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PR使い勝手・デザイン・音質どれも完成度が高い

ビクター「SP-WS02BT」「SP-WM01BT」レビュー。木のぬくもりと「本物の音を鳴らす」本格派Bluetoothスピーカー

公開日 2023/12/01 06:30 土方久明
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イントロのエレクトリックシンセサイザーの音に透明感がある。中〜高音域の音色は暖かく色彩感が強く楽しい音だが、最も驚いたのは低域再生能力の高さと、音がしっかりと前面に出てくることだ。

これらの理由は3つのユニットがスピーカー前面部に取り付けられていること、そして、パッシブラジエーターが背面部に取り付けられていることによるものだと想像できるが、これによりバスドラムやベースなどの低域にアタック感や迫力があり、しかもダブつかない。つまり低域がリアルで、かつ、一つひとつの音のディテールがしっかりとしているのである。

SP-WS02BTの天面。各種操作ボタン類とともに、ブランドの象徴である犬のマークが配置されている

続いて少し懐かしい楽曲として、マライヤ・キャリーの名盤『デイドリーム』を聴いたが、ディテールの細かい暖色系の音を表現できるSP-WS02BTは懐メロとの相性も良かった。彼女の声の音域の広さと、ホイッスルボイスによる表現力豊かなボーカルが生き生きと眼前に飛び出してくるのだからたまらない。

クラシックはどうだろうか? 交響曲のジョン・ウィリアムズ&ベルリン・フィル「ライヴ・イン・ベルリン」を聴いてみた。壮大さ、アコースティック楽器の表現力、空間の広さなど普通のBluetoothスピーカーのレビューではあまり使わない難曲だが、僕はSP-WS02BTの再生能力に賭けてあえて使ってみたのだ。

結果は事前の予想を超えていた。ヴァイオリンやトランペットなどの質感が良質で、機械的に聴こえないのが素晴らしい。低域がしっかりしているのでコントラバスやティンパニの音も出てくる。もちろん、いつもレビューしている本格的なスピーカーからすればスケール感は小さくなるが、小型スピーカーという印象以上にサウンドステージが幅広く表現される。本スピーカーのアンプ出力はトゥイーターが3W×2、ウーファー14Wとなっているが、数値以上にアンプが各ユニットをしっかりとドライブしている印象だ。「これは小さな名機だな」と思わず頬が緩んでしまった。

「SP-WM01BT」試聴:「サイズからは想像できないしっかりとした低域が出てくる」



次にSP-WM01BTをiPhoneとペアリングして試聴した。手のひらの上に乗るような、さらに小型のキャビネットだ。ここまでコンパクトであれば、部屋のちょっとしたスペースに載せることができそうだが、果たして音質はどうだろうか? と僕は一瞬不安になった。

しかし、その心配は音が出た瞬間に解消された。

まず気に入ったのはサイズからは想像できないしっかりとした低域が出てくること、また音の混濁感が少なくディテールがクリアーなことだ。SpotifyからYOASOBI 「アイドル」を再生したが、ベースがしっかりと表現されており、コンパクトな筐体から予想する以上に低域が出てくる。

SP-WM01BTを持ったところ。手のひらサイズながら想像以上にしっかりした低音を聴かせてくれる

続いてマイルス・デイヴィス 『Kind of Blue』から「ソー・ホワット」を聴いたが、マイルスのトランペットは色艶の良い表現で、強弱も中々上手に表現しているし、ジョン・コルトレーンのサックスの音色も良好、ジミー・コブのドラムのリズム感も悪くない、そしてオールドジャズらしいスモーキーな表現が聴き取れる。

ここまで小型のスピーカーでこのような音の表現を文章に書ける製品は少ないかもしれないが、聴感上、中音域から高音域までディップがなく各帯域が繋がるため音楽的に破綻しない。先ほど聴いたSP-WS02BTも含め両モデルともマルチチャンネルアンプを採用し、各スピーカーを独立したアンプで駆動しているのだが、各ユニットの周波数特性やクロスオーバーポイントを細かく調整しており最適な音質を作り出していたとのことで納得した。

ちなみに、検証のために机の上に置いた2台のスピーカーを見つけた家族が、デザイン面について良い反応だったことを併せてお伝えしておきたい、両モデルともインテリアに凝った部屋の中に投入しても大丈夫だし、小型ボディのため、机の上から本棚、テーブルまでどこにでも置くことができる。

SP-WM01BTは外部入力を省き充電用の専用USB端子のみを装備

両モデルとも「本物の音を鳴らしてくれる」



いかがだったろうか? Bluetoothスピーカーは最も人気のあるオーディオ製品ジャンルのひとつ。大手量販店の売り場には一面に様々な製品が陳列されている。サイズの大小に関わらず金額帯も大きく違うから迷ってしまう方も多いかもしれない。

そして、音質については本当に差が激しい。だからこそ、この記事を見ている方には本物を選んでほしい。どの製品を買っても音楽を聴く時間は一緒だからこそ、音楽を聴くためにしっかりとした音作りが施されているモデルを選ぶべきなのだ。

SP-WS02BTとSP-WM01BTは、このサイズのスピーカーでよくあるチープな音ではない、本物の音を鳴らしてくれた。両モデルとも、天板の上に描かれたニッパーマークが誇らしく思える製品だ。

(提供:JVCケンウッド)

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