<CES>CRI・ミドルウェア、車載向け“フルデジタルアンプ”を世界に提案。省電力/高効率/小型化を追求
CRI・ミドルウェアは、年始にラスベガスにて開催された「CES 2026」に出展。同社のデジタルアンプ技術「CRI D-Amp Driver(シーアールアイ ダンプドライバー)」を車載向けとして初披露した。
CRI・ミドルウェア(以下、CRI社)は、2023年の「ヘッドフォン祭」をはじめとするオーディオイベントにて、独自のFPGA技術を活用した “フルデジタル” アンプ技術を披露してきた。マイコンに組み込まれるミドルウェアとなっており、今回の出展はその技術を車載向けに応用したものとなる。
「スピーカーまでデジタルで伝送する」という点が本技術の興味深いところ。通常のスピーカー再生では、音楽のデジタル信号はアナログ変換してからスピーカーに送り込まれるが、こちらは完全にデジタルのままスピーカーまで伝送される。直感的には理解しにくいが、変換が入らないことで高効率かつ低消費電力、またパーツを小型化できるといったメリットがあるという。
加えて、近年モバイルバッテリーやACアダプターの小型化/低発熱化に貢献しているGaN(窒化ガリウム)FETを増幅段に活用することで、さらなる高効率を追求。接続ケーブルも通常のスピーカーケーブルが利用できるため、使い勝手のメリットも大きい。
今回の出展は、この技術を高品位なカーオーディオ向けに提案したいという思いからスタートしたもの。ちなみにいきなり車載向けに取り組んだわけではなく、実は車の警告音(シートベルト未装着時に鳴る音など)にもCRI社の技術は活用されている。すでに日本の大手クルマメーカーにも採用されており、我々は日常的に同社の音を聞いていることになる。
そういった背景も踏まえ、CRI社としても高品質な車載向けオーディオに大きな可能性を感じてのチャレンジだという。
今回のブースでは、KEFのブックシェルフスピーカーをメインに、車載向けのCRI D-Amp Driverボードを活用したデモンストレーションを実施。車載向けでは、とくに耐熱性・耐久性などの観点でホームオーディオより厳しい要求が課せられる。そういったシビアな環境でも問題なく動作するボードとして製作されている。
モジュールを手に取ってもほんのり温かみを感じる程度で、一般的なクラスDアンプよりさらに熱効率が良いというのも頷ける。
来場者からは、「このサイズでここまでの音質が実現できるとは!」と驚きの声を寄せられたという。実際、スティーリー・ダンの「I.G.Y.」などを聴いても、手のひらサイズ程度のボードから鮮度感高いサウンドが出てくるのは非常に驚きだ。
今後は音質のためのDSP技術などをマイコンに組み込み、さらなる音質アップに向けた検討も進めているという。今回の出展を契機に、新しいデジタルアンプ技術が世界に向かって広がることを期待したい。































