公開日 2026/05/19 16:07

カシオ、聞こえの問題“モヤ耳”の解消を目指したオープンイヤー型ヒアリングアシストイヤホン「ER-100」

5/28発売。各モデル税込49,940円
編集部:原田郁未
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カシオ計算機は、「聞こえ」の悩みを解決する新ブランド「earU(イアユー)」の第1弾として、オープンイヤー型ヒアリングアシストイヤホンシリーズ「ER-100」を5月28日(木)に発売する。価格はオープンで、公式サイトでは各モデル49,940円(税込)で予約販売を受け付けている。

  earU「ER-100SH-WY」

 ラインナップは、ネイビーブラックの「ER-100PT-NB」、アイボリーホワイトの「ER-100PT-WY」「ER-100SH-WY」の3モデル。ER-100PT-WYとER-100SH-WYは付属スタイルアクセサリーが異なっている。

 「earU」シリーズ

earUは、カシオが新たに立ち上げる“聞こえ”領域の新ブランド。その第1弾として送り出すのが、電子楽器などで培ったデジタル音響制御技術を応用し、“聞こえる”を超え、“感情まで届く聞こえ”を目指したヒアリングアシストイヤホン「ER-100」。近年、WHOが“イヤホン難聴”のリスク拡大を警告していることも背景にあり、加齢性難聴だけでなく、全年齢層に広がる“聞こえ”の課題に着目した。

「聞こえ」に着目した新ブランドとして打ち出す

同社では、聴力検査上は問題がなくても、会話のニュアンスや抑揚、感情の輪郭を掴みにくい状態を「モヤ耳」と定義。独自調査では、聞こえに不安を感じる人の約4割が「生活の幸福度が下がった」と回答。「聞き返し」や「聞き間違い」が仕事への自信低下につながっていることも明らかになったという。さらに、聞こえづらさによる“気遣い・すれ違い・ストレス”は、本人だけでなく周囲にも影響を及ぼすと分析している。

同社が提唱する「モヤ耳」の課題

ER-100は、耳穴を塞がないオープンイヤー型デザインを採用。独自の“カフ型”形状によって耳の裏側へ広くフィットし、長時間でも快適に装着できる点を特徴とする。ニッケルチタン形状記憶合金を用いたフレーム構造を採用し、軽い運動時でも外れにくい安定した装着感を実現した。

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イヤーカフ型かつイヤーピースを採用している点が特長(写真はER-100SH-WY)
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着用例。大きめの本体部は耳の裏に隠れる構造(写真はER-100PT-NB)

同社独自の「CUFFS TECHNOLOGY(カフステクノロジー)」を搭載する。「CUFF Shape Design」「Unoccluded Acoustic」「Feedback Cancellation」「Flat EQ Tuning」「Self Fitting System」の頭文字を取ったもので、快適な装着性、自然な音響、ハウリング抑制、フラットな音質補正、アプリによる個別最適化を統合した独自技術群となる。

着け心地を訴求する 「CUFF Shape Design」

音響設計では、「ただ声を大きくする」のではなく、「いかに自然に聞こえるか」を重視。耳穴を塞がない構造により、周囲の環境音とイヤホンからの補正音が自然に重なり合い、音の方向感や距離感も把握しやすいという。また、自分の声がこもりにくく、会話時の違和感を軽減する。

自然な聞こえを実現する 「Unoccluded Acoustic」

また、スピーカーから漏れる音に逆位相の音を重ねる「音漏れキャンセル技術」により、オープンイヤー型でありながら音漏れも低減する。

逆位相の音を重ねることで音漏れを防ぐ「Feedback Cancellation」

ハウリング対策として、耳の形状や特性に合わせて不要な共振を抑えるデジタル処理を実装。漏れた音がマイクに戻りにくい構造も採用している。

 構造とデジタル補正でハウリングを防ぐ「Flat EQ Tuning」

ドライバーユニットは10mm径ダイナミック型で、オープンイヤー型ながら豊かな低音再生を実現したほか、歪みを抑えつつ最大出力を向上させた。最大音響利得は25dB。

直接耳に触れないイヤーピースは4種類を同梱。耳穴までの距離を調整することで、耳形状に合わせた自然な聞こえを追求している。なお、この機構は特許出願中とのこと。

音の調整などを行う専用スマートフォンアプリ「earU」も同製品の販売と同日に配信予定。Android/iOSに対応し、左右それぞれの聞こえをテストして、結果に応じた自動補正を行う「Self Fitting System」を搭載する。さらに、「標準」「オフィス」「レストラン」「屋外」「会議室」「ユーザーカスタム」の6シーンを用意し、利用環境に応じてワンタッチで切り替えできる。

そのほか、突発音抑制、風切音抑制、ノイズ抑制、ハウリングキャンセル、過大音増幅抑制、マイク指向性切替なども同アプリで操作が可能。さざ波や焚き火の音を収録した環境音もアプリから再生することができ、作業中のBGMとしても訴求する。

アプリ「earU」はパーソナライズ機能 「Self Fitting System」など搭載

ヒアリングアシスト用途だけでなく、Bluetoothワイヤレスイヤホンとして音楽再生や通話にも対応。通信規格はBluetooth 5.4準拠で、対応コーデックはSBC、aptX、AAC。Bluetoothマルチポイント接続もサポートする。マイク型式はMEMS。

バッテリーはリチウムイオン充電池を内蔵し、連続使用時間はリスニングモードで約9.5時間以上、ストリーミングモードで約14時間以上。充電時間は約1.5時間で、10分の充電でリスニングモード時に約90分動作する。ケース収納時には自動で充電。イヤホン部はIPX4相当の防滴性能を備える。使用温度範囲は0℃〜40℃。

