公開日 2010/04/21 16:19

ソニー、新ウェブサービス「My Sony Club」を開始 - サポート情報やポイントサービスを提供

マイルやEdyへのポイント交換も可能
ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

発表会には、同社代表取締役社長の栗田伸樹氏も出席。同サービスを開始するに至った背景や、今後の目標などについて述べた。

ソニーマーケティング(株)代表取締役社長 栗田伸樹氏

栗田氏はまず「製品をご購入頂いたお客様に心の底から満足して頂くための新しい取り組み」だとサービスを紹介。放送がアナログからデジタル、さらには3Dへと進化してきていることや、製品もスタンドアローンからネットワーク型へと進化してきていることなど、昨今のAV機器を取り巻く状況の変化について触れ、「2015年には、日本はかつて経験したことのないようなブロードバンド超先進国になると考えている」とコメント。

機能やインフラなど製品を取り巻く環境は日々進化している

そして、その一方で「デジタル家電は多くの便利さや機能を獲得するとともに、その機能を使いこなしきれなくなっているというのもまた事実だと思う」ともコメント。「製品を100パーセント使いこなすためのサポートがこれまで以上に重要になってきている」と言葉を続け、コールセンターシステムを一新したことや、ソニーカスタマーサービスの設立など、この5年間で行ってきた様々な施策を改めて紹介した。

様々な施策でサポート体制を充実させてきたことを説明

そして、ウェブ上でもソニー製品情報サイトの大規模なリニューアルを行って製品情報からサポート情報までをシームレスに繋げる仕組みを完成させたことにも言及。しかし「様々なサポートをリアルな世界とウェブの世界で積極的に展開してきたが、ユーザー情報が様々な場所に散在している事実、そしてサービスの統合感の欠如があるとも認識している」と説明。

「ソニーが持つ複数のコンタクトポイントで提供できる様々な解決策を一層向上させるために、お客様の必要なときに必要な情報が入手できるワントゥーワンの統合サポート体制の登場が求められていると考えた」と、新サービスを立ち上げようとした背景について述べた。

新サービスによりブランドイメージと顧客満足度の向上を狙う

新サービスは製品を活用する案内役として位置づける

そして栗田氏は「製品でどんなことができるのか、どんな楽しみ方ができるのかという“コト軸”で得られる感動や驚きを積極的に提案していきたい」とコメント。「今後、ソニーは3D商品なども続々と導入していくが、この点においてもMy Sony Clubの存在はとても重要なものになると考えている」とし、新サービスを通してソニー製品への満足度を向上させるとともに、再度の製品購入にもつなげていきたいと説明する。

サービスによって再度の製品購入にもつなげていく

また、新サービスの概要説明の中で栗田氏は今後の施策についても言及。電子保証書の導入も計画していることを明かし、「ネットワーク時代の保証書の在り方を検討し、まずはeソニーショップの協力を得ながら導入を検討していきたい」と述べた。

続いて「製品購入の理由として、製品自体の性能やデザインは当然として、My Sony Clubが決めてだったと言われるようになりたい」とコメント。「会員数1,000万人を目標として、お客様とソニーの緊密なコミュニケーションを確立していきたい」と説明した。

以下、質疑応答の模様をお届けする。

Q.例えばアップルの場合、ウェブ上ではマニュアルなどが見られない。その点では新サービスは対照的だとも思うのだが、どのように捉えているのか。

A.ハワード・ストリンガーCEOもよくいっているがソニーは百貨店。各カテゴリーで多種多様な製品を持っているのがアップルさんとの違いかなと思っている。アップルさんについては言及できないが、どんどん広がっていくカテゴリー、しかもネットに繋がっていないと楽しめないという状況を打破するためにも、製品に合わせたワントゥーワンサービスの提供が今後のビジネス展開に不可欠だと考えたというのがソニークラブ設立の背景だ。

Q.丁寧に教えていくことでブランドイメージが向上していくという考え方なのか?

