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公開日 2022/08/23 12:29
LGの最新ゲーミングディスプレイなどに採用

VESA、ディスプレイのモーションブラーを評価する業界標準「ClearMR」規格を新たに策定

編集部:松永達矢
映像周辺機器に関する業界標準化団体Video Electronics Standards Association(VESA)は、米・現地時間8月22日に、デジタルディスプレイのモーションブラーを評価する業界標準および、ロゴプログラム「ClearMR」コンプライアンス・テスト規格を発表した。

「ClearMR」

ClearMR規格における基準値として、ディスプレイ上のクリアなピクセルと不鮮明なピクセルの比率に基づいたクリアモーション比率(CMR)を新たに定義。モーション・ピクチャ・レスポンスタイム(MPRT)や、表示ブラーの本質を正確に反映していない既存のブレ特性評価方法に取って代わるものだとアピールしており、消費者はVESA認定のClearMRディスプレイ間のモーションブラーの量を容易に比較することができるという。

同団体は、MPRTのような応答速度を基準とした測定基準では、ブラーの真の性質を反映できないと指摘。これについて、ClearMR規格およびロゴプログラムは、テスト時に応答速度向上技術の使用を制限しており、消費者は、VESA認定のClearMRディスプレイ製品のモーションブラー品質を公正に比較できるとアピールしている。

本規格では、クリアなピクセルと不鮮明なピクセルの比率に基づく、さまざまなブラーパフォーマンスをパーセンテージで表示するClearMR 3000からClearMR 9000までのパフォーマンス階層を設定。

ClearMRのパフォーマンス階層

一例として、ClearMR 7000の場合、クリアなピクセルが不鮮明なピクセルよりも65〜75倍(6500〜7500パーセント)大きいCMR範囲として定義。各階層では、視覚的に識別可能な鮮明度の変化を提供し、CMR値が高いほど高画質でブレが少ないディスプレイであることを示す。

認証テストでは、デジタル高速カメラでテストパターンを撮影し、そのパターンが画面上を移動しながら次のフレームに移る様子をチェック。色彩計などの輝度測定器を用いてパターンの輝度を確認し、撮影した画像はプロファイルとしてまとめられ、再現性のある客観的なCMR値として解析されるとのこと。

認証を受ける製品については、ウォームアップ期間後、デフォルトの電源投入時の構成と最大フレームレートでのネイティブ画面の解像度で、常温室温にてテストを実施。また、本テストは、ディスプレイ製品のパネル技術に依存しないため、LCDやOLEDを含むあらゆるディスプレイ技術、あらゆるディスプレイ、モニター、またはディスプレイが組み込まれた製品に適用が可能だという。

ロゴプログラムに参加を希望するディスプレイベンダーは、VESAが認定するAuthorized Test Centers(ATC)に製品を送付することでテストを受けることができ、現段階ではサムスンの最新のOLEDディスプレイと、LG UltraGearブランド「48GQ900」「32GQ850」「27GP850」がロゴプログラムの認証を受けた事が明らかになっている。

ClearMR規格とロゴプログラムは、ハイダイナミックレンジ(HDR)対応製品に向けたものとなっているが、規格の現在のバージョンでは、認証のために製品を標準ダイナミックレンジ(SDR)モードでテストする必要があるという。VESAではHDRモードでのテストを可能にするよう規格のアップデートを進めており、将来的にリリースする予定だとしている。

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