公開日 2023/10/24 06:30

“ラックスマン流”ネットワーク再生の新提案!ストリーミングから映画まで「NT-07」が広げるエンタメの楽しみ方

【特別企画】音質も発展性も全方位に抜かりなし!

ラックスマン&CHORDのDAコンバーターを組み合わせ!



続いてはいよいよクオリティチェック。この試聴では2種類の機材(DAC)と組み合わせた。まずは、ラックスマンのCDプレーヤー「D-07X」のUSB入力を利用することで、トランスポート+DAコンバーターの両面からラックスマンサウンドを追求する。

LUXMANのCDプレーヤー「D-07X」(825,000円/税込)のUSB入力と接続。この組み合わせならばMQAのフルデコードも可能。オールラックスマンによるサウンドを楽しめる

NT-07とD-07XをUSBケーブルで結び、iPadのLUXMAN Streamを立ち上げた。嬉しかったのはこの組み合わせでの音質だ。女性ボーカルはアデルのアルバム『30』より「To Be Loved」(44.1kHz/24bit)を再生したが、まずテンションが上がったのは、高音域の透明感が秀逸で音抜けが良く、何よりもボーカルに適度な色艶が乗ることだ。ベースをはじめとして低音の楽器に弾力感があることもポイントで、僕が知るラックスマンサウンドの良いところが確実に聴き取れる。ノイズフロアが低く分解能が高いので、小レベルの音がスポイルされないのはトランスポートの能力を感じさせるし、サウンドステージはスピーカー左右を超えてステージの立体感もある。

専用アプリの使い勝手も良好

続いてジャズから、マイルス・デイヴィスが1956年に発表したアルバム『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』 (2.8MHz/1bit DSD)を再生した。DSDフォーマットの長所である滑らかな音調をそのまま表現するが、S/Nが良く空間が出るのでイントロのマイルスのミュートトランペットに立体感がある。ジョン・コルトレーンのテナー・サックスは、中音域の色艶と音色の良さにより、シルキーで有機的な音色を持ち印象が良かった。

アプリで手軽に楽曲を選択、再生できるのもネットワークオーディオの楽しみ

次に、CHORDの単体DAコンバーター「DAVE」と組み合わせた音質マッチングを模索する。改めてアデルから試聴したが、絶対的な解像度は高いが、決してエッジの効いた音には聴こえない絶妙な再生音。抑揚への追従や歌手の背丈が感じられるようなリアルな音像表現に舌を巻く。DAVEはロングセラーだが音の良さを再認識した。

イギリス・コードの「DAVE」(2,420,000円/税込)とも組み合わせ。解像度の高いDAVEの魅力もしっかり引き出される

また女性ボーカルがよく聴こえるので、TIDALからメロディ・ガルドーがピアニストのフィリップ・バーデン・パウエルと共演した「Currency Of Man」を再生したが、ピアノタッチも粒が立って立体的だし音色も美しい。また声に力があることも印象的だった。DAVEと組み合わせてもS/Nの高さが印象的で、絶対的な分解能をしっかりと表現してくれるトランスポートだと判断した。

映像コンテンツもリアリティ豊かに楽しめる



続いて映像コンテンツ再生にもチャレンジした。NT-07は2系統のHDMI入力端子を搭載しているので、ブルーレイプレーヤー(Apple TV等でも同じ)とHDMIで接続し、NT-07を介して映像はテレビにパススルー出力、音声はDAコンバータからアンプを介してスピーカーに出力される。

スピーカーにはパラダイムの「MONITOR SE ATOM」、パワーアンプはデノンの「PMA-60」を組み合わせ

ここでHDMI搭載のアンプについて重要な情報をお伝えしよう。HDMI搭載アンプは近年数を増しているが、HDMI ARCで入出力を1つにまとめてしまうと、テレビ側の都合で48kHz/16bitにダウンサンプリングされてしまうという課題がある。だが、このNT-07のようにHDMIの入力と出力を分離することでその問題を回避できる。ブルーレイオーディオや映像ストリーミングサービスの音源もフルスペックで出力できるのはラックスマンの大きな強みでもある。

Blu-rayプレーヤーやApple TVから、HDMI INにHDMIケーブルを接続。そうすることでARCのダウンコンバートされる問題を回避できる

ここでは、パナソニックのUHD BDプレーヤー「DP-UB9000」を組み合わせて、UHD BDの『アリータ: バトル・エンジェル』を再生した。音が出た瞬間に、僕も含め取材陣が目を見張った。もちろんテレビの純正スピーカーとは比べ物にならない情報量、迫力、音のディテール表現があることは予想していたが、それを超える質感の高い音に一同感心するばかり。ダイアローグの明瞭度や爆発音の立ち上がりの良さなど随所に聴きどころを感じさせてくれる。リビングオーディオとしても大いに活用できるだろう。

思わず時間を忘れて見入ってしまうクオリティ!

原稿執筆時点でNT-07の売り上げは好調だという。ラックスマンは、2010年に発売したDAコンバーター「DA-200」以来、デジタルファイル再生にも積極的に目を向けてきたメーカーだ。そんな同社が満を持して投入しただけあり、NT-07は2023年のトランスポートに求められる要素である、音質、操作性、接続性、発展性が全方位的に備わっている。

国産の老舗ブランドがこのような隙のないモデルを出してきたことを僕は称賛したい。試聴中に大きな欠点も見つからず、欲を言えば早めにroonに正式対応して欲しいくらいだろうか。自宅のオーディオラックに置かれた美しいブラスターホワイトのNT-07がたいへん頼もしく見えた。

余談となるが、NT-07のカタログには「NT-07コンプリート活用ガイド」なるものが同梱されている。実は筆者が使いこなしや発展性などを解説させてもらった。以下リンクからもダウンロードできるので、購入を検討されている方はぜひご覧になって、NT-07がもたらす柔軟なネットワーク再生をご覧いただきたい。

(提供:ラックスマン)

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