問に、マランツの開発陣、オーディオ評論家の山之内正氏、編集部がお答えする。第2回目は音質編として、NA8005の音質にまつわる様々な疑問に回答。さらには、使い勝手や基礎知識にまつわる様々な疑問にも答えていく。

「NA8005」¥129,500(税抜)

【第2回<音質編>Q&A INDEX】
音質/同社ラインナップとの比較
デジタル・アイソレーション・システム
使いこなし
基礎知識・その他
【第1回<仕様編>Q&A INDEX】
基本仕様/コンセプト
DSD再生
ギャップレス再生
操作性&拡張性
アップデート



■音質/同社ラインナップとの比較

【Q19】NA8005は、ネットワーク再生、USB-DAC再生、USBメモリー再生で、どの再生が一番音が良いでしょうか。(嶋山さん)

<類似の質問>
・USB-DACとネットワーク再生、ズバリどちらの音がよいのでしょうか(KENTAさん)
・USB-DACとネットワークオーディオプレーヤーでは、設計上ではどちらが音質的に優位なのでしょうか。(finさん)
・様々な再生方法のあるNA8005ですが、どの入力の音が最も良いですか?(つの★ださん)

回答者マランツ開発チーム
A、難しい質問ですね(笑)。NA8005のデジタル・アイソレーション・システムは、すべての入力に等しく効果を発揮しますので、基本的にはどの入力もレベルの差はありません。ただ厳密に言えば、USB-BのレシーバーICとネットワーク、USB-AのレシーバーICは異なりますので、音色の違いという意味で差はあります。分析的な傾向のUSB-B入力に対して、ネットワーク、USB-Aはアナログ的なウォームな音の傾向がみられます。

回答者山之内正氏
A、同じデータを再生するとはいえ、再生機器の種類や信号経路の違いによって音質に違いが生まれる可能性はあります。特にUSB入力にパソコンをつないで再生する場合はパソコン本体や再生ソフトの性能など音質を左右する要因が多く、データを直接読み出す他の2つの方法に比べて環境に左右されやすい傾向があります。NA8005もその点は他の製品と同様ですが、いずれの経路で再生しても共通のデジタル・アイソレータを経由するなど、従来機に比べると再生条件の差が小さくなっているため、基本的な音の志向はよく似ています。

山之内氏は本誌試聴室にて、USB-DAC再生、ネットワーク再生、USBメモリー再生の音質を丁寧に聴き比べてくれた

それでもあえて音の違いを探ってみると、基本的な傾向としてネットワーク再生のバランスが最も優れていると感じます。ハイレゾ音源ならではのなめらかな音色を引き出しやすく、余韻の広がりなど空間情報の再現にも余裕があります。ネットワーク再生に比べるとパソコンのUSB接続はなめらかさよりも粒立ち感が前面に出て、鮮度の高さを印象付けます。USBメモリー再生の音調は両者の中間に位置付けられます。


【Q20】NA7004、NA-11S1と比較した場合、音質の差はどの程度あるのでしょうか(keijiさん)

<類似の質問>
・NA7004のユーザーです。NA8005はNA7004と比べてどこまで音質が向上しているのか気になります。(オギさん)
・スペック面では上位モデルを上回る点もあるNA8005ですが、音質ではNA-11S1にどこまで迫ることができたのでしょうか。(茶沢さん)

回答者山之内正氏
A、NA7004とNA8005は価格が比較的近いものの発売時期には約4年の隔たりがあり、その間には技術面で大きな進化がありました。その成果は再生音に確実に反映されており、USB入力とネットワーク入力どちらを聴いてもNA8005の方が情報量や音場の透明感で圧倒的な優位に立ち、周波数レンジとダイナミックレンジにも余裕を聴き取ることができます。機能やレスポンスの進化も著しく、総合的に見てもNA7004とNA8005の間の差はけっして小さくありません。

「NA-11S1」も比較試聴。さらなる詳細は山之内正氏による試聴レポートでお伝えする

「NA8005」(上)と「NA7004」(下)。両モデルも聴き比べた

一方、昨年2月に発売されたフラグシップのNA-11S1はマランツの創立60周年記念モデルにふさわしい物量を投じたうえに入念な作り込みが行われており、その成果が音に現れています。重心が低く安定した響きや緻密なディテール再現はその一例で、最新のNA8005と聴き比べても超低域の安定した響きやスケールの大きさに最上位モデルならではのゆとりが感じられます。

※このあたりの音質のちがいの詳細は、追って掲載予定の山之内正氏によるNA8005徹底レポートで紹介させていただきます(編集部)

【Q21】NA8005は、NA7004と比べて技術面でどのような進化があったのでしょうか(充さん)

<類似の質問>
・音質に関わる技術について、NA7004には搭載されていなかったものの新たにNA8005で採用されたものというのはあるのでしょうか(ALIさん)

回答者マランツ開発チーム
A、NA7004は、マランツにとって初めてのHi-Fiネットワークプレーヤーでしたので、これまで培ってきたSACD/CDプレーヤー技術の延長上で完成させました。その後、NA-11S1の開発を経たことで、データオーディオ再生には、従来の技術だけではなく、新たなアプローチが不可欠だと我々は確信しました。

そのアプローチとは、具体的に2つあります。まずは、PCやNASから流入する大量の高周波ノイズを除去する必要性です。結果、「デジタル・アイソレーション・システム」を実現させました(その詳細は、次のページの回答で紹介していきます)。

デジタル・アイソレーション・システムの概念と効果。各デジタル入力から混入するノイズをDAC直前でシャットアウトする

NA8005とNA7004におけるノイズの比較。デジタル・アイソレーション・システムの効果が如実にみてとれる

もうひとつは、データオーディオには2つのクロックが求められるということです。SACDとCDのサンプリング周波数は44.1kHz系列(88.2/176.4/DSD)です。一方、データオーディオには48kHz系列(96/192)も存在し、CDタイプのクロック管理では、計算限界で精度が劣化します。そして、48kHz系列と44.1kHz系で優先順位はつけられません。そのためNA8005では、「デュアルクリスタルクロック」を搭載し、48kHz系列と44.1kHz系で2つのクロック回路を搭載。2つの系列をそれぞれに最適なクロックで管理しています。

写真中央に2つのクリスタルクロックが配置されているのがお分かりいただけるだろう

NA8005で実現した技術は他にもたくさんありますが、特にこの2つは、NA8005の音質を語る上で重要なものと言えると思います。


【Q22】NA8005の場合でも、NASによる音質の差はありますか?(sixxさん)

<類似の質問>
・デジタル・アイソレーション・システムを備えたNA8005では、NASによる音質差というのはなくなるのでしょうか(国際軍団さん)

回答者山之内正氏
A、NASの配信ソフトの種類やバージョンによって操作アプリの応答性が変化したり、NAS自体の性能によって音質の違いが生じる可能性があるため、まったく差がないとは言い切れません。実際に数機種のNASを聴き比べてみたときの音質の差は皆無ではありませんでしたが、その差は僅かで、決定的なものではありませんでした。NA8005にはNASから伝わるノイズを抑える対策(デジタル・アイソレーション・システム)が新たに導入されているため、NASによる音質の違いが目立ちにくくなったのかもしれません。


【Q23】ギャップレス再生にすると音が悪くなる気がするのですが、原理的にあり得ますか?(Ko-heyさん)

回答者マランツ開発チーム
A、ギャップレスは再生している曲の終わり数秒前に、次の曲のデータを読み込むことで曲間のシーク時間をなくす機能です。音質が悪化することはありません。


デジタル・アイソレーション・システムへの疑問に答える

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