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公開日 2023/10/16 18:45

<CEATEC>ソニー、アクセシビリティに配慮した製品・サービスを一挙紹介。ユーザーと共同したインクルーシブデザインも

明日から一般公開がスタート
編集部 : 伴 修二郎
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エレクトロニクス/IoT関連の見本市「CEATEC 2023」が、明日10月17日(火)- 20日(金)に幕張メッセで開催される。本稿ではHALL8に構えるソニーのブースをレポートする。

「CEATEC 2023」が明日からスタート

■「誰もが自分らしく、感動を分かち合える未来のために。」



CEATEC 2023 ソニーブース

ソニーブースでは「誰もが自分らしく、感動を分かち合える未来のために。」をテーマに、アクセシビリティに配慮した製品やサービス、インクルーシブデザインの展示を行っている。

主にイメージング領域におけるアクセシビリティに配慮した製品を展示、実機を用いたデモンストレーションを実施する。障がい者や高齢者などアクセシビリティを必要とするユーザーと一緒に検討する「インクルーシブデザイン」に関する技術開発も紹介している。

ブース内の様子

アクセシビリティとは、年齢や障がいといった個人の特性、能力、環境に関わらずに商品やサービス、コンテンツを利用できること。高齢者や障がいのある方の常時制約のみならず、怪我などによる一時的制約、カバンを持って手が塞がる状況依存など、「誰しもが制約がある人になり得る」と注目する。

アクセシビリティをより高めることで、「誰もが安心していかなるときにも使える製品やサービスを提供できる」「これまでできなかったことを可能にしてインクルーシブな社会へ貢献する」とアピールする。

「誰しもが制約がある人になる」上でアクセシビリティは重要

アクセシビリティを高める上で重要視するインクルーシブデザインでは、アクセシビリティを特に必要とする高齢者や障がい者に、企画・設計・開発段階から参加してもらうことも大事にしている。

制約があるユーザーと共に取り組む「インクルーシブデザイン」をアピール

前記した「誰しもが制約がある人になり得る」点だけでなく、「見過ごしている不便に気づける」という点を指摘。「すでに多くのニーズが満たされている多数派ユーザーに目を向けるのでなく、まだ多くのニーズがある制約のあるユーザーに対して着目した」と説明する。

「制約のあるユーザーのニーズから新たな価値を創造できる」ことも強調。野球観戦を例に挙げ、身長差に左右されずに誰もが観戦できる環境や仕組みを構築することで、新しい角度の観戦が可能になるという。

「見過ごしている不便」に気づくことで一般層にも新たな価値をもたらす

野球観戦における例え

■障がいのある社員とXperiaチームがコラボしたフォト機能



「インクルーシブデザインの取組み」では、障がいのある社員が活躍するソニー・太陽とXperiaチームがコラボレーションした、使用時に水平が保たれているかどうかを音で通知するフォト撮影機能「Photography Pro(フォトグラフィー プロ)」の実機デモを実施。Xperiaを使用して写真を撮影すると、水平になった瞬間に特定の音で知らせてくれる様子が確認できた。

障がいのある社員が活躍するソニー・太陽とXperiaチームが開発タッグを組んだ

Xperia実機で体験できる

「インクルーシブ社会に貢献する研究開発」では、スマートグラスによる会話支援プロジェクトを紹介する。目標として掲げる「聴覚障がいの有無に関わらず、大切な相手とお互いの顔を見ながら行う自然なコミュニケーションの実現」を叶えるものとして、「会話支援スマートグラス」と「樹脂導光板成形ディスク」のプロトタイプを展示している。

「会話支援スマートグラス」

「樹脂導光板成形ディスク」

内蔵マイクから拾った音声を即時に文字変換し、スマートグラス型ディスプレイに表示できるというもの。話相手とお互いの顔を見ながら自然にコミュニケーションを取ることができ、リアルタイム翻訳機能を組み合わせれば外国人とのコミュニケーションにも活用できる。

相手の顔を見ながら自然に会話ができる

樹脂導光板技術で安全で軽量かつフレームレスな仕様を実現し、視界を遮らずに字幕を表示できる。音響信号処理技術も用いることで、離れた場所やざわついた環境下でも高い精度で音声を認識できるという。

「外出時歩行支援プロジェクト」では、小型軽量なデバイスを取り付けた白杖でセンシングを行い、間近にある物体などを検知して音や振動で通知してくれるソリューションを紹介している。