A.製品の使い方などについての新たな発見は、日々使い続けていくうちに見つかると思うが、多機能化するにつれてそれが難しくなってきているのも事実だと思う。そこで、具体的な使い方などをハウツー本のPDFやセミナーで提供していく。これにより、製品の持つ性能を100パーセントとまではいかなくても、現在30パーセントとか40パーセントくらいであるかもしれないものを90パーセント以上のレベルまで使いこなせるところまでもっていきたいと考えている。

Q.従来のメールマガジンやサポートなどとの差はどこにあるのか。

A.今までは断片的でつながっていなかった。現在、様々なサービスを合計するとすでに650万人がネット上でソニーと何らかの関わりがある。これを統合する。どんなサービスを受けられるのかをお客様が一目で分かるのが大きな違いだ。

Q.ポイントサービスなどもあるとなると販売店との競合も出てくると思うが、その点についてはどう考えているのか。

A.ソニーのサービスが量販店のポイントサービスなどを補完する形だと思っている。購入ではなく製品登録などでポイントが付与されるので、どこで買っていただいてもソニーポイントが獲得できる。競合というよりも協業だ。量販店が説明しきれない部分をソニークラブで説明するようなイメージだ。

Q.量販店などへサービスの説明を行っている段階だと思うが、反応はどうか。

A.まさに今行っている段階なので、まだ反応は聞いていない。

Q.eソニーショップでポイントが利用できるという話だが、製品購入ではどれくらいのポイントが付与されるのか。

A.My Sony Club内では購入に対してのポイント付与は行わない。ソニースタイルやソニーストアなど直販での購入では特典としてポイントを付与するということだ。

Q.1,000万人という目標の達成時期はどれくらいだと見ているのか。

A.なるべく早くやりたい。また、断片的ではあるが650万人がすでにいるという事実があるし、年間でのべ1,000万台の商品を販売しているという実績もある。そういう意味で1,000万人という数字は達成可能な数字だ。また、これくらいの規模感を達成しないとワントゥーワンサービスとしては意味のないものになってしまう。1年くらいをメドに達成していきたい。

Q.告知についての仕掛けはどうなっているのか。

A.本日よりプレサイトを立ち上げる。また、すでに何らかのサービス登録しているユーザーにもメール告知を行うほか、製品にはチラシを封入している。

Q.セミナーなどのサービス拠点としてソニーストアが重要になってくると思う。しかしソニーストアは3店舗しかなく、エリアによってサービスに差が出てしまう。そうした点についての対策はどうするのか。

A.ソニーストアについては東名阪でいったん状況をみていくとしており、今後すぐに増やしていく予定はない。そのほかの地域ではウェブを通じて資料を拡充していくことなどで、使い方の充実度を増やしていくことは可能だと思っている。

Q.登録できる対象商品の範囲はどのあたりまでなのか。

A.詳しくはウェブで告知していくが、ヘッドホンなども含めて主要製品は登録可能だ。

Q.電子保証書の導入についてもう少し詳しく教えて欲しい。

A.電子保証書については、ユーザーの大きな要請があるというのは認識している。具体的なことはまだ固まっていないが前向きにやっていきたいということだ。必要であるということは充分認識している。

Q.AV商品のクラブメンバーズサービスというのは初めてだと思う。他社に先駆けてソニーが行う意義についてどう考えているか。

A.他社についての言及は避けたいが、ソニーとしては“つながる商品”として、2011年に向けて90パーセントをネットにつなげていくんだという考え方がある。昔は製品どうしを接続するだけでほぼ全ての機能を使えたが、今はもうそういう時代ではない。製品をより楽しんでいただくことがソニーへのイメージ向上につながり、再購入していただくことへのカギになると考えた。ソニーの特異性をしっかり認識して顧客満足に重きをおいた施策だと思っている。

Q.ポイントの付与については、サービス開始後に購入した製品が対象ということなのか。

A.既に登録済みのものは対象外。購入済みだが登録が済んでいないものは対象になる。

Q.ソニースタイルやソニーストアでの購入でもポイント付与があるということだが、ポイントを高めにして直販へユーザーを誘導しようといった狙いはあるのか。

A.そういう意図は全くない。

Q.Sony Online Serviceの状況は現在どうなっているのか。そして同サービスと今回の新サービスとの連携などはあるのか。

A.アメリカで活動し始めたというのは聞いているが、日本での展開や活動方針は明らかにしていない。そのため現時点でサービス連動などには言及できない。ただ、将来においてMy Sony ClubにおいてSony Online Serviceが重要なコンテンツになるのは間違いないだろう。

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX