公開日 2015/05/15 12:23

【独HIGH END】PSオーディオ、真空管とMOSFETによるハイブリッドプリ「BHK Pre Amplifier」を参考展示

同社初の真空管採用パワーアンプも参考展示
季刊NetAudio編集部・浅田陽介
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現地時間の5月14日(木)から開幕した欧州最大のオーディオショウ、Munich HIGH END2015。毎年、回を重ねるごとにその規模を拡大している同ショウは、今年500を超えるオーディオブランドが世界中から集結。開催初日から大きな賑わいを見せている。

また、新たに試聴ブースを拡大するブランドも増えている傾向にあり、アメリカのPSオーディオも今年はハイエンドブランドが多く連ねるATRIUMにブースを変更。さらにじっくりと試聴できるブースを用意していた。

PSオーディオのブース。今年1月にCESにて発表されたパワーアンプBHK Signature 250を中心としてシステムが組まれている

その中でも、とりわけ注目を集めたのは、今年1月のCESで発表された同社初の真空管採用パワーアンプ、「BHK Signature250」と今回のショウで参考展示がなされた「BHK Signature Preamplifier」である。

同社初の真空管採用製品となった、パワーアンプの「BHK Signature 250」。日本でも近日の発売が予定されている

こちらが本邦初公開となったプリアンプ「BHK Signature Preamplifier」。同社PerfectWaveシリーズ同様のデザインを採用する

これらのモデル名となっている「BHK」とは、コンラッド・ジョンソンやインフィニティ、コンステレーションオーディオなど数々のブランドでハイエンドアンプに携わってきたエンジニア、バスコム・H・キングのこと。PSオーディオのCEOであるポール・マクガヴァン氏とも旧知の仲であったキング氏が、その開発を全面的に手がけていることに由来しており、キング氏の長年にわたるキャリアの集大成的モデルとして「Signature」と冠されている。

実はパワーアンプのBHK Signature 250は、同社システムのコアとなるDirectStream DACに組み合わせる最適なパワーアンプを作ろうと開発がスタートした。マクガヴァン氏はかねてよりDSDフォーマットが最もアナログに近い特性を持つフォーマットとしてその可能性を見出しており、BHK Signature 250はDirectStream DACの内部でオーバーサンプリングされた信号を理想的なかたちでスピーカーへ伝達するべく開発された経緯を持つ。それゆえ、DirectStream DACにはボリューム機能をもたせるなどプリとしての機能を実装させてきたが、開発を進めるにあたり「さらに良い特性を実現できるプリアンプを」という想いからBHK Signature Preamplifierが登場したことは想像に難くない。

BHK Signature Preamplifierの特徴は、基本的にBHK Signature 250と同様のコンセプト、同様の構成を持つことが特徴。入力段に設けられた真空管はロシアのゴールド・ライオン6922×2で、出力段にMOSFETを搭載することも共通の内容となる。基板に搭載されたパーツ群も、キャパシターをはじめ極めてハイグレードなものが搭載されているが、その中でも特にこだわったのがボリューム。操作した時の質感ひとつに至るまで徹底的にこだわるなど、プリアンプとしての機能性と操作性を徹底的に追求した上でその開発が進められている。

「BHK Signature Preamplifier」は、天板の一部を2つのネジで開けられる仕組みを採用。真空管の交換を用意に行える配慮がなされている。基本的な内部構成はパワーアンプの「BHK Signature 250」と同様で、2本のゴールド・ライオン6922とMOSFETによる出力段を採用している

プリアンプの開発に際し徹底的にこだわっているのが、ボリューム。ボリュームノブの操作フィーリングは絶妙なトルクが設けられているなど、音質はもちろん操作面においても非常に魅力的な仕様を追求している

またBHK Signature Preamplifierには、MOSFETにより構成されたヘッドホンアンプを装備。出力端子は6.3mmステレオミニジャックで、16〜600Ωという幅広いインピーダンスのヘッドホンにも対応するなど、高い駆動力を実現している。

「BHK Signature Preamplifier」を背面からみたところ入力端子はRCA×4、XLR×4を装備し、出力端子はRCAとXLRを各1系統備える

なお、実機の展示はないものの、マクガヴァン氏はDirectStream DACのオプションスロットに挿入する新しいネットワークブリッジについても語ってくれた。その内容は、PCMフォーマットはもちろんのことDSDフォーマットにも対応した製品となるそうで、基本的なコントロールアプリケーションはROONというソフトウェアを仕様する仕組みとなる予定とのことだ。

こちらが、PSオーディオの新しいネットワークブリッジでコントロールアプリケーションとして使用できるROONの画面。アルバムアートや楽曲情報など、非常に洗練されたGUIを持つ

このROONは、現時点でWindowsとOS X向けに用意されたソフトウェア。NAS内のライブラリを参照することはもちろんのこと、TIDALを初めとしたストリーミングサービスにも対応したアプリケーションとなる。グラフィック・ユーザーインターフェースも完成度が高く、楽曲を選択するとミュージシャンや楽曲に関する情報も表示される仕組みとなっている。近々、AndroidやiOSでもアプリがリリースされる予定とのことで、このROONを用いることで非常に快適な、かつ高いクオリティのサウンドを楽しめるとのことだ。

新しいネットワークブリッジも含め、今後のPSオーディオの展開を紹介するPSオーディオのCEO、ポール・マクガヴァン氏

本稿でご紹介したBHK Signature Preamplifierと新しいネットワークブリッジは、現在鋭意開発中とのことなので、発売時期は未定。また現在、マクガヴァン氏が「極めてハイレベルなサウンドを実現できる」と自信を語るモノラルパワーアンプBHK Signature 300の開発も同時に進められている。今年は近年で最も充実したラインアップが登場することになりそうだ。

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