PR 公開日 2026/04/16 06:30

新鮮な手触り、新世代DALIの新たな挑戦。価格以上の実力を聴かせる、SONIKシリーズの魅力を深掘り!

OBERONよりすべての音質要素が1ランクアップ

デンマーク発の老舗スピーカブランドであるDALI(ダリ)。同社のスタンダードライン「OBERON」が、今年「SONIK」の名のもと生まれ変わった。フラグシップとなる「KORE」の技術を惜しみなく投入し、新時代のDALIを象徴する新シリーズ。井上千岳氏がその音を体験する。

写真右から2ウェイ・フロア型の「SONIK7」(272,800円/ペア)と「SONIK5」(181,500円/ペア)、2ウェイ・ブックシェルフ型の「SONIK1」(90,200円/ペア)※すべて税込

KOREの技術を注入した、新たなるスタンダード

DALIのスタンダード・モデルとして2018年の発売以来広く人気を集めてきたOBERONが、大幅なリニューアルを受けて新シリーズへと発展した。ここで紹介するSONIKがそれである。

シリーズの内訳はフロア型3機種とブックシェルフ型2機種、それに壁掛け用とセンター用という構成である。上級機EPIKOREを始めとするKOREテクノロジーが随所に活用され、内容を一新したことが注目される。

SONIKシリーズ。18cmミッドレンジ/ウーファー搭載のブックシェルフ型「SONIK3」や、フロア型はトップモデルとしてハイブリッドトゥイーターと18cmミッド/ウーファーを3基搭載した「SONIK9」もラインアップ。その他にセンタースピーカーの「SONIK CINEMA」、壁掛けタイプの「SONIK ON-WALL」も揃う 

OBERONから最も大きく変更されたのはドライバー・ユニットで、特にウーファーは全く新規の設計である。磁気回路には独自のSMC(ソフト・マグネティック・コンポジット)が採用されている。鉄粉の表面に絶縁を施したもので、渦電流を回避するなど性能を大幅に高めたマグネットである。

ボイスコイルの運動領域にSMCを直接挿入

このSMCには機種やグレードに応じて使い方にバリエーションがあり、このうちSONIKではSMCエッセンシャル・マグネット・システムというバージョンが採用されている。ポールピースを鉄とSMCディスクのハイブリッドとし、外磁型フェライト・マグネットの中心に配置したものだ。

ウッドファイバー製の13cm/18cmのバス・ミッドレンジ・ドライバーにはKOREで採用されたクラリティコーン・テクノロジーを投入。磁気回路構成やパーツはOBERONを継承し、純鉄製ポールピース上部にSMCディスクを配置することで、純鉄ポールピースのみであったDALIの同等モデルに比べ、3次高調波歪みが大幅に低減できるようになった

ボイスコイルの運動領域に直接SMCを挿入することによって、純鉄製に比べて3次高調波歪みの大幅な低減を実現した。

振動板はClarity Coneと呼ばれる技術で成型され、ウッドファイバーとペーパーの混合素材に5カ所のエンボス加工を施してある。剛性を高め共振を効果的に制御して、トゥイーターとのつながりを改善するEPIKORE由来の技術である。

低粘度の磁性流体に変更、上位はプレナー型も追加

トゥイーターは29mmのソフトドームで、オーバーサイズの振動板は少ない動きで高い音圧を実現し、ボイスコイルの動作を最小に制御する。そして磁性流体を排したKOREテクノロジーの設計思想を継承し、高粘度から低粘度の磁性流体に変更した点がOBERONとの違いとなっている。

29mmのソフトドームトゥイーター。同社のKUPIDと同様に低い粘性の磁性流体を採用

SONIKは新たにスピン加工したアルミニウム製の広分散フェイスプレートを採用。プレナー型のフェイスプレートにもアルミニウム製が使われている

なお上位2モデルにはプレナー型トゥイーターも搭載されている。ソフトドームとの一体化で高域の再現性を拡大する伝統のハイブリッド・トゥイーターで、OBERONにはなかった構成である。ネットワークはハイブリッド・トゥイーターを搭載した7と9に関しては従来の構成にフィルムコンデンサーが追加されている。

 

「SONIK7」とさらに上位モデルの「SONIK9」に搭載された17×45mmサイズのプレナー型トゥイーター

キャビネットは高密度MDF。バスレフ型だが、ポートはエアーノイズの少ないデュアルフレアを採用している。また脚部には新形状のアルミダイカスト製アウトリガーを装着。なお仕上げには4色が用意されている。 

