<HIGH END>世界からリスペクトを受ける日本のものづくり。DSオーディオ/TAD
世界のハイエンド・オーディオブランドが一堂に会するウィーン・ハイエンドだが、その中でも日本ブランドの重要性は年々高まっている。特に確かな“ものづくり”の力は世界市場でもリスペクトが高いが、その代表格とも言える2ブランド、DSオーディオとTADを紹介する。
電動歯ブラシの技術を応用したレコードブラシ
ハイエンドショウを、世界市場への足がかりとして最重要視しているDSオーディオ。今年は真空管・半導体ハイブリッドタイプのフォノイコライザー「TB-50」と、ソニッククリーニングブラシ「SC-001」を発表した。
「TB-50」は2024年のハイエンドで発表されたフル真空管フォノイコライザー「TB-100」の下位モデルとなる。だが、代表の青柳氏によると、「単なる下位モデルではなく、好みの音質に合わせて選んで欲しいという思いで開発しました」とのことで、半導体ならではの立ち上がりの良さやストレートな味わいなども感じて欲しいと考えているという。
イコライザーを含む前段が半導体で、出力段がTB-100と同じ12AU7を採用。フロントパネル右側は透明で、中に真空管が見える。出力はRCAのみで、真空管の下のLEDイルミネーションは明るさを調整できるようになっているという。
もうひとつ話題の新製品が、“ホコリの除去率の可視化”にこだわったというクリーニングブラシ「SC-001」。「世界中には多くのクリーニングブラシがあり、素材や毛の細やかさなどを謳ってきました。ですが、実際にどの程度のホコリが取れているか、ということを客観的なデータとして提示したものはありません。私たちはその点にこだわりました」と青柳氏。
ブラシ⾃体が⾳波で⾼速に振動し、ホコリを除去するというもので、1分間に約11,000サイクル振動しているという。「電動歯ブラシ」の原理にも近いもののようで、実際に手に取って中央の横長ボタンを押すと、ブルブルと振動しているのが伝わってくる。
高感度カメラによって、クリーニングブラシを当てる前と後を撮影し、80%以上の除去率を実現していることを客観的データとして提示する。ブラシの素材もさまざまに検討したそうだが、除去率の高さから動物の毛によるブリッスル素材を採用しているとのこと。電池で駆動しており、片面のクリーニングに5秒かかると想定して、約3000枚のレコードクリーニングが可能となっている。
EVOLUTIONシリーズの主力モデルを展開するTAD
また、TADも大型ブースを展開。部屋の両サイドの2つのシステムを構築し、時間帯によって鳴らし分けながらデモンストレーションを行うほか、今年のアンバサダーである女性シンガー ドミニク・フィス・エメによるプレゼンテーションなども行っていた。
SystemAは3ウェイ・フロア型の「TAD-GE1」をメインに、「D1000TX」「C1000」、モノラルパワーアンプ「M2500TX」とEVOLUTIONシリーズのトップグレードを揃える。Innuosのトップラインである「Nazare」を使用し、解像度高く切れ味の良いサウンドを奏でていた。じつはポルトガルのInnuos試聴室にも 「TAD-GE1」が導入されたそうで、以前からの交流が今回の組み合わせデモに繋がったそうだ。
もうひとつのSystem Bは最新スピーカー「TAD-E1AX」に、プリメインアンプ「A1000」とコンパクトながらハイクラスの組み合わせを用意。送り出しはInnuosの中核グレード「ZENith Nex-Gen」、TRANSROTORのアナログプレーヤーも活用する。長い時間座り込んでじっと耳を傾ける来場者の多さも際立った。
今年は新製品はなし、REFERENCEラインではなく主力のEVOLUTIONシリーズを中心に紹介し、グローバル展開を強化する。新しいディストリビューターとのコミュニケーションや、「ぜひTADを扱いたい!」という熱烈なアプローチもあるようで、出展の手応えを感じている模様。
もうひとつ、隠れたポイントとして、実はケーブル類にはティグロンの「WHITE TIGER」シリーズも活用している。ティグロンは今回出展はしていないが、世界市場開拓を強化しており、代表の沖野氏も視察をかねて会場にもきていた。日本のケーブルブランドの世界進出も今後期待したい。

































