「CM6 S2」も追加

B&Wから新CMシリーズ「CM S2」登場 −トゥイーター刷新、ネットワーク強化

2014/09/05 ファイル・ウェブ編集部 小澤貴信
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■新たにダブルドーム・トゥイーターを採用

トゥイーターは、600 S2シリーズで初めて採用されたアルミ素材のダブルドーム・トゥイーターを採用。ドーム・トゥイーターにリング上のドームをもう1枚重ね合わせることで周辺部のみを補強し、質量を増やすことなくドームを強化。感度を犠牲にすることなく、高域一時共振周波数を30kHzから38kHzにまで上昇させた。

600 S2シリーズで先行して搭載されたダブルドーム・ウーファーを採用

デカップリングの効果は測定値にも明確に現れる

トゥイーター・オン・トップ方式を採用したCM6 S2とCM10 S2を除いたモデルでは、このトゥイーターはデカップリング機構と組み合わせて取り付けられており、フロントバッフルからフローティングさせている。これによりトゥイーターの振動がキャビネットに伝わることを防いでいる。トゥイーターをバッフルに埋め込むかたちを取りつつ、トゥイーター・オン・トップと同様の効果を得ている。

CMシリーズに搭載されたダブルドーム・トゥイーター

バッフルマウント部については、合成ジェルのリングでクッションを施すことにより、確実な取り付けとフランジからのフローティングを両立させている。

CM10 S2とCM6 S2で採用されているトゥイーター・オン・トップは、ご存じの通り800 DiamondシリーズなどB&Wの上位ラインで用いられている方式。トゥイーターの振動がエンクロージャーに伝わることを避け、エンクロージャーのエッジ部分での回析も防いでいる。さらに、トゥイーターの背圧の悪影響も解消。音場感や空間再現を高めることに貢献している。

CM10 S2とCM6 S2はトゥイーター・オン・トップ方式を採用

CM10 S2のトゥイーターを外したところ

■新CMシリーズのハイライトはクロスオーバー・ネットワークの向上

澤田氏が「今回のCMシリーズのハイライト」と語るのがクロスオーバー・ネットワークだ。トゥイーターなど、ユニットは600 S2シリーズとそれほど大きな差がないCM S2シリーズだが、クロスオーバーの品質は大きく上回っている。しかも、旧CMシリーズと比較しても、その向上は目覚ましいとのこと。

左側がCM S2シリーズで採用されたネットワークだ

「形式やクロスオーバーのスロープが変わったわけではありません。各パーツがより高品質なものに変わったのです」と澤田氏。従来のCMシリーズではムンドルフ社のM-Cap RXFというフィルムコンデンサーを使用していたが、CM S2シリーズでは同社の「M-CAP EVO Silver/Gold/Oil」に変更された。そのグレード差は単純に価格にも現れており、澤田氏曰く「従来品のコンデンサーは市場価格が1,000円程度。CM S2に搭載されたコンデンサーは市販価格が7,500円〜8,000円」とのこと。M-Cap RXFはコイルにアルミ箔を用いているが、M-CAP EVOでは金1%含有の銀箔を使っていることがその価格差の理由のひとつで、音についても後者は非常によいとのこと。

また、今回のCM S2シリーズは従来モデルより価格が上がっているが、その最大の理由は、この高品質コンデンサーを採用したためとのことだった。

その他、内部配線がこれまではPVCケーブルだったものを、CM S2では800 Diamondシリーズと同様のVan Den Hul製ケーブルに変更している。

スピーカーターミナルが金メッキからニッケルメッキに変更。左側がCM1 S2だ

スピーカーターミナルも変更。従来品は金メッキ端子であったが、CM S2ではニッケルメッキ端子に変更された。その理由について澤田氏は「これまではデザインを重視して金メッキ端子を採用していましたが、様々なメッキを試した結果、ニッケルメッキの端子の音が一番良かったため、音質を最優先して変更したそうです」と語っていた。

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