公開日 2017/08/24 17:00

デノン、Auro-3Dに国内初対応の一体型AVアンプ「AVR-X6400H」 ー 11chアンプ搭載の準旗艦機

3Dサウンドを実現するイマーシブオーディオ規格
編集部:小澤貴信
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昨年モデルから引き続き、11ch分のアンプ基板を筐体に納めて、かつ高効率で駆動させるために「チェッカーマウント・トランジスター・レイアウト」を採用。これは各アンプ基板上の“DHCT”パワートランジスター(後述)が格子状になるようにレイアウトすることで放熱性を改善し、スペースファクターの問題を解決するというもの。

具体的に説明すると、11ch分のアンプ基板は、同一回路・同一性能ながらパワートランジスターの位置のみが異なる2種類の基板を交互に配置して構成されている。これにより11ch分のアンプ基板を平行配置したときに、パワートランジスターが格子状(市松模様状)に分散して並ぶようになり、間隔を最小としつつ効率的な放熱も可能としたわけだ。これによりより安定性の高い駆動を可能としている。

「モノリス・コンストラクション」構成により、1chごとに独立したアンプ基板を11ch分搭載する

出力トランジスターをチェッカーマウント・トランジスター・レイアウトによって配置することで、放熱効率を最大化

パワートランジスターにはフラグシップモデル「AVR-X7200WA」と同様にHi-Fiアンプの設計思想を踏襲したサンケン電気製の大電流タイプのトランジスター「Denon High Current Transistor(DHCT)」を採用する。このDHCTはアイドリング電流を保証するデバイスを内蔵しているため、アイドリングの安定度が向上。また、薄膜技術によりトランジスターの熱抵抗を下げて放熱性を改善させている。

旗艦アンプで採用された大電流タイプのトランジスター「Denon High Current Transistor(DHCT)」を採用

モノリス・コンストラクション構成によって11ch分のパワーアンプ基板を独立・分離させると共に、全チャンネルのパワーアンプ基板へ電源供給ラインも独立させた。スピーカー端子まで各chから独立した信号経路で出力することが可能で、セパレーションの改善とクロストークの大幅な低減に成功したという。これらも昨年モデルから継承した点だ。

Hi-Fiで培った技術もフル投入。ボリューム回路の見直しも実施

パワーアンプ初段には高性能なデュアル・トランジスタを採用。AVR-X7200WAと同様に、パワーアンプ初段の差動増幅段に特性のそろった2つのトランジスターを用いた。これにより差動回路を構成するトランジスターの温度ドリフトを最小として、さらにカレントゲインの差を小さく収めることでDCオフセットの最小化も実現。これらにより微小信号の表現力を高め、低域の安定感を向上させた。

クリーンで安定した電源供給のために電源にも注力。AVR-X6400H専用にカスタムメイドされた大型EIコアトラスを搭載。このトランスは、パワーアンプや周辺回路への振動の影響を抑えるためにスチールプレートを介してメインシャーシに固定している。

大型EIトランスを搭載

強力な電源と安定度の高い回路構成を採用したパワーアンプにより、インピーダンスが4Ωのスピーカーであっても余裕を持ってドライブすることができると紹介されている。

さらに電源部のブロックコンデンサーには、AVR-X6400H専用にチューニングされた容量15,000uFのカスタムコンデンサーを2個使用。ちなみに下位モデルのX4400Hとは容量は同じだがコンデンサーのサイズは大きく、「このクラスでこれだけ大きいコンデンサーが搭載されるのは稀なこと」(高橋氏)だという。これにより大出力時でも安定した電力供給を行うことができ、重心が低く、力強いサウンドを実現できるという。


また、大電流タイプのショットキーバリアダイオードなど、厳選したオーディオグレードの高音質パーツをふんだんに採用している。

従来モデルから引き続き、全チャンネルに独立温度モニター回路が搭載された。パワーアンプの出力トランジスターの足に温度検出回路を搭載することで、異常温度上昇時の保護を実行。ヒートシンクでの検出に比べて即時の検出が可能になるため電流リミッターの省略が可能となった。

AVR-X6400Hのプリアンプ部

ボリューム/セレクター専用の独立したICを搭載

昨年モデルにおいてJRC社との協力によって開発されたボリューム/セレクター専用の独立したICも引き続き搭載。それ以前にはセレクターとボリュームが1チップに集積していたものをそれぞれ独立した専用チップとすることで、信号経路やレイアウトの自由度が向上。それぞれのICはディスクリートで使用して信号経路を最適化させ、よりシンプルでストレートな回路構成を実現した。なお、AVR-X6400Hにおいてはさらなる回路の見直しを行って再設計を実施して、音質をさらに追求したという。

次ページ5chのスピーカーをそれぞれバイアンプ駆動させることが可能

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製品スペックを見る
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドDENON
  • 型番AVR-X6400H
  • 発売日2017年9月中旬
  • 価格¥300,000
【SPEC】●搭載パワーアンプ数:11ch ●定格出力:140W+140W ●実用最大出力:250W ●適合インピーダンス:4〜16Ω ●周波数特性:10Hz〜100kHz (+1,-3dB、ダイレクトモード時) ●入力端子:HDMI×8、コンポジット×5(フロント×1)、コンポーネント×2、アナログ音声×8(フロント × 1、PHONO × 1)、光デジタル×2、同軸デジタル×2 ●出力端子:HDMI×3(モニター × 2、ゾーン2 × 1)、コンポジット×2(モニター×1、ゾーン2× 1)、コンポーネント×1、11.2chプリアウト×1、ゾーンプリアウト×2、ヘッドホン×1 ●その他の入出力端子:Denon Link HD × 1、Network × 1、USB端子 × 1(フロント)、FMアンテナ端子 × 1、AMアンテナ端子 × 1、セットアップマイク入力 × 1、RS-232C × 1、DCトリガー出力 × 2、リモートコントロール(IR)入出力 × 各1 ●消費電力:750W(待機電力 通常スタンバイ 0.1W 、CEC スタンバイ0.5W) ●外形寸法:434W×235H×393Dmm (アンテナを立てた場合) ●質量:14.5kg
  • ジャンルAVアンプ
  • ブランドDENON
  • 型番AVR-X6400H
  • 発売日2017年9月中旬
  • 価格¥300,000
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