4K UHD BD『ジャグラー/ニューヨーク25時』、遂にディスク化! 粘り着くような“黒”が圧巻
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回のタイトルは現在発売中の『ジャグラー/ニューヨーク25時』。画質と音質の見どころを、大橋伸太郎氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『ジャグラー/ニューヨーク25時』
STORY
15歳の誕生日に娘キャシーが父の目の前で誘拐される。犯人はニューヨーク市と富裕層に深い怨恨を抱く男。自分と母親が暮らした家を再開発で追い出したデベロッパー社長の娘と取り違えたのだ。男の要求は100万ドル。ニューヨーク市警内部は警官として潔癖すぎた父親の敵だらけ。娘は自分の手で取り返す他ない。父親の孤独な追跡はニューヨークの目抜き通りからダウンタウン、スラム街そして都心の地下深くへと続く…。
力強いコントラストのフィルム映像。暗いシーンの表現が見事
1980年に公開されTV洋画劇場で好評を博したが、ディスク未発売だったアクション名作が4Kブルーレイで甦った。映画の背景はカーター政権末期。軍事バランスでソ連、経済では西独や日本に圧されっぱなしでアメリカはどん底だった。この時代のアメリカの暗い世相を描いた映画は、ほかに『羊たちの沈黙』がある。
映画のほとんどがニューヨークのロケーション撮影。ダウンタウン街頭はホームレスやポン引きであふれている。公権力への不信はおおいがたい。主人公はリストラを口実に市警を解雇された不器用男だが、娘はコネチカットの裕福な実家へ去った母でなく、ニューヨークでの貧しいが自由な父との暮らしを選んだ。こうした設定に1970年代ニューシネマの残像が色濃く感じられる。
力強いコントラストのフィルム映像だ。Dolby Visionだがピークを生かしたシーンはほとんどなく、ダークシーンのどっしりとした黒表現が見事。CH10に始まるセントラルパーク地下トンネルでの攻防の粘り着くような闇の黒が圧巻である。
音声はDTS-HDマスターオーディオ5.1ch。劇伴を使わずN.Y.雑踏のノイズとアクション描写でサウンドを構成。2chステレオだが、TV放映時の日本語音声(警部補役でケーシー高峰が出演)も聞き逃せない。
SPEC
●製作:1980年/米 ●ジャンル:洋画サスペンス ●監督:ロバート・バトラー ●出演:ショーン・ボイド、マリア ●本編ディスク:101分、ビスタ、Dolby Vision ●本編音声:英語DTS-HDマスターオーディオ 5.1ch、英語DTS-HDマスターオーディオ2.0ch、日本語吹替ドルビーデジタル2.0ch ●字幕:日本語 ●特典:「1978年・夏」ジェームズ・ブローリン(ショーン・ボイド役) インタビュー、「スウィート・マリア」ジュリー・カーメン(マリア役) インタビュー、「カオスへの呼応」シドニー・J・フューリー監督(当初の監督)の『ジャグラー/ニューヨーク25時』をめぐる検証、日本語吹替版 別編集シーン、予告編集[オリジナル版/日本版(4K修復版)]、解説リーフレット




























