[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第244回】

デスクトップオーディオの新たな“コア” 、iFI Audio「ZEN DAC」を徹底チェック!筆者から皆様へのご報告も…

高橋 敦

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2020年02月20日

6.35mmシングルエンド&4.4mmバランスという現実解

加えて、本機が選択した仕様を見た時点で「なるほど」と納得させられたところもあった。装備する出力端子のコンビネーションとして、
◎ヘッドホン出力:6.35mmシングルエンド&4.4mmバランス
◎ライン出力:RCAアンバランス&4.4mmバランス
を選択してきたことだ。

フロントパネルのヘッドホン出力は6.35mmシングルエンド&4.4mmバランス

リアパネルのライン出力は4.4mmバランス&RCAアンバランス

筐体をコンパクトにまとめればフロント/リアパネルの面積も小さくなり、搭載端子は最小限とせざるを得ない。そこで “どの端子を選ぶか” にその製品の意図やセンスが現れる。

まず本機のヘッドホン出力だが、シングルエンド駆動とバランス駆動、どちらも「より大型の端子」を選んでいることがポイントだ。3.5mmではなく6.35mm、2.5mmではなく4.4mm。

実際の使用環境においては、本機に接続するイヤホンやヘッドホン側の接続端子は多種多様になることだろう。となると、本機の側の端子をどのタイプにしたところで、変換アダプター/ケーブルが使われる機会も少なからずとなるはず。

そして変換アダプター/ケーブルの使用を前提に考えると、端子部への物理的な負荷に対して安心できる組み合わせは、「ジャック(メス)側が大型/プラグ(オス)側が小型」だ。

具体的に想像してみよう。「イヤホンの4.4mmプラグを変換アダプタで2.5mmに変換してアンプの2.5mmジャックに挿す」と、イヤホン側のケーブルとプラグ、変換アダプターの重み、テコの力などが、小さな2.5mmプラグ&ジャックに大きな負荷をかけることになってしまう。変形による接触不良、破損といった心配をせざるを得ない。

本文例とは違うが、ヘッドホン側6.35mmを変換アダプタ経由でDAPの3.5mm端子に接続した例。見るからに無理な力がかかりそう

対して、「イヤホンの2.5mmプラグを変換アダプタで4.4mmに変換してアンプの4.4mmジャックに挿す」であれば、同じく負荷はかかるものの、それを受けるプラグ&ジャックはより大型で頑強な4.4mm端子。心配を減らすことはできるだろう。

イヤホン側の2.5mmをFiiOの2.5-4.4変換ケーブル経由で本機の4.4mm端子に接続

DACおよびプリアンプとしてのバランス出力についても同じようなことが言える。左右独立XLR端子の搭載はサイズ的に無理というのを前提に、次善の選択を考えると「4.4mmジャックを採用してそこから変換ケーブル等を利用して出力する」というのは、落とし所として実に妥当だ。

同社はオプションとして4.4mm5極→XLR3ピン変換ショートケーブル「White Barrel 4.4XLR」を用意しているが、これを実際に手にすると、「この変換ケーブルの重みが4.4mmじゃなく2.5mmの端子にかかったら不味いだろうな……」と実感できる。

4.4mmでもこのギャップ感なので2.5mmだったらと考えると……

本機はUSBバスパワー駆動だが、同じくiFI製の良質なDC5V電源の利用も可能。USB端子もいちばん頑強そうな3.0 Type B端子

というようにこの、
◎ヘッドホン出力:6.35mmシングルエンド&4.4mmバランス
◎ライン出力:RCAアンバランス&4.4mmバランス
という組み合わせは汎用性が高い。据え置きではなくポータブルとなれば「ヘッドホンよりもイヤホンの方が多く使われる」「端子に使えるスペースがさらに限られる」など、条件が変わるのでまた別の話となるが、据え置きヘッドホンアンプに装備する端子としてはベターな組み合わせと感じられる。

複数出力端子から同時出力も可能で便利!

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