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公開日 2022/04/28 19:02
2021年度4Q決算報告会見を実施

セイコーエプソン、収益の創出にこだわる経営で増収、増益。供給制約の状況も2022年度下期に改善を見込む

PHILEWEBビジネス 徳田ゆかり

セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長 CEO 小川恭範氏
セイコーエプソンは、同社代表取締役社長の小川恭範氏が登壇し、2021年度第4四半期の決算発表を行った。2021年度4Qの実績は、売上収益2,821億円で前年同期比+41億円、事業利益126億円で前年同期比−31億円となった。前年同期にウェアラブル機器の減損損失を計上した一方、4Qは円安に伴う前年同期以上の為替差益計上があり増益となった。


2021年度4Qの業績
「1/28時点での想定に対して、半導体などの調達難や物流困難による供給制約は想定以上に厳しかったが、需給バランスに応じた価格対応や費用コントロールにより、売上収益は予想並、事業利益は46億円上回った」と説明する。

セグメント別に見て、プリンティングソリューションズは、前年同期に対して増収、減益に。オフィス・ホームプリンティングは為替影響もあって増収となったが、事業利益は前年同期並。オフィス・ホームIJPは強い需要が継続しているが、部材調達難、物流混乱によるリードタイム長期化の影響から供給制約が継続し、販売台数は前年同期を下回った。しかし需給バランスに応じた価格対応により増収に。大容量インクタンクモデルは、販売台数が前年同期並だが、PR活動により先進国で増加。インクの売上収益も増収。商業・産業プリンティングは減収、減益。商業・産業インクジェットプリンターは受注残が高水準で需要が強いが、供給制約で減収。



プリンティングソリューションズの2021年度4Q業績
ビジュアルコミュニケーションは、プロジェクターの受注残は高水準だが、供給制約が継続しており、前年同期に対して大幅に販売台数が減少。売上収益は減収となった。セグメント利益は、価格対応や事業構造改革の効果、在庫増加に伴う利益の押し上げ影響で前年同期並となった。マニュファクチャリング関連・ウェアラブルは、増収・増益となった。


ビジュアルコミュニケーションの2021年度4Q業績
2021年度通期業績は、4Qが前回予想を上回り、売上収益は1兆1289億円。事業利益は896億円。当期利益は922億円となった。セグメント別に見て、プリンティングソリューションズは、大容量インクタンクモデル、オフィス共有インクジェットプリンターが販売増加となった。


2021年度通期業績

プリンティングソリューションズの2021年度通期業績
2021年度通期のビジュアルコミュニケーションでは、プロジェクター市場が新型コロナウィルス影響で縮小した2020年度から、教育関連やイベント向けを中心に回復し、家庭向けプロジェクターの需要拡大も捉えて販売拡大した。事業構造改革も進展し、収益性が大幅に改善した。


ビジュアルコミュニケーションの2021年度通期業績
2022年度の通期業績予想については図のとおり。商品全般で需要は旺盛と見る。供給の改善については、部材調達や物流混乱は継続する見込みだが、継続的に実施してきた商品設計の変更による調達先の複数化や、部材・コンテナの長期数量確保などの効果により、下期に改善を見込む。


2022年度通期の業績予想
昨年3月に公表した長期ビジョン「Epson 25 Renewed」の進捗状況については、「2021年度は世界的サプライチェーンの混乱が続く中、領域別に将来成長に向け取り組みを進展させた。2022年度も同様にメリハリのついた事業運営を継続している」とした。


長期ビジョン「Epson 25 Renewed」の進捗状況
また解決すべき社会課題のうち、環境への取り組みを重視。「すぐれた環境性能を有するインクジェットをはじめ、エプソン独自の技術を活かした商品を提供し、お客様のもとでの環境負荷低減など取り組みを進めている」と説明。「引き続き足元の収益の創出にこだわり、社会課題解決を起点とした中・長期企業価値向上に向けた取り組みを推進していく」と締めくくった。

環境への取り組みについて

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