公開日 2023/01/08 15:56

<CES>自動車にも広がるDolby Atmosの没入感。「演奏を現場で聴いているような魅力」を実際に体験した

ベンツ新モデルなどに導入
編集部:平山洸太
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
Dolbyといえば特にその歴史から、音楽フォーマットについて馴染み深いユーザーが多いだろう。そして今日ではDolby Vision対応のテレビラインナップも増え、またDolby Cinemaの映画館も増えるなど、オーディオだけでなくビジュアル方面にも幅を広げている。

Dolby Vision対応のテレビも増えてきた

一方でオーディオについても進化を続けており、同社の技術は本格的なホームシアターに留まらず、サウンドバーやスマートスピーカー、PC、スマートフォン、ゲーム機、そして自動車に至るまで対応機器が増えている。その中でも同社が特に最近力を入れているのが、自動車における展開だ。

PCやスマートフォンでもDolby Atmosが利用できる

ちょうど先月、メルセデス・ベンツから、Dolby Atmosに対応する新たなEVが出荷開始されたばかり。具体的には同社Eクラス相当の「EQE」「EQE SUV」、Sクラス相当の「EQS」「EQS SUV」において、オプションのスピーカーシステムが対応する。そのほか、メルセデス・マイバッハや中国NIOのEVもDolby Atmosをサポートしている。

今回は米ラスベガスで開催中の展示会「CES2023」において、Dolbyがプライベートブースを展開。実際に自動車の座席に座りつつ、Dolby Atmosのサウンドを体験することができた。

「EQE SUV」

体験したのは上述したメルセデス・ベンツのEQE SUV。車内には20個のスピーカーユニットが設置されており、これによって7.1.4chを実現しているという。天井には4つのハイトスピーカーを搭載し、またサブウーファーはトランクの部分に搭載されているとのこと。

助手席扉にあるスピーカー。ベンツとブルメスター社が共同開発したBurmesterシステムが搭載されている

車内のカーナビを操作してもらい、Apple Musicから実際に楽曲を再生してみると、車内よりも広い音場が展開され、ボーカルもしっかりと前方に定位する。またTiësto & Sevenn「BOOM」を再生すると、まさに3Dオーディオらしく、上下左右に音が移動していく様子を体感できた。

カーナビからApple Musicを再生できる

再生画面にはDolby Atmosロゴが表示

なおEQE SUVはハイトスピーカーを備えているが、一方でハイトスピーカー非搭載の自動車も数多い。そういったモデルに向けて、バーチャライズすることで上下方向の音を補う技術も提供を始めたばかりだという。

またこういった自動車におけるDolby Atmosの体験は、今回のEQE SUVが1,000万円以上するように、現状では高級車のみ限られている。しかし「まずは高級車から」というかたちであり、将来的にはより下のモデルにも広げていきたいとのことだ。

このデモのほかにも、ブースでは、リビングルームのような環境において、Dolby AtmosとDolby Visionのデモを実施。機材としては、テレビにソニーの4Kテレビを設置。サウンド面はSonosで統一され、サウンドバー「Arc」、サブウーファー「Sub」、そしてサラウンド用に「One」を用いていた。

Dolby AtmosとDolby Visionのデモが実施

同社担当者はDolbyの技術がここまで世界に広がっている理由について、「コンテンツのクリエイターの方々に密着して、彼らの意図をしっかりと捉えることに注力」しているからだと説明。クリエイター側がコンテンツを制作する際、どうしても技術的な成約の中で作る必要があるが、Dolby VisionやDolby Atmosなどの技術を開発することで、その成約を広げることができるのだという。

またご存知の通り、Dolby Atmosは従来のチャネルベースとは違いオブジェクトベースのフォーマットとなる。これにより、ライブを「そこで聴いている」ように再現でき、一方で音を自由に動かせるため、新しい表現も可能になるとのことだ。

オブジェクトベースのメリットとして、Dolby Atmosでコンテンツのミックスを行っておけば、再生環境に合わせてレンダリングが行える。つまり、1つのコンテンツを作るだけで、2ch/5.1ch/7.1.2chといったチャンネル数や、スピーカーやヘッドホンといったデバイスなど、すべての環境に最適化が行える。

そういったこともあり、冒頭で触れたようにホームシアターだけでなく、PCやスマートフォンなど、より身近なデバイスにもDolbyの技術が広がりつつあるとのこと。自動車への展開についても、このDolby Atmosのメリットが大きく貢献している。

Amazon Echo StudioもDolby Atmosに対応

またデバイスの広がりに呼応するように、コンテンツについても映画や音楽だけでなく、ライブスポーツやポッドキャストなど、より幅広いジャンルに普及を見せているとのことだ。

余談だが、CES2023の開催地となっているラスベガスにおいて、世界で唯一となる、Dolby Atmos対応のコンサートホール「Dolby Live」がPark MGMというホテル内に設置されている。実際に入ることはできなかったが、ここではライブ時の音をリアルタイムでDolby Atmosミックスし、そのまま配信できるという。さらにPAスピーカーについても、Dolby Atmosで再生する環境が整っているとのことだった。

「Dolby Live」

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 TEACのレコードプレーヤー「TN-400BT-X」がメタバース向け3Dデータに。「RoomieTale」で販売開始
2 冒険心をかき立てる。三菱自動車・アウトランダーPHEVの挑戦から探る、「音」でクルマを選ぶ新提案
3 ソニーとTCLの合弁会社は「BRAVIA株式会社」。テレビ、ホームシアター、コンポーネントオーディオなど継承
4 デノンのレコードプレーヤー「DP-500BT」発売記念試聴会。4/4にビックカメラ新宿西口店にて
5 カーオーディオ用ケーブルをホームオーディオで使ったらどうなる? オーディオテクニカ“Rexat”「AT-RX3500A / RX4500A」レビュー!
6 Dolby CinemaやIMAXの没入体験を求めて!シネスコ/16:9でスクリーンを使い分けるプレミアムシアター
7 Prime Video、4月は『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』や那須川天心ボクシング生中継など独占配信
8 テレビ選びの新基準とは? 画質だけでは語れない「没入感」と空間デザインの関係
9 109シネマズプレミアム新宿、坂本龍一トリオ編成をアナログ再生&映画で味わう特別イベント
10 光絶縁は効果絶大。ネットワークアクセサリーの先駆者、SilentPowerの注目3アイテムをテスト!
4/1 10:44 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー200号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.200
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX