アナログに乾杯。オーディオテクニカ主催の「アナログマーケット」で新しい音や手触りに出会う!
「五感で味わう」アナログの魅力を再発見
アナログの手触り感を大切にしたいという思いのもと、オーディオテクニカが主催する蚤の市「アナログマーケット」。今年は築地本願寺にて、11月2日(日)と3日(月・祝)の2日間開催された。
取材に訪れた11月3日は、まさに秋晴れという言葉がふさわしい、ビールの捗る心地よい気候。中古レコードショップには多くのアナログファンがエサ箱あさりに精を出し、ワークショップでのものづくりも活況を見せていた。
築地という場所がらか、海外からのお客さんも多く、着物をリメイクしたアパレル製品や、お香体験、和テイストの食器などにも関心が高い。配布される小冊子も日英併記、浮世絵調の女性がヘッドホンをしてDJをやるという、なかなかに粋な演出である。
有名なラーメン屋台は昼時は大行列で、ハンバーガーやカレーなど飲食ブースも人気を見せる。まさに「五感で味わう」アナログの魅力がたっぷり詰まったイベントとなっていた。
「オーディオファンだけではない、幅広いお客さんにアナログの魅力を感じていただきたいんです」とオーディオテクニカのスタッフも熱く語る。デジタルでなんでも手軽に手に入る時代だからこそ、手に取る喜び、手間を味わう楽しさが、新たなコミュニケーションの生まれる場所となる。
オーディオテクニカは、会場各所に設けられたクイズに答えるとサウンドバーガーなどがあたるクイズラリーを実施するほか、今年展開をスタートしたヒアリングサポートブランド「MIMIO」も展示。「テレビの音が聞こえにくい」という声は実は隠れて多くあるそうで、オーディオテクニカの音への技術を投入した新しい提案である。
また、ターンテーブル部が光る「HOTARU」はカップルや子どもにも大人気。スピーカーまで一体になっていて、これ一台でレコード再生が可能。税抜150万円という価格も、「アンプやスピーカーをそれぞれ揃えることを考えれば、案外リーズナブルなのかも?」と好評価。
畳の上で味わうオーディオの世界
第二伝道会館では、「Deep Listening」と題した深い音の世界に迫れる部屋を用意。取材時には、先日インタビューしたオズワルズ・ミル・オーディオの製品を使ったRintaro Sekizukaさんによる「共感覚としてのリスニング」イベントが行われていた。
真っ暗な中に靴を脱いで入るよう促されると、正面のスクリーンに星空の映像とオズワルズのスピーカー「Scottsdale」が見える。暗闇にだんだん目が慣れてくると、畳の上で多くの人々が思い思いの態勢で音楽を静かに聴いているのが見えてきた。
暗闇で視界が限定されていると、より音の世界にじっくりと浸ることができる。Rintaroさんセレクトによるレコードを静かに聴いていると、自分の中が浄化されていくような、坐禅のような深い心地よさに誘われる。オズワルズのホーンスピーカーの音が、聴き手の周りをゆるやかに包み込む。
Rintaroさんも、オズワルズのスピーカーについて「ずっと聴いていたくなる素晴らしいスピーカーです」と大絶賛。スマホを手放し、畳の上で聴くオーディオは、どこかしら日本人の心に癒しをもたらしてくれるのかもしれない。
そのほか、『MJ 無線の実験』のブースでは、オープンリールテープレコーダーのデモンストレーションも実施。レコードとはまた違った生々しい手触り感は、いまも色褪せない魅力を放っている。テープの音に引き寄せられて、多くの来場者が集まっては長い時間座り込んで試聴している姿も印象的であった。
音楽は国境を越える、とはよく言われる言葉だが、五感で味わうアナログの楽しみもまた、国境も時間も超えて、新しい共創の場を生み出してくれるのだ、と感じさせてくれる「アナログマーケット」。アナログの喜びに触れる、オーディオテクニカの試みに乾杯。
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