4K UHD BD『ウィキッド 永遠の約束』、主演2人のデュエット、音場を飛び回る箒の魔女をDolby Atmosで楽しもう!
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回のタイトルは現在発売中の『ウィキッド 永遠の約束』。画質と音質の見どころを、大橋伸太郎氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『ウィキッド 永遠の約束』
STORY
魔力が覚醒したエルファバは、オズの国でただ一人の本物の魔法使い。しかし、住民たちを欺き、動物を迫害するマダム・モリブルたちの正体を知り、エメラルドシティを飛び出したエルファバは邪悪な「西の魔女」に仕立てられてしまう。為政者が人民をコントロールするためにはスーパースターが必要だ。魔力を持たないグリンダが善良な魔女を演じ、護衛隊長のフィエロとめでたくご成婚の運びになるが、フィエロもまたオズの国にはびこる虚偽に気付き始めていた…。
縦横無尽に箒が飛び回るサラウンドは必聴
古今東西のジュブナイル中、屈指の憎まれ役である「西の魔女」が主人公のミュージカル。その映画版の後編。スターシステムや世論操作の虚偽、順応主義を諷刺。ドロシーは為政者にそそのかされ、魔法の靴を奪い取る無知なよそ者である。終盤、エルファバの出生の秘密が明かされる。
元に戻すことのできない魔法の罪深さ、問題を解決できるのは魔法でなく人間の理解、という苦い物語だが、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデのソロ、デュエット共に素晴らしく、すべてを持っていく。
華やかでカラフルな前編に比べ、後編はシリアスで暗い。ダークシーンが増え、HDRは暗部階調の表出に重点を置き、ピークを生かした描写はCH12のトルネードの雷光くらい。CH11蛍の舞う中のフィエロとエルファバのデュエットは暗部撮影が美しく、シンシア・エリヴォの澄んだ眼差しがセクシー。
西の魔女(エルファバ)のパワーが覚醒しアクション(飛行)シーンが増え、Dolby Atmos再生環境は必須。CH4樹林の中の空中チェイスは箒にまたがったエルファバと彼女を追う猿たちの巻き起こす風切り音が音場を縦横無尽に駆け巡る。LFEが惜しみなく配され、圧巻はCH9/10。結婚式に殺到する動物たちの跫音の重低音が視聴室を揺るがす。
長く愛された古典名作をこんなに換骨奪胎していいものだろうかとも思うが、『オズの魔法使』が、それに耐えられるだけの物語としての強さを備えているのだろう。
SPEC
●製作:2025年/米 ●ジャンル:洋画ファンタジー ●監督:ジョン・M・チュウ ●出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ ●本編ディスク:約137分、スコープ、Dolby Vision ●本編音声:英語Dolby Atmos、日本語Dolby Digital 5.1ch ●字幕:バリアフリー英語、日本語 ●特典:「ウィキッド 永遠の約束」メイキング、真の魔法使い、我が家にまさる場所はない、シャボン玉の中の少女、キアモ・コ、未公開シーン、監督 ジョン・M・チュウによる本編音声解説

