PR 公開日 2023/06/02 07:00

デノン“9.4chアンプの最高峰”「AVR-X4800H」レビュー。そのサウンドは本格ユーザーも唸らせる

ハイエンド機と同じアンプ構造、メイドイン白河

AVアンプでも「Vivid & Spacious」を実現。もはやミドル帯とは違う領域の音だ

D&Mホールディングスの試聴室でAVR-X4800Hと対面した。お馴染みのデノンAVアンプの面構えに気持ちが高まるが、まずはステレオの音から確認したい。同社のCDプレーヤー「DCD-1700NE」のトレイにイギリスのポップグループ、ロンドン・グラマー「イフ・ユー・ウェイト」のCDを乗せスタートボタンを押した。

試聴はD&Mのデノン試聴室で行った

山内氏がセッティングしたとはいえ、AVアンプである。ステレオのHi-Fiアンプと比べ音質はどうだろうか。しかし、音が出たその瞬間、その不安は払拭された。一聴してかなり音が良いことが認識できる。S/Nが高く透明感のある高〜中音域、空間構成が広くスピーカーの左右を大きく越えるシンセサイザー、ドラムスの立体感もある。そして何より音の質感にチープさがない。

あまり褒めすぎたくないが、同社のHi-Fiステレオアンプに通じる正統的かつ躍動感を両立したサウンドだ。山内慎一氏の提唱するサウンド思想「Vivid & Spacious」に倣った音がしっかりと聴こえてくる。

本モデルの音の良い印象は、映像ソースを観ると確信に変わる。Bowers&Wilkinsのスピーカー群で揃えた5.3.4ch環境で、『トップガン・マーヴェリック』4K UHD BDを視聴した。

チャプター1を再生してみると、冒頭のF/A-18戦闘機の離陸音からして音数が多い。ジェットエンジンの音は後から音を追加したプリプロダクションだと思うが、とてもリアルで低域に力がある。これは確かにアンプの駆動力がかなりのものだと判断する。

その後続く試作戦闘機ダークスターの離陸シーンも含め全方位から音がシームレスに聴こえ、天井方向からのサラウンドの音も明瞭で小レベルの音の表現力やスピーカー駆動力などアンプの地力が高いことがわかった。

最後はジョン・ウィリアムズ『ライヴ・イン・ウィーン』の4K UHD BDでクオリティチェックを行った。本タイトルは筆者のDolby Atmosのリファレンスの1枚で聴きどころが多いのだが、AVR-X4800Hはアコースティック楽器の質感が有機的で、オーケストラを構成する多くの楽器が分解能豊かに聴こえてくる。

情報量が多く、ここでもサラウンド品質の確かな能力が印象的。モノリス・コンストラクション・パワーアンプ・レイアウトはかなり音に効いている印象で、大満足の視聴となった。他機種と同時比較したわけではないが、「ミドルクラス」とひと言でいう次元とはもはや違う領域に本アンプの音は入っていると感じた。

デノンのサウンドマスター・山内慎一氏(左)と土方氏(右)



昨今は設置性の良い薄型AVアンプや、HDMI端子を搭載して手軽にTVと組み合わせられるHi-Fiステレオアンプも人気がある。しかしデノンのAVアンプユーザーのユーザーは、4chを使用する方が91%、3chが4%、2chが5%と、マルチチャンネルで使用されている方が多いという(デノン調べ)。つまり本格的なAVアンプユーザーに非常に人気があるのだ。そんなコアなユーザーを、ミドルクラスであっても満足させる能力がAVR-X4800Hにはあり、お買い得感の高い1台であると感じた次第だ。

(協力:ディーアンドエムホールディングス)

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