公開日 2019/01/19 07:15

ドラレコがセットになった唯一のカーナビ、ECLIPSE “録ナビ” は安心感が半端ない!

ナビゲーション機能も優秀


記録はエンジンONで自動的に録画がスタートする「常時記録」以外に、衝撃を感知して自動記録する「イベント記録」は最大10件まで、任意に記録できる「手動記録」は最大5件まで行える。このスペックで残念なのは「手動記録」件数が少ないこと。ドラレコを緊急時の記録だけに使うならいいが、出掛けた先で想い出のルートなどを撮っておくという使い方を考えると、記録可能件数が物足りないのだ。

ただし、そういった用途に対応するには、本機が備えているスマートフォンへの転送機能を使うといいだろう。スマホに転送しておけば、ナビゲーション側で消去してしまっても構わない。転送もかなりスムーズに行われるから、それほど煩わしさを感じずに済むのも良い点だ。

デモカーには別売のリアカメラも組み合わされていた。このリアカメラは本来、バックカメラとして装着されたものだが、これを活用することでドラレコのリア用カメラとしても機能させている。

前方だけでなく、オプションのバックカメラをそのままドラレコ用リアカメラとして活用する

今どきバックカメラは広く普及しているが、それをそのまま活用できたのは、組み合わせたバックカメラそのものが広い画角を備えていたからこそ。これにより新たなカメラの追加なしにドラレコの後方用カメラとして、たとえば後方からの追突や、社会問題化している “あおり運転” 対策にも役立つというわけである。

バックカメラで録画した映像。後続車のナンバーなどを確認できる

バックカメラを接続した状態でバックギアを入れると、後方の障害物を自動的に検知してくれる

試乗は、ドラレコが撮影を苦手とするシーンでも試してみた。トンネル内では低ノイズで記録し、標識も鮮明に捉えるほど十分な解像度も確保できていた。逆光となるトンネルから出るシーンではHDR(ハイダイナミックレンジ)合成技術が効果的に働き、明暗差をくっきりとした鮮明さで記録。このレンジの広さはちょっと驚いた。夜間走行でもこれらの特性は活かされているようで、ライトに照らされている先行車も白飛びすることなく記録できた。全般に映像のクオリティは申し分のないレベルにあると言っていいだろう。

HDR機能を搭載したことで、撮影条件の悪い中でも鮮明な記録を可能にした

ここからは、本機のメイン機能であるナビゲーション本体について解説したい。地図データは32GBのSDカードに収録したもので、データはトヨタ系マップマスターが製作した地図データをベースとしたミックウェア製。そのため、地図や案内などの表記はトヨタ製ナビにとても似ている。

3Dハイブリッドセンサーや準天頂衛星「みちびき」の受信にも対応したことで高精度な現在地測位を可能としている。都内走行でも首都高と一般道の切り替えもスムーズに行えたし、難しい分岐でルートをわざと外れてもスピーディに正しい道路へ復帰した。

都市部でのルートガイドで重宝しそうなのが「交差点レーン案内」で、分岐する交差点の手前700mから進むべきレーンを細かく案内することで、ゆとりを持った車線変更ができる。難交差点ではその周辺を3Dイラストで描き、分岐直前では「左(右)方向です」とタイミング良く進行方向を案内する。また、生活道路などに設けられている「ゾーン30」に入ると、それを告知し、速度抑制を促したりもする。

進路がわかりにくい難交差点では、周辺を3Dイラストで表現して案内する

FM多重放送を活用した「VICS WIDE」への対応も大きなポイントだ。従来必要だったVICSビーコンレシーバーがなくても最新渋滞情報を反映したルート探索を実現し、渋滞を避けたきめ細かなルート案内が可能となった。その他、気象・津波情報に火山噴火を加えたすべての特別警報(地震を除く)をポップアップ表示し、大雨エリアの表示も行う。様々な道路状況をいち早く捉えることで、より安全な走行に貢献するわけだ。

カーナビゲーションにとって生命線とも言える地図データの更新についてもこだわりを見せた。新規で開通した道路の差分データを、Wi-Fiを通じてダウンロード。自動的に更新してくれるのだ。いちいちPCで更新データをダウンロードし、それを再びカーナビゲーション上で展開するといった手間もない。手間を感じるとすれば、スマホやルーターなどとのWi-Fi接続ぐらいだろう。

一度つながってしまえば、あとは自動的に接続されてオンライン状態となる。しかも最新モデルを買えば、この更新が2021年10月末まで無料で行えるのだ。また、オンライン状態なら空き駐車場をリアルタイムで探したり、ナビで録音した音楽データにタイトルが付与できるGracenoteデータベース(CDDB)にもアクセス可能。つながることのメリットも享受できるわけだ。

AV機能はDVD/CDをはじめ、USBメモリやSDカード、iPhone、Bluetoothオーディオの各ソースに対応。地デジはフルセグ、FM/AMチューナーも搭載する。音楽の良さが引き出せる基板の採用やオーディオ用パーツを厳選。安定した電源供給を可能にする回路を採用するなど、音にこだわる設計も十分配慮している。ここまで機能を盛り込んだにも関わらず、その一つ一つにとことんこだわっている。

オーディオでは車型やシステムに合わせた設定を行うことで、簡単に音場の最適化が行える

ナビゲーションとAV機能を一体化したことに加え、ドライブ中のアクシデントを自動記録するドラレコ機能も装備。 “録ナビ” 「AVN-D9W/AVN-D9」は、ドライブの楽しさと安心安全をとことん追求したカーナビゲーションと言えよう。

(会田 肇)

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