単体で7.1.4のアトモス/DTS:X再生に対応

デノン「AVR-X6300H」実力検証。性能とサイズを両立した準旗艦 11ch AVアンプ

山之内正

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2017年04月10日
デノンのAVアンプ「AVR-X6300H」をレビュー。準フラグシップという位置付けとなる本機は、11chアンプを搭載。単体で最大7.1.4chのアトモス/DTS:Xシステムを構築できる。本機の実力を山之内正氏が検証した。

「AVR-X6300H」¥280,000(税抜)

11chアンプを内蔵。サイズと性能も両立させた準旗艦機

昨秋、デノンのAVアンプのラインナップに強力な新製品が加わった。これまでフラグシップの「AVR-X7200WA」とミドルクラスの「AVR-X4200W」(2015年モデル)の間に20万円台の製品はなく、選択肢が限られていたのだが、そのギャップを埋める形でアッパーミドルレンジの「AVR-X6300H」が登場。デノンの6000番台のAVアンプは北米で好評を得たモデルだが、日本には未導入で今回のX6300Hが初登場となる。

オブジェクトオーディオが広がるにつれ、この価格帯の製品に寄せるリスナーの期待は以前に増して高くなってきた。チャンネル数が9ch、11chと増えていくと、信号処理能力はもちろんのこと、パワーアンプへの要求も上がる。

その一方で、チャンネル数の増加がそのままアンプの大型化につながるのは困ると考える人も増えている。ミドルクラス以上のAVアンプが大きく重くなるのは仕方がないというのがこれまでの通念だったが、最近はテレビもオーディオもスリム化が進み、AVアンプもサイズを気にしながら選ぶ人が増えてきた。ラックに収まらなかったり、ケーブルが邪魔といった問題が発生するかどうかはアンプのサイズ次第だし、現実に置き場所が確保できないとなれば、導入を諦めなければならない。

性能とサイズの両立という難しいテーマにあえて挑戦したのが今回のAVR-X6300Hである。11ch分のパワーアンプを内蔵しながら、フラグシップのAVR-X7200WAよりも一回り小さいX4200Wと同等の筐体に収めることが今回の重要なミッションで、それを実現するためにさまざまな工夫を凝らしている。その一部を紹介しよう。

独立した11chアンプ回路を内蔵。放熱や干渉への対策にも万全を期す

スペースに限りがあるなかでアンプのチャンネル数を増やすために、まずは発熱の問題を解決しなければならない。今回もチャンネルごとにアンプ回路を独立させるモノリス・コンストラクションにこだわっているが、チャンネル数が増えると基板の枚数が増えて高密度になり、温度が上がりやすくなってしまう。そこで本機では隣り合う基板同士で出力トランジスタの位置を変えるというユニークな手法を導入した。物理的な干渉を避けつつ、熱源を分散して配置することで温度上昇を抑えるという秀逸なアイデアが小型化の重要なカギを握っている。

「11chモノリス・コンストラクション・パワーアンプ」によりクオリティを損なうことなく11chアンプを内蔵することを可能とした

ちなみに出力トランジスタは温度補償回路内蔵タイプなので、温度上昇を瞬時に検出可能。デノンのAVアンプが大出力時にも安定した動作を確保している理由の一つがそこにある。

デコード機能は現時点で考え得る最先端の仕様を満足しており、ドルビーアトモス、DTS:Xへの対応はもちろんのこと、ハイレゾ音源の再生も192kHz/24bitに加えてDSD5.6MHzにも対応。もちろんギャップレス再生も問題なくこなす。映像信号は4K&HDR信号のパススルー出力ができるので、UHD BDプレーヤーや4Kディスプレイとつないで次世代コンテンツを楽しみたい映画ファンの期待にも応えてくれるだろう。

ステレオ再生では微小信号がもたらす響きや空間情報までを描き出す

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