“開かずの壁コン”を救え!『季刊・オーディオアクセサリー』編集長的MVP、フルテックの“L型プラグ”電源ケーブル
“開かずの壁コン”を救ったフルテックの特注ケーブル
2024年の4月から本格的に運用をスタートした小社刊行雑誌『季刊・オーディオアクセサリー』『季刊・アナログ』の新試聴室。1年9か月以上、さまざまな取材を日々この試聴室で行ってきましたが、機能面ではひとつの後悔がありました。
それは部屋の前方に設置した壁コンセントのこと。ちょうどセンターに設けてしまったのです。
ここは評論家の先生方によって、ルームチューニングパネルを設置することが多い場所。センターにパネルを設置する以上、この壁コンは完全に遮られてしまい、使うとしたら電源ケーブルはパネルを避けるように横から出さざるを得ません。


読者の皆様、電源ケーブルを横から出すことの違和感をわかっていただけるでしょうか? ケーブルを不自然に曲げてしまうことになり、重いケーブルならばプラグがもっていかれて、グラグラの状態になってしまいます。
音にも精神衛生上にも良くありません。
そもそもの話、新試聴室を設計するにあたり、壁コンとパワーアンプを電源ケーブルで直結させることは憧れのひとつでした。フルテックの壁コン「GTX-D NCF(R)」まで設置したのに……。
壁コンの仕様に合わせて左右どちらでも製作可能
今年の秋、フルテックの葉山社長がこの試聴室に初めてお越しくださいました。そして、「弊社の製品で必要なものがありましたら、なんでも仰ってください」と温かいお言葉をいただきました。
ついにチャンス到来!「ここを見てください。壁コンセントから横出しできる電源ケーブルがあれば嬉しいです」
私の突然のお願いに、葉山社長はすぐに笑顔で「わかりました。FI-12MLを使えば簡単にできますよ」とご快諾をいただきました。
「FI-12ML」はフルテックが開発したL型の電源プラグ。電極部はロジウムメッキと24K金メッキ、無メッキからの選択ができます。プラグの向きは90度刻みで回転/固定が可能なので、壁コンの仕様に応じて左から出すことも右から出すこともできる優れものです。
今回は同社の電源ケーブル「Origin Power NCF(R)」に、このL型プラグのロジウムメッキ仕様を装着した特注モデルをお借りできることになりました。実使用上の利便性を考え、今回は向かって右から出す仕様にて製作いただきました。
この電源ケーブルのおかげで、パワーアンプと壁コンとがスムーズに直結できます。
また、ちょうど同じくらいの時期に、日本音響エンジニアリングさんのご協力でルームチューニングアイテムの「アンク」も新試聴室の仲間に加わりました。さすがに大きい「アンク」ですが、この巨大な建造物を縫うように電源ケーブルが気持ちよさそうに泳いでます。
もしこのケーブルがなかったら……。奥のコンセントは、“開かずの壁コンセント” になっていたかもしれません。雑誌やウェブの取材が、ますます充実したものになりそうです。



































