アナログオーディオフェア大盛況。ハーベス新スピーカーやRegaのプリメインアンプなどもお披露目
5月31日(土)と6月1日(日)の2日間、秋葉原の損保会館にて「アナログオーディオフェア2025」が開催された。アナログの愉しみを多くのオーディオファンに届けたい、という思いで毎年開催されているイベントで、今年で7回目を迎える。初日はあいにくの空模様となってしまったが、長年オーディオ趣味を極めてきた年配のリスナーを中心に、どのブースも満員御礼となるほどの大盛況を見せていた。
「アナログオーディオフェア2025」の出展メーカーは、独自の提案力のある国内メーカーが中心となるが、PDN、完実電気など輸入商社も多く出展。PDNが取り扱うカナダのParadigm(パラダイム)のスピーカーは、4つのブースでリファレンススピーカーとして活用されており、人気の高まりを感じさせてくれた。
サエクコマースは、同社が取り扱うイギリス・HARBETH(ハーベス)の最新スピーカー「C7ES-3 XD2」を初披露。価格はペアで100万円強。ハーベスの「XDシリーズ」が「XD2」へ進化するのに伴ってのモデルチェンジとなる。カジハラ・ラボとの共同出展で、サエクのトーンアームやスタビライザー、仮想アースなど話題のアクセサリーの聴き比べなどを行っていた。
カジハラ・ラボからはMUTECH(ミューテック)ブランドの新MCカートリッジ「RM-HAYATE《颯》」が初登場。60万円オーバーという価格だが、磁気回路の中に発電コイルを持つ特殊な構造で、ミューテックの技術の粋を集めたモデルとなる。ビートルズのレコードの生々しさはハッと息を飲むほど。
PDN、オーロラサウンド、Analog Relax、ケーブルメーカーのゾノトーンは4社で共同出展。メインスピーカーにはパラダイムの「Persona 5F」を使用していたが、PDNのスタッフも「最近5Fの引き合いが増えてきています」と大プッシュ。スリムなデザインだがトリプルウーファー構成としっかりした低域の量感も魅力。積極的に販売に繋げていきたいと語ってくれた。
ゾノトーンは先日発表されたばかりのインターコネクトケーブル「Granster AC-5000」を披露。特にXLRケーブルについては、グラウンド線を信号線と独立して設けることで、よりS/Nの良いサウンドを狙っているとのこと。デモンストレーションでは同社のフラグシップライン“Shupremeシリーズ”の電源やインターコネクトケーブルを活用し、良質なケーブルによるピュアな伝送の実力をしっかり聴かせていた。
また47研究所のアナログプレーヤー「KOMA」のメカニズムには多くの来場者が興味津々。2枚のアルミプラッターをマグネットで浮かせ、上下それぞれ逆回転とすることで回転ムラをなくす独自のアイデアで、来場者の関心を沸かせる。新しいトーンアームも開発中と、代表の木村さんもエネルギッシュに製品開発を続けている。
またマークオーディオの“ガラス振動板”スピーカー「Alpair 5G」も大人気で、サイズ感を超えた声の艶やかさやしなやかさにも思わずため息が漏れる。マークオーディオの中島さんも、クラウドファンディングの成功に大きな手応えを感じているようで、「小型で良質なオーディオの魅力を伝えていきたいです!」と力強い。
スウェーデンのルンダールからは女性CEOのハレナ・パンツァーレさんが来日。ルンダールはHi-Fiオーディオ向けの質の良いトランスを多数展開しており、近年世界的にも評価が高まっている。ハレナさんは昨年CEOに就任したばかりで、アジア圏のオーディオショウの視察に回っており、その中で日本のアナログオーディオフェアにも立ち寄ってくれたとのこと。「アナログオーディオフェアは初めて来ましたが、非常に活気あるイベントと感じています」とコメントしてくれた。
ルンダールのトランスは、オーロラサウンドやエレキットの真空管アンプのほか、オルトフォンの昇圧トランス内蔵カートリッジや、オーディオテクニカのヘッドホンアンプなどにも使われており、信頼性の高さは折り紙つき。今後の展開も楽しみだ。
完実電気のブースでは、ソナス・ファベールのスピーカー「Amati G5」をメインに、デビアレの「Astra」などを使用して再生を行っていた。また、Regaのプリメインアンプ「Brio MK7」を初披露。国内では近年アナログ関連機器の印象が強いRegaだが、実はスピーカーからアンプまであらゆるカテゴリの製品を展開する総合オーディオブランドである。Brio MK7もコンパクトな筐体にフォノイコやDAC機能も搭載、80W×2(8Ω)という強力な駆動力を実現。近日正式にリリース予定とのことだ。
またPERFECTIONブランドは、昨年発売された“高周波ノイズ対策用コア”「AMORCRYSTAL」の使いこなしを紹介。ケーブルに通すだけで外部ノイズを除去できる便利アイテムで、サイズ違いで6種類を用意。「自作オーディオファンにも活用いただけます!」と強くアピールしていた。
エアータイトは、ミュンヘンで発表したプリアンプ「ATC-6」とフォノイコライザー「ATE-5」を国内初披露。今回のイベントではパラダイムの「Persona 7F」と組み合わせてアナログレコードを中心に再生。TOTOの名盤やピアノ・ジャズトリオなど音楽をじっくりと楽しませていた。新製品は、これから各地のオーディオショップやイベント等でも積極的に展開していく予定とのこと。
2Fの大部屋はテーブル出展エリアとなっており、麻倉氏、潮氏の両オーディオ評論家が主催するUAレコードや、だるまや、オーディオ・ファブ・レコードなどの新品・中古レコードの販売ブースのほか、中電やナガオカなど小物やアクセサリーメーカーも数多く出展。デッドストックの真空管の直売もあり、大きな賑わいを見せていた。
AETは独自の電源プラグ「PSE-018N」とIECコネクター「PSE-320N」(いずれも仮)を初公開。明工社が作っていた電源プラグが仕様変更になったことを受け、AETとして独自に開発を行ったものとのこと。ニッケルメッキプラグとするなど、音質的にもAETのこだわりが込められたモデルになっているそうで、近日正式発売を予定。

フォステクスのスピーカーユニットは自作オーディオファンに大人気
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