PR 公開日 2023/06/09 06:30

弩級セパレートAVアンプ、マランツ「AV10/AMP10」の“完成形”を聴く。「音場の音密度が圧倒的」

評論家・大橋伸太郎氏がレビュー

リアルなヴァイキング映画を作ろうと狙ったという「ノースマン」(4Kブルーレイ/ドルビーアトモス)は画質、音質、サラウンドで最近出色のソフト。全チャンネル同時出力の余裕で5年前にクラスDデジタル採用に踏み切ったわけだが、全15台のスピーカーが高鳴るサラウンドのシーンでは、オブジェクトオーディオの時代になってもつきまとったクロストークがなくなり、ノイズフロアの低い澄み切った音場空間にオブジェクトが克明にマッピングされ、音場の音密度が圧倒的だ。

取材時の様子

セパレート化の恩恵は大きくプロセッサー部の動作が精度とスピードを増しスピーカーからスピーカーへ視聴室を無数の音のストリームが渦巻く。海上の嵐のシーンは四方八方から頭上を遥かに越えた高さで暴風雨が行き交いしかも音塊にならず水滴がつぶてになって聴き手を打ちつける。ICEPower持ち前の鮮鋭感を前段のHDAMが引き出していることがわかる。ハイブリッドアンプたるゆえんだ。

SF不条理劇「NOPE」(4Kブルーレイ/ドルビーアトモス)は、自宅試聴室(7.1.4ch構成)で気づかなかった風音や細かな効果音が音場に姿を表わしサスペンスと恐怖を増していく。SNの向上で音場空間が映像に見合った広大さを得、四囲の壁が消えて映像の広大さと一体化する体験が生まれる。

UAP(未確認空中現象)が頭上に現れるシーンはハイトチャンネルのパワーと分解能が向上し、グラウンドレベルの全スピーカーとのつながりが向上した結果、巨大なエネルギーが音場に現れ頭上たかだかと渦巻きのたうつ。アンプに力がないと頭上低くのしかかってどんよりたれ込める表現になるが、セパレート化の余裕で動きの表現が研ぎ澄まされ、俊敏かつなめらかに動いてどろどろした音塊にならず、不気味な生命感が生まれ、アフロアメリカ系監督が映画に込めた怒りの主題ががぜん理解しやすくなる。

「どうですか?AV10/AMP10のパワーは?」高山氏がにやりと笑った。過去に例のないセパレートハイブリッドサラウンドアンプの本領が発揮された瞬間である。

■「これを越えるマルチチャンネルアンプは当分現れないだろう」



ここで興味深い実験をしてみよう。フロントLRのみAMP10のまま他の全チャンネルをマランツの旧製品パワーアンプにゆだねたシステムと、センターやサラウンド始めオールAMP10のシステムとを比較してみた。全チャンネルを同一クオリティ(クラスDデジタル+HDAMのハイブリッドアンプ)で統一するとどのような変化が生じるか確かめてみようというわけである。

旧機種「MM8077」との比較試聴も実施

まず、オールAMP10のシステムはセンターチャンネルに奥行きが感じられ映画で最も重要なセリフの質感も大きく改善される。

「NOPE」のドラマの進行につれて俳優がセリフに込める演技の変化が雄弁に伝わる。日本映画でセンターチャンネルのクオリティアップの恩恵はあらたかで「海街dairy」の女優たちの肉声のニュアンス、セリフに込めた演技、整音の工夫が鮮明に浮かび上がる。

もちろんセリフばかりでない。全チャンネル同一クオリティ、高分解能のハイブリッドアンプ駆動で繋がりがシームレスになり、映画の雰囲気が一変する。それまで聞き漏らしていた音効の細やかな工夫や配慮が試聴室を満たし、映画の音による世界観が全貌を現わす。

筆者の試聴室はステレオとマルチチャンネルのアンプが共存、メインスピーカーへの信号供給を視聴ソースごとにセレクターで切り替えている。ステレオプリアンプへの外部プリ入力という手もあるが、全チャンネル同一駆動がベターと考えるからである。AV10/AMP10のステレオ、マルチチャンネルの枠組みを越えたピュアオーディオクオリティはそうした悩みを解消してくれることだろう。

多チャンネルプロセッサーは海外製品に見受けられるが、高機能高クオリティのプリアンプと16チャンネルパワーアンプのセパレート形式による現時点で唯一のマルチチャンネルシステムがAV10/AMP10である。しかも、CDやファイルのステレオ再生の音質にマランツのピュアオーディオクオリティが保証されている。これを越えるマルチチャンネルアンプは当分現れないだろう。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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