充電ケースには鏡面仕上げを施した

外観面では、「隠す」のではなく「魅せる」デザインを追求。本体に装着できるスタイルアクセサリーを用意し、ファッションやTPOに合わせたカスタマイズが可能だ。シルバーやピンクゴールドなど複数カラーを展開し、アクセサリー感覚で身につけられる点も訴求する。なお、別売スタイルアクセサリー「SU-110-SR」「SU-110-PG」「SU-120-NB」「SU-120-PG」は6月中旬発売予定。価格はオープン。

ブリッジ部分に付け替えられるアクセサリーは本体付属のものに加えと別売りでも展開

付属品は、充電ケース、イヤーピース(S/M/L/XL 各2個)、USBケーブル(充電用)、スタイルアクセサリー。 スタイルアクセサリーを含まない質量は片耳約8g。

また、発売後には各所でポップアップ展示や体験会の実施を予定している。体験店舗として、ビックカメラ新宿東口店、有楽町店、ヨドバシカメラ新宿西口本店、ヨドバシカメラ マルチメディアAkibaなどを案内している。

「earU」発表会では藤本美貴・庄司智春夫妻が効果を体感

同製品の発表会が5月19日(火)に秋葉原UDXシアターで開催され、同社関係者による製品開発の経緯や製品の紹介、有識者によるトークセッション、タレントを招いた製品特長のPRが行われた。

冒頭には、カシオ計算機(株)常務執行役員 ブランドコミュニケーション本部長・樫尾隆司氏が登壇。「音」は物理現象である一方、「聞こえ」は感情や意味として理解される体験だと定義し、「音にこだわってきた企業として、人の心に届く聞こえを実現したい」と訴え、“聞こえ”領域への参入理由を説明した。

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樫尾隆司氏
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同社製品により「聞こえ」の課題解決を目指す

続いて、新規事業部長・古川亮一氏が新規事業戦略について説明。同社では「ライフエンパワーメント」への注力を掲げ、自分らしくコミュニティへ参加し、共感を通じて豊かな人生を届けることを目指しているという。その中で、“聞こえづらさ”によるコミュニケーション不全が幸福度や生産性低下につながっている点を問題視し、「モヤ耳」という新たな概念を提唱したという。

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古川亮一氏
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ウェルビーイング領域に注力する同社

R&Dセンター長・加瀬智史氏は、「CUFFS TECHNOLOGY」の詳細を紹介した。特に苦労したポイントとして、「オープンイヤー型での低音再生」と「ハウリング抑制」を挙げた。低音については、数十種類のドライバーを検証し、開発初期比で約7倍の音圧向上を実現したという。

また、開発エンジニア自身が健聴者であることから、実際に聞こえへ不安を抱える人へのヒアリングを繰り返し実施。目指したのは「うるさくない、疲れない、それでいて自然に聞こえる音」。さらに、ヒアリングアシスト用途だけでなく、音楽再生やWeb会議、電話応対までシームレスに使えるよう設計した点もアピールした。

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 加瀬智史氏
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 「CUFFS TECHNOLOGY」について紹介

営業本部 国内営業統轄部長・川合義宣氏は、販売戦略について説明。「聞こえに課題を感じている顕在層だけでなく、自覚していない潜在層にもアプローチしたい」と力を込めた。ニュースピックスとの連携による情報発信や「モヤ耳診断」コンテンツ展開を実施することを明言するととともに、全国約600店舗で体験展示を行い、実際に“聞こえ”を試してもらう施策も展開するとした。

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川合義宣氏
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「モヤ耳」対策を啓蒙する施策を展開

発表会後半には、豊橋技術科学大学教授の松井淑恵氏を招いたトークセッションが行われた。松井氏は、WHOが“イヤホン難聴”を問題視している背景について解説し、earUについて「自分の声が自然に聞こえる。他製品で感じるような強いこもり感が少なく、コミュニケーション参加をためらわずに済む点が良い」と評価した。

左から、 加瀬智史氏、 松井淑恵氏、 阿部泰三氏

 また、居酒屋のような騒がしい環境では、人の声そのものが大きなノイズになると説明。「健聴者でも聞き取りづらい場面だが、耳穴を塞がない構造による方向感把握やノイズ抑制が役立つのではないか」と独自の形状も高く評価した。

事業部エキスパート・阿部泰三氏は、「聞こえること」だけでなく、「話しやすいこと」にも強いこだわりを持ったと説明。「聞き返しによって会話のテンポを崩したくない場面に使ってほしい」と訴え、居酒屋など複数人での会話シーンを例に挙げた。また、開発期間については「2023年に開発組織を立ち上げ、約3年かけて開発した」という。

ゲストとして招いたタレントで夫婦の藤本美貴さんと庄司智春さんが、“結婚記念日にレストランを訪れた夫婦”という設定で、騒がしい店内でも会話が聞き取りやすくなるシチュエーションを再現した。

結婚記念日のプレゼントとして指輪のようにER-100を渡す一幕

藤本さんは「おしゃれなお店だと大きな声を出しづらく、会話を諦めることもある」と指摘。そのようななかで、ER-100を装着すると「耳元にスピーカーがあるようにダイレクトなのに自然な音声」「子供がたくさんいて賑やかな家庭などでも役立ちそう」と感想を述べた。

藤本美貴氏

庄司さんも「騒がしい環境で会話で盛り上がっても、しっかりと聞こえるので声が大きくなりすぎない」「聞き返すことによる会話のストレスを減らせるのでは」とER-100がもたらす効果をアピールした。

庄司智春氏

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