ビクター「SP-WS02BT」「SP-WM01BT」レビュー。木のぬくもりと「本物の音を鳴らす」本格派Bluetoothスピーカー

エンクロージャー内に搭載されるスピーカーユニットは、ステレオ再生を実現すべく、質感の良い音が出せるシルクドーム製トゥイーター2基とオーバル（楕円形）ウーファー1基、パッシブラジエター1基の2ウェイスピーカー構成を採用。これらの音質対策は、幅広い空間表現と高域の透明感、迫力という、“良い音が聴こえる要素”を担保している。

対応ソースはBluetooth（コーデックはAAC、SBCに対応）のほか、オーディオプレーヤーなどの外部機器とも接続できるアナログライン入力も搭載する。バッテリーも内蔵しており、最大12時間もの連続再生が可能だ。また2つのSP-WS02BTを接続してのステレオ再生が可能なステレオペアリング機能も有しており、オーディオブランドとしての誇りを感じさせてくれる。

もう1台のSP-WM01BTもなかなか見どころが多いスピーカーだ。こちらは手のひらの上に乗るようなさらに小型の筐体が自慢で、天然木仕上げの美しいボディは共通している。モノラル構成だが、なんと搭載されるユニットはトゥイーター1基とウーファー１基、パッシブラジエーター1基という2ウェイスピーカー構成となっており、音質を重視しているのがわかる。

高剛性の樹脂で構成したキャビネットや、Bluetoothおよびバッテリーの持続時間などはSP-WS02BTと同様。一方、アナログライン入力は省いている。また、充電時間が本機SP-WM01BTは約3時間、ステレオモデルのSP-WM02BTは約4時間という点も違いのひとつだ。

暖かく品位のあるデザイン。音質対策にも手抜かりなし

ここからは試聴に入ろう。まずはSP-WS02BTから、いつも原稿を執筆している筆者のデスクに設置してみた。

一目見て、暖かく品位のあるデザインに惹きつけられる。天然木のボディ、フロントにはビクターのエンブレム、天井部には同社のシンボル、ニッパー犬のプリントがあしらわれており、歴史ある同社の製品だということをアピールしているのが嬉しい。

また、天然木素材の視覚的質感を重視したキャビネットの四角のラウンド形状のアールの付け方など、デザイン品位を徹底的に高めていることがヒシヒシと伝わってくる。

もちろんデザインと同時に音質対策にも手抜かりない。

例えば底面に設置されたフット部に円錐シリコンインシュレーターを採用することで、ウーファーやパッシブラジエーターから出る振動を吸収して接地面への伝搬や相互干渉を低減させているなど、音質も考慮されている。

またサランネットフレームはハニカム構造を採用することで高い剛性と開口率を両立させている。さらに、音質的に考慮されたサランネットを「表裏」「縦横方向」まで管理しつつ、一枚一枚手作業で貼り付けるという丁寧さだ。

「SP-WS02BT」試聴：「これは小さな名機だ」と思わず頬が緩む高音質

手持ちのiPhoneとBluetooth接続してみると、ペアリングはスムーズに完了。まずは洋楽ポップス、チャーリー・プースのアルバム『チャーリー』から「There's A First Time For Everything」を再生した。