デバイス付き白杖

白杖に同社デバイスが搭載

「電柱や塀、道路脇の段差などは慣れている道では重要な目印になる」「建物の入り口が見当たらない」といった視覚障がい者の声を受けて開発されたもので、「視覚障がい者の方が一人で安心して目的地に到着できることを目指している」とアピールする。

間近にある物体などを検知して音や振動で通知してくれる

■視覚障がい向けアクセシビリティ機能が多数。エンタメ分野への取り組みもアピール



「アクセシビリティに配慮した製品・サービス」では、眼のピント調節能力の影響を受けにくいレーザ網膜投影方式を採用することで、ロービジョンの方でも本格的な撮影が楽しめる網膜投影カメラキット「DSC-HX99 RNV kit」の実機を展示。

「DSC-HX99 RNV kit」

ソニーのデジタルカメラとQDレーザ社のビューファインダーを組み合わせたキットで、ピントの合った画像を目に影響のないほどの微弱なレーザーで網膜の周辺部にまで投影することで、精細な映像表示が可能になる。ロービジョン者の“見えづらい”を“見える”に変えることはもちろん、老眼や強度の近視者なども眼のピント調節機能に依存せず撮影できる。

デジタル一眼カメラ「α(アルファ)」シリーズに採用するアクセシビリティ機能も紹介する。視覚に障がいがあるカメラ好きの社員と議論を重ねて開発した、操作をアシストする音声読み上げ機能やメニュー画面の拡大表示機能を、最新機「α7C II」「α7CR」で確認できる。

拡大表示の様子

音声読み上げ機能もサポートする

エンターテイメント分野への取り組みとして、「息子とキャッチボールがしたい」という視覚障がい者の一言から、音を頼りに仮想のボールでキャッチボールができる「XRキャッチボール」をデモンストレーションする。

MUSVI(株)のテレプレゼンスシステム「窓」と組み合わせることで、スマートフォンを手に、遠く離れた場所にいる人と音を頼りにキャッチボールができる。専用のスマートフォンホルダーが用意され、安全かつ簡単にプレイ可能で、ブース内ではソニーストアにいる同社社員とリアルタイムでキャッチボールができる。

XRキャッチボール体験デモの様子

ソニーストアにいる社員と投げ合える

ゲーム関連では、アクセシビリティ専門家や当事者団体との5年にわたる対話を通して改良が重ねられ開発された、多数のアクセシビリティ機能を搭載する「PlayStation 5用 Accessコントローラー」の実機が12月の発売に先駆けて一般公開されている。

「PlayStation 5用 Accessコントローラー」

主に身体機能に障害のある方など従来のコントローラーではプレイが難しいユーザーに向けたもので、360度どこからでも使用可能なデザイン、使う人の可動領域や力に合わせた形状、ボタン、スティックなどを組み合わせ、ユーザーに合わせたカスタマイズが行えるという。

複数のコントローラーを組み合わせて1つの仮想コントローラーを作成することも可能で、障がいのある方が友人や家族などと一緒に協力プレイするといった楽しみ方もできる。

テレビ関連では、4K液晶テレビ“ブラビア”に搭載されているアクセシビリティ機能を紹介する。番組表や設定メニュー項目などに表示される文字情報を細部まで読み上げる音声読み上げ機能に加えて、読み上げ機能をボタン1つでオン/オフできるショートカット機能をアピール。これにより、家族でアクセシビリティ機能を使う人、使わない人が同じテレビを共用しやすくなる。読み上げ速度は9段階から選択できる。

リモコンのボタン1つでオン/オフが可能

音声速度は9段階から選択できる

そのほか、認知症の早期発見などに有効な嗅覚測定が手軽に行える「におい提示装置」の展示では、約40種類(展示機では30種類)のにおいから、タブレット上で好みのにおいを選択することで該当のにおいを素早く提示する。ソニー独自技術のカートリッジ構造と本体内蔵の脱臭機構によってにおい汚染も抑制。何のにおいかを当てるクイズゲームも体験できる。

「におい提示装置」

誰もが気軽に楽器を演奏できる製品として、複雑なキー操作をすることなく、鼻歌を謳うことで音色を奏でる「ウルトラライトサックス」も紹介。鼻歌を歌いやすい吸込口と象徴的なサックスフォルムを両立させ、楽器未経験者でもすぐにサックスが演奏できる。シーンに合わせて外装をアレンジすることも可能とのことだ。

「ウルトラライトサックス」

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