脚部はOBERONがハカマ型であったのに対し、SONIKはよりしっかりした形状のアルミダイカスト製に強化

シリーズ最上位となる「SONIK9」のキャビネット構造。高密度MDFキャビネットパネルとソリッドフロントバッフルで構成。全モデルでポートはデュアルフレア構造を採用。ウーファーの後ろの比較的近くに設置され、スピードの速い低域を実現

SONIK1 -音離れがよくレンジも広い、心地よい滑らかさ

全てを紹介するのは難しいので、ここでは3機種をピックアップした。SONIK1は最も小型のブックシェルフ型で、ソフトドーム・トゥイーターと13cmウーファーの2ウェイ。新鮮な手触りでフットワークの軽快な鳴り方をする。音離れがよくレンジも広く、引っ掛かりのない滑らかな出方が心地よい。

バロックはエッジの切れがよく、楽器どうしの分離が明瞭だ。質感が繊細で響きがこもらず、瑞々しい響きで艶やかな音色が引き立つ。ピアノは高低のバランスがちょうどよく整い、響きが濁りなく乗って颯爽とした流れを見せる。スピーディな再現性である。コーラスは伸びやかで汚れがなく、豊かな余韻に包まれてふわりとした感触だ。ハーモニーが濁らず、明晰な再現が展開する。

オーケストラは歯切れのよさを目いっぱいに繰り広げ、どの楽器にも明確な輪郭が備わってアンサンブルが立体的に描き出される。質感が濁らず音色が鮮明で、瞬発力の高さも手伝って活きのいい音楽が闊達に描かれるのである。

SONIK5 -確かな手応えを感じる、芯の豊かな響き

SONIK5はスリムなフロア型で、13cmのダブルウーファー(パラレルドライブ)としている。フロア型だけに一回りスケールが大きく、ことに低域の出方に肉質感が加わり、全体的な充実感が高まるのである。

バロックはまとまりのいい出方で、古楽器らしい艶やかさが瑞々しく描き出されている。ナチュラルなテイストに富んで無理がかからず、動きに引っ掛かりがない。

ピアノはさらに自然さが増し、芯の豊かな響きがどっしりとした手応えを見せる。しかも重苦しくなることはなく、タッチはまろやかできめ細かな表情をていねいに描く。

コーラスは声の実体感がぐっと高まり、空間の奥行がリアルだ。弱音部の表情が大変デリケートで、訴える力が違うという気がする。

オーケストラは楽器それぞれの表情が緻密で影が濃く、起伏の深い再現を聴かせる。楽器どうしが混濁せずにくっきりと描き分けられ、位置感が明快で立体的だ。色彩が鮮やかでエネルギーに富み、フレッシュで爽快な鳴り方である。

SONIK7 -音楽全体が雄大な起伏で動く

SONIK7は18cmダブルウーファー(パラレルドライブ)に独自のハイブリッド・トゥイーターを加え、2.5ウェイとした構成だ。高域と低域がぴったりのバランスを形成し、緻密な質感と抜けのいい響きを作り上げている。

バロックは古楽器の響きが瑞々しく新鮮だが、またしっとりとした艶に包まれて粘りがある。低音楽器も手応えに満ちて深い。ピアノも底の方まで沈み、重心をどっしりと引き下げている。タッチはまろやかだがエッジは切れがよく、厚手の響きが豊かな音楽像を築き上げるのである。コーラスはハーモニーのたっぷりとした余韻が空間に充満して、声が楽々と通ってゆく感覚がある。汚れっぽさがなく、質感も表情も純粋でデリケートに変化する。

オーケストラはシャープな輪郭を利かせた音色が鮮やかで、どの音もていねいに肉付けされて密度が高い。厚い響きが大きなうねりを描き、音楽全体が雄大な起伏で動く。立ち上がりが速いことも再現力に寄与していると言ってよく、出色の完成度を達成している。

シングル仕様の端子。OBERONはプラスチック製ノブと真鍮ターミナルであったのに対し、SONIKはノブも真鍮製を採用。サランネットはマグネット式になった

立ち上がりの速さとエネルギーが違う

3モデルを通してSONIKシリーズに感じるのは、立ち上がりの速さとエネルギーの大きさ、そこから生じる輪郭の明確さと解像度の高さ。

いずれの要素もOBERONからひとまわり高く強くなっているのが明らかで、スピーカーとしての品位が確実に1ランクずつ上昇した。ディテールが精細で表現が緻密になったことも感じる。もはや通常のスタンダード機とは言い難いところに達しているのを実感するのである。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)


※本記事は『季刊・オーディオアクセサリー 200号』からの転載です。

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