ガジェット 公開日 2022/11/08 15:09

クアルコムのAppleシリコン対抗チップ、12コアCPUで「非常に有望」との情報

2年後に「M2チップを超え」ても遅い?
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
もっか米クアルコムは新たなWindows PC向けArmベースチップの開発を進めており、同社のクリスティアーノ・アモンCEOは「アップルのM2チップを上回る、最高のチップを開発できる」と豪語していた。

その自信の根拠となるのが、クアルコムが2021年に買収したNuviaチームである。Nuvia社は、元アップルのAシリーズチップ(A7〜A12X)開発を主導した人物を中心とするグループだ。ただし、Nuviaが取り組んでいる新型チップは2024年まで登場しないことが示唆されていた。

まだ謎の多いNuviaチップだが、その初期バージョンには12コアのCPU構成があり、性能は「非常に有望」との噂話が伝えられている。

この情報の発信源は、有名リーカーで開発者のKuba Wojciechowski氏である。最近Wojciechowski氏は「Pixel 7a」など、未発表Google端末の情報を発信していることが注目を集めている。

それによれば、12コアのCPU構成は高性能コアが8つ、高効率コアが4つとのこと。少なくとも数の上では、M2チップ(高性能4つ+高効率4つ)を超えているようだ。

このチップはNuvia Phoenix設計に基づいており、「Hamoa」というコードネームで呼ばれているという。ただし「デスクトップ」と但し書きを付けられているのが、気になるところだ。アップルがM1チップをMacBook AirやMac mini、iMacに搭載したように、クアルコムもノートPCとデスクトップ両方に採用を考えているのかもしれない。

そして「Hamoa」はアップルのM1と同様のメモリやキャッシュ構成を備え、専用の外付けGPUにも対応するとのこと。アップルのMシリーズチップ搭載Macは、いまだに外付けGPUをサポートしていないが、こちらはThunderbolt経由でのeGPU接続を展開する可能性もあるようだ。

今回の情報源は「非常に有望」なパフォーマンスだと主張しているが、いまだに不足している情報が多すぎる。たとえば、どんな製造プロセスを使うつもりなのか。5nmか4nmか、プロセスルール(回路線幅)の違いによって処理速度や消費電力も変わってくるし、バッテリー持ちにも大きく影響する。

また「非常に有望」と主観的な言葉しか使われていないのも、判断しかねる理由の1つだ。それはアモンCEOの豪語したM2チップを凌駕することを指すのか、それとも同社のWindowsノート向け最新SoC「Snapdragon 8cx Gen 3」と比べてのことなのか? もし後者だとすれば、2年後の時点では、Appleシリコン対抗としては不十分と言えそうだ。

ともあれ、WindowsPC向けArmベースチップとしては、クアルコム(Nuviaチーム)に期待するほか選択肢はない。快適な処理スピードと破格のバッテリー持続時間を両立したチップが実現するよう祈りつつ、続報を待ちたいところだ。

Source: Kuba Wojciechowsk(Twitter)
via: Wccftech

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX