価格は税込154万円

CANOR AUDIO、ハイブリッド真空管プリメインアンプ「VIRTUS A3」。“真のオールインワン”謳う

公開日 2025/11/07 20:07 編集部:太田良司
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

タクトシュトックは、同社が取り扱うCANOR AUDIO(カノア・オーディオ)より、真のオールインワンを謳うハイブリッド真空管プリメインアンプ「VIRTUS A3」を11月10日に発売する。価格は1,540,000円(税込)。カラーはブラックとシルバーの2色。

「VIRTUS A3」ブラック

 

「VIRTUS A3」シルバー

「VIRTUS A3」は、デュアルモノ構成のバランス型ハイブリッド真空管プリメインアンプ。デジタル入力とアナログ入力に対応し、それぞれ多段安定化電源を備えたデュアルモノラル構成で設計。真空管プリアンプ部と、クラスA/ABハイブリッドのパワーアンプ部、MM/MC対応のディスクリート・フォノステージ、デュアルESS DACを1筐体に収め、ネットワークトランスポート以外の主要機能を統合したオールインワンモデルを謳う。

CANOR AUDIOは1995年にスロバキアで設立された真空管オーディオ専業ブランドで、SMTラインや自動陽極処理設備、CNC機械を自社に持つ。独自のプリント基板(PCB)加工「CMT(CANOR PCB Milling Technology)」や、真空管の測定・選別システム「BT-1」「TTM-1」「Aladdin」によって品質を確保しているという。

プリント基板にラインを引かない独自の加工「CMT」を施している

パワーアンプ部は、真空管ベースのバランス差動入力段と差動フィードバックパス後段にクラスA電流ダンピング出力段を配置。低電力のクラスAアンプが常にスピーカー負荷を制御し、高電力のクラスABが重い負荷電流を担当。それぞれ動作モードの遷移を無くし、クラスA段の信号リニアリティとクラスABの低消費電力を両立。定格出力は100W(8Ω)×2、150W(4Ω)×2。入力段にはE88CCを採用し、1W/1kHzで0.0002%の低歪みを達成したとしている。

アナログ信号経路は、完全バランスのディスクリート構成。ICオペアンプは不使用で、高品質リレーで入力切替を行う。クラスA動作のJ-FETゼロフィードバック・バッファに信号が送られ、差動アナログ・ステップアッテネーターを駆動し、精密なチャンネルマッチングを実現。信号経路におけるノイズとなる交流(AC)コンデンサーが不要な完全直流結合方式のDCサーボ技術もサウンドに影響しているという。

アナログ信号経路は完全バランスのディスクリート構成

デジタル部はUSB入力を電気的(ガルバニック)絶縁することで、ノイズとオーディオシステム間のグランドループを防止。低位相ノイズクロックでの再同期による入力USBジッター低減に加え、不要な信号を遮断するRFフィルタリングも実施。さらにユーザーの好みに合わせて9種類のデジタルフィルターを選べる。音源フォーマットはPCM 最大768kHz/32bit、DSD512(22.4MHz)のネイティブ再生、およびMQAに対応する。

ESS9038のデュアルモノDAC構成を採用し、DACアレイにはディスクリート・アナログレギュレーターを搭載。AES/EBU、同軸、光デジタル入力も備え、デジタルPLLで入力ジッターの低減を図った。オーディオ出力の純度と精度を維持するため、出力段用の独自のフラットコイル・カスタムインダクタの開発に多大な時間と労力を費やし、細部まで慎重に設計。

デジタル部は様々なノイズ対策が施されている

フォノステージはMM/MC両対応で、負荷容量およびゲインの調整が可能。フロントのタッチパネルからカートリッジ負荷を選択できる。ヘッドホンアンプはディスクリート構成のバランス対応で、出力端子は6.3mmジャックと4ピンXLRを装備する。

操作系は1.3インチのLCDタッチスクリーンと、CCDベースのポジションセンシングによる外周リング回転ノブを採用。音量は99ステップで制御でき、各種設定へ直感的にアクセスできる。リモコンも付属。機能面では、各アナログ入力のゲイン調整(+3dB/+6dB)、ディマー、スクリーンセーバー、入力スキップ、ホームシアターモードなどを備える。

回転ノブに1.3インチのLCDタッチスクリーンを搭載

冷却はヒートパイプ式ヒートシンクと低回転ファンの組み合わせで、パワーステージからの熱を効率的に逃がし、ノイズを発生させることなく最適な温度を維持するという。温度とファン回転数はタッチスクリーンに表示可能。

主な端子は、アナログ入力がXLR×2、RCA×2、PHONO×1、アナログ可変出力がXLR×1、RCA×1。デジタル入力はUSB Type-C×1、同軸デジタル×2、光デジタル×2、AES/EBU×1。ヘッドホン出力は、アンバランスが500mW(30Ω)/70mW(300Ω)、バランスが500mW(30Ω)/270mW(300Ω)。

「VIRTUS A3」背面

基本性能は、ゲイン34.5dB、入力感度550mV、入力インピーダンス50kΩ。ダンピングファクターは180(4Ω)/380(8Ω)。周波数帯域は10 - 35,000Hz(±0.5dB/5W)。THDは0.005%未満(1kHz/5W)、0.008%未満(1kHz/1W)、S/N比は20Hz - 20kHzで90dB超とする。

外形寸法は435W×130H×460Dmm、質量は18.0kg。使用真空管はE88CC×2。電源は100V/50-60Hzで消費電力相当は430VA。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク