公開日 2011/07/05 11:32

BDレコーダーを超えた!? 一条真人がマクセル “iV”レコーダー「VDR-R2000」を徹底レビュー

「ヘビーなユーザーにこそオススメしたい強力な製品」
一条真人
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◆◇◆ iVレコーダー徹底ハンドリングレポート Part.2 ◆◇◆

■進化したEPG機能と強力な自動録画

EPG番組表での予約録画は、目的の番組を選択して録画ボタンを押すだけで予約録画が設定される。なお、番組選択後に「録画」でなく「決定」ボタンを押すと、長時間録画などの設定ができる。このあたりも最近のトレンドを取り入れたもので便利だ。また、録画した番組にはWooo最新モデルなどと同様に赤鉛筆でハンドライティングしたような丸がつき、「録画した」という感覚を与えてくれる。

予約録画の詳細設定画面。記録先のドライブや画質を設定できる

予約した番組には赤マルがつく


EPGは放送局別のほかに日別での表示なども可能。なお、EPGや各種メニューを確認中でも画面右下の小窓で現在視聴中の番組をチェックできる

ちなみにチューナー自体はデジタルWチューナーだが、長時間録画機能に関しては同時に1つしか使うことができず、片方はTS録画となる。基本的にWooo最新モデルと同等の録画機能を持つ本機だが、この点だけ異なっているので注意したい。ただし、モード変換ダビングが可能なので連続ドラマなどで録画モードを合わせたい場合などは、後でダビング変換すればOKだ。

さて、本機ではVDR-R1000からEPG機能が大きく進化しており、Gガイドの最新のEPG機能を搭載している。リモコンの「さがす」ボタンを押すとこの機能を使うことができ、「おすすめ」「注目番組」「詳しくさがす」という3つのメニューが用意されている。「おすすめ」ではユーザーの録画履歴から学習して、自動的におすすめ番組を表示してくれる。使えば使うほど、自分好みの番組を表示してくれるようになるのが便利だ。

「おすすめ」の画面イメージ

「注目番組」の画面イメージ

また、「注目番組」ではGガイドによる最大1ヶ月先までの注目番組をチェックできる。この機能は従来、パナソニックのDIGAだけが搭載していたものだが、こうした便利機能も使えるようになった。そして、「さがす」ではキーワードや人名、ジャンルから目的の番組を探したり、自動録画を設定したりできる。

番組検索結果の一覧画面イメージ

録画した番組の一覧画面イメージ。自分で録画した番組は白背景、おまかせ録画のものは青背景で表示される

自動録画ではジャンルと出演者を同時に指定することで番組を絞りこむことができ、たとえば「洋画」と「俳優名」を指定することで、その俳優の出ている洋画を自動録画することができる。これらの「さがす」機能は一般的なBDレコーダーなどと比較しても精度もなかなかで“使える”印象だ。

もちろん好みのキーワードを組み合わせての絞り込み検索も可能だ

録画に際しては、保存先を内蔵HDDか、カセットかを選択可能。通常は内蔵HDDに録画し、必要に応じてカセットにダビングするような使い方が普通だろう。しかし、例えば家族に見られたくない録画などは、自分のカセットにダイレクトに録画するということも可能だし、ダビングする手間もかからない。なお、カセットへダイレクトに録画した場合には、コンテンツはダビング10ではなくムーブのみが行える状態となる。

iVカセットへ直接録画することも可能

残り容量の表示は「○GB」ではなく「○時間」。録画モードによる録画可能時間が分かりやすい

カセットに直接録画できるということは、つまりカセットを交換していけば実質無限大に録画を続けることができるということ。また、一般的なレコーダーのようにHDDに録画してから必要なものだけをカセットにダビングするなど、TPOに応じて使い分けることができるのが便利だ。

ここで録画モードとその画質についても触れておこう。VDR-R2000は長時間録画機能を搭載したわけだが、録画モード、画質ともにWoooの最新モデル相当と考えればいい。

2倍録画の「TSX2」は色々な動きにもある程度耐える。4倍録画の「TSX4」はややノイズが増えるが、普段使いではもっとも実用的に普通に使えるモードかも知れない。8倍録画の「TSX8」は動きがあまりなくても細部にブロックノイズが増えてくる。ただし全体に現代のレコーダーの平均水準の実力は持っているので、あまり不満はない感じだ。

24倍モード「TSX24」では流石に解像度も落ち、全体にブロックノイズが増えて荒い。VHSでの3倍モードよりは若干よい画質といったところだろうか。もちろん視聴に差し支える致命的なものではないので、できる限り長時間録画したいときに使うなど、用途によって使い分けたい。

なお、先に少しだけ触れたが、ダビング時にモード変換することも可能。ただし当然だが上位から下位のモードに変換することはできても、下位のモードで録画したものを上位のモードには変換できない。

■本機は「ヘビーなユーザーにこそオススメしたい強力な製品」

これまで見てきたように、録画機として様々なメリットを持つ本機。内蔵HDDを追加したことがVDR-R1000との大きな違いだが、これだけで使い勝手はかなりアップしている。さらに、録画予約関連の機能も強化され、これらのリッチさは一般的なレコーダーと比較してもむしろ強力なものだ。

そして、ダビングの高速さ、大量の録画の扱いやすさも述べてきた通り。以上のようなことから考えると、エントリー層のユーザーにはもちろん、ヘビーなユーザーの要求にも充分に応えられる製品だ。いや、むしろヘビーなユーザーにこそオススメしたい強力な製品となったと言えるだろう。

<筆者プロフィール>
一条真人 Masahito Ichijyo
デジタルAV関連、コンピュータ関連などをおもに執筆するライター。PC開発を経て、パソコン雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスワン」編集長を経てフリーランスに。All Aboutの「DVD ・HDDレコーダー」ガイドも務める。趣味はジョギング、水泳、自転車、映画鑑賞など。

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