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公開日 2006/09/13 17:27

「今までで最も安い価格設定」 ― 米アップル 新iPod/iTunes発表会詳報

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スティーブ・ジョブズ氏
既にお伝えしたとおり、アップルコンピュータは本日、iPodの新モデル3機種(関連ニュース)と「iTunes 7」(関連ニュース)の発表会を行った。本項では発表会の模様をお伝えする。

本日の発表会は、米サンフランシスコで日本時間午前2時に行われた発表会の模様をビデオ上映するという形式だった。Apple computer inc.CEOのスティーブ・ジョブズ氏は、普段通りジーンズとブラックシャツの出で立ちで現れ、新iPodとiTunes 7の説明を行った。

■iPod

氏はまずiPodの現状について説明した。iPodは現在アメリカにおいてDAP市場の75%のシェアを占めており、2006年6月末までに6,000万台を出荷しているという。発売されているiPod用アクセサリーは3,000種以上にのぼり、「iPodを中心にしたエコシステムが進んでいる」と自賛。また、アメリカで2007年に発売される自動車のうち、70%がiPod接続オプションを提供していることや、ナイキとコラボレートした製品「Nike+iPod」が、発売後90日で45万台を発売したことを紹介。iPodの販売やコラボレート戦略が順調に推移していることをアピールした。


サーチ機能を説明する同氏
今回新たに発表された「iPod」は、液晶ディスプレイの輝度が約60%アップし、80GBモデルでは20時間の連続映像再生が可能になった。付属のヘッドホンも音質改善のほか、様々な耳の形に合うよう研究を重ねている。

さらに3つの新機能を搭載した。液晶ディスプレイ下部に表示される文字パレットでタイトルを入力すると曲名をインクレメンタルサーチしてくれる「サーチ機能」や「クイックスクロール機能」、そして「ゲーム機能」を追加。ゲーム機能は第5世代iPodが対応する。

ジョブズ氏は、新iPodについて「最も重要な点は価格。今までで最も安い価格設定だ」と説明した。

■iPod nano


今回発表された新iPod nano

従来より輝度が40%アップした液晶ディスプレイ
2GB/4GB/8GBの3種類を用意。前世代機(40W×90H×6.9Hmm/42g)に比べ、40W×90H×6.5Hmm/40gとやや薄く、軽くなっている。本体はアルミニウム製になり、シルバー、ピンク、グリーン、ブルー、ブラックの5色展開が復活した。

液晶ディスプレイは輝度を40%アップ。ギャップレス・プレイバック機能と、サーチ&クイック・スクロール機能を搭載している。また、バッテリーの駆動時間は従来の14時間から最長24時間に伸びている。

「MP3プレーヤーとして世界で最も人気のある製品の第二世代モデルだ。従来モデルと同じ価格ながら記録容量は倍になり、カラーバリエーションも豊富になった。さらに充電器は約40%小さくなり、本体のパッケージングの容積は52%削減されている。これは環境のためにもいいことだ」と氏は述べた。

■iPod shuffle


新しいiPod shuffleと専用ドック

iPod shuffleの装着イメージ。背面のクリップでこのように袖に着けることもできる
iPod shuffleの前世代機は、世界でこれまで1,000万台を販売したという。これに対し氏は「我々が開拓したコンセプトが成功した結果だ」と評価した。

第二世代機である本機で一番こだわったのは「ウェアラビリティ(身につけやすさ)」という点であるという。本機は体積が約8立方cm、質量15gという超小型ボディ。背面にはクリップを備えており、服のポケットや袖などに留めて持ち歩くことができる。容量は1GBのフラッシュメモリー。連続駆動時間は12時間となっており、PC接続用の専用ドックも付属している。「これは我々が知る限り世界で最小のMP3プレーヤーだ」と氏は自信をあらわにした。

■iTunes 7


iTunes 7のインターフェース
iTunes Music Store(以下ITMS)は現在、アメリカ国内の合法的な音楽ダウンロードサイトで88%のシェアを占め、累計15億曲がダウンロードされたという。今回、ゲームや映画のダウンロードを開始したことに伴い、名称は「iTunes Store」と改められる。

音楽ストアとしてウォルマート、ベストバイ、ターゲット、アマゾンに次いで5番目の売り上げを達成。CDパッケージを売るリアル店舗ではなく、楽曲データのみを扱うiTMSが5位にランクインしたことは大きな意味がある、と氏はその意義を強調。来年前半にはアマゾンを抜いて4位を目指すという。

現在、iTunes Storeを展開しているのは日本を含む計21カ国だが、ITMSはその21カ国全てでナンバーワンとなっているという。


3つのビューが切り替えられる(写真はアルバムビュー時)

ウィンドウ右上のボタンでビューを切り替えられる(写真はカバーフロービュー時)

リストビュー時
今回発表した「iTunes 7」は「2001年以来最大の強化版」という位置づけだ。新しい機能は多岐に渡るが、ジョブズ氏は「3つのビューの切り替え機能が最も人気の高いフィーチャーになるだろう」と説明。コンテンツのリストを「リストビュー」「アルバムビュー」「カバーフロービュー」の3つの方法で表示できる機能で、特に「カバーフロービュー」では、アルバムや映画のジャケット画像を3D表示し、スライダーを動かすと高速で画像がアニメーションする。あたかもCDラックでタイトルを選ぶような操作が行え、ジョブズ氏は「カバーフローで既に忘れていた楽曲を再発見できる」と説明した。

そのほか、ギャップレス再生やiPodとのシンク機能の強化などについても説明。また、iTunes Storeのアカウントが同一なら、複数のiTunesでコンテンツを共有できるようになったことも明らかにした。

■映画ダウンロード

この後、「One More Thing…」として、ジョブズ氏は映画のダウンロードについて詳しく紹介した。内容はこちらで紹介していることに加え、「5〜6Mbpsのブロードバンドの場合、30分程度でダウンロードができる」ことや、音声にドルビーサラウンドオーディオを採用していることが紹介された。

現在、映画のダウンロードは米国内でしか行えないが、ジョブズ氏は「2007年に他国でも展開したいという希望を持っている」と述べ、国外展開にも意欲を示した。

発表会の最後には、ダウンロードしたコンテンツをテレビで楽しむためのネットワーク機器「iTV(仮称)」について発表がなされた。詳しい内容についてはこちらでお伝えしている。

(Phile-web編集部)

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