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公開日 2023/04/12 06:45

クリーナーなしのアナログライフは考えられない!吸引式レコードクリーナーの雄・ハンル「Mera Professional」の魅力を再考

【特別企画】本体は在庫のみで終了・消耗品は販売継続
林 正儀
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吸引式レコードクリーナーとして多くの愛用者を持つドイツ、HANNL(ハンル)の「Mera Professional」。ローリングブラシ等の画期的なツールや圧倒的な静音設計は他の追随を許さぬ不動の存在であった。しかし、残念ながら同製品を製造するドラーべ社の意向で本機の一時製造中止が決定。在庫のみでの販売となった。

HANNL レコードクリーナー「Mera Professional」 814,000円/税込 ※ローリングブラシつき

しかし、同製品を取り扱うアンダンテラルゴ(株)は、在庫の販売とともに、アフターケアやメンテナンスを継続することを発表した。洗浄液や補修パーツは引き続き販売を続けることとなる。そこで本項では惜しみつつも、改めてMera Professionalの魅力を紹介する。興味のある方はお早めに注文することをお薦めしたい。

ハンルなしのアナログライフは考えられない!



筆者常用のレコードクリーナーといえば、ハンルのMera Professionalだ。思い起こせば、ハンル導入後にクリーニングを行った第1号はバーンスタイン指揮のマーラー「復活」だった。以来楽しみな日課となっており、ハンルなしのアナログライフは考えられない。

ハンルのクリーナーを自宅でも愛用している林 正儀氏

そのハンルが、在庫限りで販売終了だという。ユーザーのひとりとして、ああ残念。これからどうなるのだろう……。しかし、世のハンルユーザー諸兄よ。心配には及ばない。発売元のアンダンテラルゴ鈴木氏からメンテナンスの継続、消耗品も販売継続という吉報が入ったのだ。その詳細と改めてハンルの魅力を紹介しよう。

レコードクリーニングは吸うか吸わないかが重要



ハンルがドイツ・ドラーベ社に販権を譲って、5〜6年になるそうだ。これに伴い、ドラーベ社の中に普及クラスのNessie(ネッシー)と、ローリングブラシつきで高級なハンルの2ブランドがあったわけだが、今回ハンルを製造中止にしてネッシーのみにしぼった形である。

ハンルについては、かなりの台数をドラーベ社傘下で販売している。その技術的なノウハウと実績から、今まで販売したハンルについても引き続きメンテナンスを行うという。もともとドラーベ自体はバキュームクリーナーのエキスパートなので、そういう意味ではメンテナンスに困ることはないわけだ。

ここで、ハンルのクリーニングマシーンを輸入したきっかけを鈴木氏に尋ねてみた。即座にかえってきた返事は、「吸うか吸わないか」だ。「僕はレコードクリーナーで目からウロコだったのは、VPIなんですね」。

30年前にVPIを購入して、今までのクリーニングは何だったんだと。どんなにいい洗浄液を使っても、それを溝に塗りかためているだけじゃないのか。レコードが最後まで再生できないトラブルもあった。「ところがVPIで洗うと、最後までものの見事に再生できる。これこそが私どもが理想とするレコードクリーナーだと」。

それから年月が経ち、さらに追求した製品がないものか、ということでバキューム式のハンルを扱い始めたそうだ。それが15年ほど前のこと。その後、画期的なツールである“ローリングブラシ”が追加され、今日に至り、あと残り何台か製造ということになった。ドイツ本国の最後のロットは、アンダンテラルゴが確保するそうだ。「本当にハンルが欲しかった人にできるだけ早く買っていただき、長く愛用して欲しいのです」。

ハンルのクリーナー最大のメリットとなる独自開発の回転式ブラシ「ローリングブラシ」。レコードと逆方向に回転することで洗浄液を音溝へ深くまで送り込み、確実にクリーニング。美しいクロームメッキ仕上げで、使い勝手に優れた高さ微調整機能が追加されている

サービス内容を復唱しておこう。クリーナ−の次に大事なのは洗浄液だ。消耗品である洗浄液についてもきちっと販売。「洗浄液も補修も弊社がやります」と、胸をはってくれたので安心だ。

ハンルの洗浄効果を確認。目が覚めるような鮮度で、素材と音質の良さが蘇る



アンダンテラルゴの試聴室で改めてハンルの洗浄効果を体験してみた。クリーニングはA面のみとして、手慣れた操作で盤をセット。 ローリングブラシや自動反転などのハンルの機能は見ていて楽しい。盤面の汚れや溝の奥にある微細な塵芥(マイクロダスト)など、きれいに洗浄してくれるのだ。

しかもその廃液を極めて静音なバキュームで吸い取ってくれる。盤面がつやつやと黒光りして、音溝のうねりが復元。プレスしたてのようで、音も見違えるような輝きだ。何もしないB面とは雲泥の差である。

ピチプチノイズがすべて消え、目が覚めるようなS/N、鮮度感となる。ティンパニとトランペットのファンファーレが抜け出し、遠くでソロ楽器が響く。その遠近感と妖艶なメゾソプラノが聴きどころだ。躍動感とほとばしる情熱に圧倒された。

アンドレ・ワッツによる「ラ・カンパネラ」はソニーがSX68のカッティングを始めた時の名盤。ピアノの芯がくっきりして、右手の超高速プレイに耳が点となる。エレガントな響きに包まれ、そのあとの追い込みとダイナミックスは見事だ。

ボズ・スキャッグスはクリーニングによって、素材と音表現の良さが蘇る印象だ。洗練されたサウンドとソウルフルな歌声でライブ感も生々しく、思わず体が動いてしまう。

「吸うか吸わないか」。その違いは明白で、ハンルの実力を改めて確認しつつ、大変名残惜しく感じた試聴であった。

(提供:アンダンテラルゴ)

本記事は『季刊・analog 79号』からの転載です。

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