公開日 2020/02/20 06:40

デスクトップオーディオの新たな“コア” 、iFI Audio「ZEN DAC」を徹底チェック!筆者から皆様へのご報告も…

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第244回】

まず6.35mmのシングルエンド出力で、開放型ヘッドホンのSHURE「SRH1840」との組み合わせ。

SHURE「SRH1840」と組み合わせテスト

「POWER MATCH」をhighにするまでもなく、lowのボリュームノブ12時あたりで十分な音量と音質が確保されるが……
1)POWER MATCHオンでボリュームノブを下げる
2)POWER MATCHオフでボリュームノブを上げる

でだいたい同じ音量に揃えた場合でも、
1)音が前に押し出されてくる感触
2)↑よりも少し落ち着いた感触

といったような違いを、多少なりとも感じられる。好みで選んでもよいし、組み合わせるヘッドホンやイヤホンごとに使い分けるのもよさそうだ。

また、SH1840は低域側から超低域にかけて自然にロールオフしていく感じのヘッドホン。それはそれで悪くはないのだが、聴く曲によってはその帯域の不足を感じる場合もある。

そこで本機の「TRUE BASS」だ。この機能で補強される低域というのがまさにSRH1840の「自然にロールオフする低域から超低域」にほぼ一致する印象。ZEN DAC+SRH1840においてはTRUE BASSオンの状態を基本と考えてもよいのでは?というくらいハマる!

逆算的に言えば、TRUE BASSは「超低域から低域を自然に持ち上げてくれる」機能だ。中域から低域をわかりやすく際立たせるのではなく、低域から超低域を自然に補強してくれるので、場面に応じての積極的活用をおすすめしたい。

FitEar「TO GO! 335」は、FURUTECHの3.5mm-6.3mm変換プラグF63-S(G)を経由して接続。

続いてFitEar「TO GO! 335」でテスト

こちらは密閉度も感度も高いイヤーモニター。そのため高出力アンプとの組み合わせだと音量を小さめに合わせるのが難しかったりもしがちだが……ZEN DACとの組み合わせでは、POWER MATCHはlow、ボリュームノブ/9時の方向で、筆者が試聴時にほしい音量に到達。そこを中心に8時から10時の範囲で音量を調整する形となった。

一見使える範囲が狭いように思えるかもしれないが、据え置きヘッドホンアンプではこの範囲がもっと狭い製品も少なからず。このZEN DACは十分にコントローラブルな部類だ。またそもそも筆者はおそらく平均よりも小さめの音量を好む傾向がある。平均かそれ以上の音量あたりで聴くユーザーであれば、もっと広い幅での細かな調整もできるかと思う。

続いて4.4mmバランス出力。こちらは2.5mm-4.4m変換ケーブルのAZLA ZWEI Conversion Cable 2.5 to 4.4Lを経由してのAstell & Kern「AK T9iE」でチェック。

Astell & Kern「AK T9iE」をテスト。AZLA変換ケーブルを使用

こちらのイヤホンも、TO GO! 335ほどではないが、ダイナミック型ハイエンドとしては高感度な部類。シングルエンドと比べてバランス駆動側の方が高出力であることもあり、こちらも同じく、だいたいボリュームノブ9時の方向を中心に8時から10時の範囲で音量を調整する形となった。強いていえば、無音時の背景ノイズはシングルエンド側よりも少し聞こえやすく感じたが、音楽が音楽再生中に気になるようなものではない。

ライン出力からGENELEC「6010B」につないでのスピーカー再生系統では、ZEN DACからの出力レベルは固定モードにして、前述のように、FOSTEXのボリュームコントローラー「PC-1e」とJVCのアッテネーター入りプラグアダプター「AP-121A」を間に入れて音量調整。筆者の環境と好みにおいてのほどよい音量での調整のため、アッテネーターを入れて音量を全体的に少し下げてある。

GENELEC「6010B」と合わせてスピーカー環境で試聴

ちなみにPOWER MATCHとTRUE BASSは、本機をライン出力可変で使用する場合、そのライン出力にも適用される。特にデスクトップ設置の小型スピーカーにおいては、TRUE BASSが良い効果を発揮する場合もあるかと思うので、そこも気に留めておくとよいだろう。

皆様へのご報告

今回の試聴テストを通して、iFI Audio「ZEN DAC」はその一般論的な実力に加えて、筆者のデスクトップシステムとの親和性も見せつけてくれた

そして、私事ではありますが、皆様にご報告させていただきたい事があります。
わたし高橋敦はこのたび、iFI Audio「ZEN DAC」さんを購入いたしました!

お迎えからの


入れ替え!

まだまだ実感が湧かず、不思議な気持ちですが、今後はかねてより導入しておりますBurson Audio Soloistさんも、対ハイエンドヘッドホン向けアンプとして併用しつつ、幸せなデスクトップオーディオライフを築いていけたらと思っております。
これからも応援、よろしくお願いいたします。

今後ともご支援ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします!

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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