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公開日 2026/04/14 06:35
日本仕様としてSTANDARDとEXCLUSIVEを用意

オーディオ専用ルーターの決定版!一度聴いたら手放せない、EDISCREATION「NET SILENT」の確かな効果

土方久明

EDISCREATION(エディスクリエーション)から、高品位なネットワークオーディオ再生を実現するオーディオ用ルーター「NET SILENT」が発売された。標準仕様の「JPSM」と高級バージョンの「JPEM」の2機種をラインナップ。その音質改善効果を、土方久明氏がレポートする。



EDISCREATION オーディオ専用ルーター「NET SILENT “JAPAN STANDARD MODEL”」(写真上・330,000円/税込)、「NET SILENT “JAPAN EXCLUSIVE MODEL”」(写真下・616,000円/税込) ※いずれも展示特約店専用モデル


国内向けにパーツが異なる2モデルを用意


登場が待たれていたEDISCREATIONのオーディオ用ルーター「NET SILENT “JAPAN STANDARD MODEL”」(以後JPSM)と「NET SILENT “JAPAN EXCLUSIVE MODEL”」(以後JPEM)の2モデルが発売された。


同ブランドは香港在住のエンジニアであり、オーディオマニアでもあるエディソン・ウォン氏が立ち上げたブランドで、オーディオ用ネットワークスイッチ「SILENT SWITCH OCXO」や光絶縁ツール「FIBER BOX 2」が大ヒットした。


NET SILENTは日本向けにレッドカラーのPCB基板が採用され、JPSMとJPEMは内部の構成パーツに違いがある。共通点として、シャーシはアルミ削り出し。背面にはRJ-45有線LANポートが3基、SFPポートを1基搭載。


RJ-45ポートは、堅牢な接続が可能なイーサコンRJ-45コネクターにも対応し、グランド絶縁スイッチが搭載される。SFPポートには電源のON/OFF機能も備わっているマニアライクな仕様だ。




NET SILENTの背面(上がスタンダードモデル、下がエクスクルーシブモデル)。両機種ともRJ-45を3系統、とSFPは1系統と同数を搭載。上位モデルでは、特許を取得したインシュレーターやフルテック製NCF対応のインレット、コンデンサーや内部配線材など、よりこだわったものが採用されている


電源部はルーターとして常軌を逸した内容で、高電流・低EMIを実現する日本専用100V仕様のトロイダルトランスと多段DC電源構成で、PSEマークも取得済み。さらにルーターとしては異例ともいえる高品位なOCXOクロックを搭載するほか、オーディオ用途にカスタマイズされた独自のファームウェアも実装されている。


JPEMは、さらに部品レベルで限界を押し広げた上位モデルだ。ベースシャーシは銅製に変更され、特許取得のフット「Ripple Base Footer」を装着、フルテック製IECインレット、オーディオグレードの高品質なキャパシター、UPOCCを採用した内部配線材が投入される。


一つ留意したい点として、本機の導入にあたっては、他社のオーディオ用ルーター同様に、Wi-Fiのアクセスポイントを用意する必要がある。(ポケットタイプの安価なものであれば5,000円ほどで入手可能)。また、本機は特約店専売モデルとなっている。


高音域の透明感がまるで違う


まずは試聴室に備えつけのTP-Linkのルーターと常設ネットワークスイッチの環境(図1)で、ヒラリー・ハーン、ホリー・コール、サム・スミスの3曲を再生した。いつもの良い音で、特に問題はないと思ったのだが……。


次に、スタンダードモデルであるJPSMを投入する(図2)。ネットワークスイッチとNET SILENT JPSMをLANケーブルで接続し、二重ルーター状態(※後述のコラム参照)にして、NET SILENT JPSMにエソテリック「N-05XD」と、トップウイング社のアクセスポイント「OPT AP」をLANケーブルで接続した。



この状態で3曲を改めて再生したところ、圧倒的な変化があった。どの楽曲でも、高音域の透明感がまるで違い、本当に一枚ベールを剥いだような強烈なS/N感と全帯域の分解能向上が聴き取れる。ホリー・コールやサム・スミスでは、強力な電源部が効果を発揮して、キックドラムなどの低音域の押し出しが強くなる。


上位モデルは音楽性がより高まる


上位モデルであるNET SILENT JPEMは、上述の音質改善効果はそのままに、音色に変化が感じられる(図3)。ヒラリー・ハーンでは中音域の密度が高まり、まるでプレーヤーの音楽性が高まったような音に変貌した。


最後に、NET SILENT JPEMと「OPT AP」をSFP端子の光ケーブルで接続した(図4)。ヒラリー・ハーンでは聴感上のS/N比がさらに向上し、サム・スミスと宇多田ヒカルの声が重なったときのダイナミクスの描き分けも良くなる。アクセスポイントであるOPT APからのノイズを光アイソレートによって遮断する効果を強く実感した。


さまざまなブランドからオーディオルーターが登場しているが、この2台は、ハードウェア、電源、クロック、グランド処理、筐体構造、そしてファームウェアに至るまで徹底しており、オーディオ用ルーターとして真打の一台となるだろう。


JPSMの音を100%(そのくらい効果が高い)とするなら、音色の良いJPEMは120%といった印象で、僕を含めてほとんどの人にはJPSMで十分だと判断するが、一度この静寂さと分解能、音の力強さを体験してしまえば、通常のルーター構成には戻れないと思う。



コラム:二重ルーターとは?



ネットワークオーディオの音質を向上させる最終手段として、「オーディオ用ルーター」に注目が集まっている。ルーターはインターネット回線とLAN(宅内ネットワーク)の仲介をしたり、接続される機器にIPアドレスを割り当てたりするものだ。そして、Wi-Fi(無線)の基地局となるアクセスポイント機能を備えている。


一般的にはこの状態で使用するケースがほとんどであるが、その環境にもう1つルーターを加えることで、オーディオ専用のネットワークを構築し、無駄なデータ通信からネットワークを分離させることが可能になる。この手法のことを「二重ルーター」と呼ぶ。




※本記事は『季刊・オーディオアクセサリー 200号』からの転載です。

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