公開日 2019/05/13 16:25

Google純正スマホ「Pixel 3a/3a XL」レビュー。動画再生やカメラ性能を徹底チェック!

一般ユーザーにもおすすめのミドルクラススマホ
Pixel 3aシリーズにはクアルコムのミドルクラスのモバイル向けSoCであるSnapdragon 670 Mobile Platformが採用されている。メインメモリは同じ4GB。ハイエンドクラスのSnapdragon 845を搭載するPixel 3シリーズと比べて、画面表示の処理に負荷のかかるゲームアプリの表示に目立った差が出ないか確認してみた。Google Playストアからレーシングゲームの「アスファルト8」をダウンロードして30分ほど試遊してみたところ、画面の表示や操作へのレスポンスについてPixel 3aシリーズが見劣りすることは今回のテストの限りでは見つからなかった。

カメラはさすがの安定感。暗所撮影の優秀さが光る

カメラについてはPixel 3aシリーズは上位のPixel 3シリーズとほぼ同じ機能を載せて体験を揃えたことが話題になっている。ただハードウェアの面ではミドルクラスとハイエンドの間に相応の差も付けた。

まずフロント側のカメラはPixel 3aシリーズがともにシングルレンズになった。でもポートレートモードは同じように使える。ただし、静止画のホワイトバランスやにじみなど画質調整を補助するスペクトルセンサーとフリッカーセンサーが省かれた。

メインカメラはシングルレンズ。イメージセンサーは12.2メガのデュアルピクセル

AIによる機械学習技術を活用した「Googleレンズ」。名前の分からない植物や動物を画像解析エンジンで検索したり名刺の電話番号や住所をスキャンして連絡先に保存できる機能が便利。Pixel 3aシリーズでも使えるのは大歓迎だ

試し撮りしてみると、まずプレビュー表示の段階で周辺光の影響を受けて肌色が振れたり、被写体の輪郭ににじみが現れる。そして連続したショットの間でも少し肌の色や明るさに違いが出る。ただしボケ味のコントロールには一定した安定感があり、記録される写真の色合いや明るさのバランスに目立った違和感が現れないところにはディープラーニングによるAI画像認識の経験値が活きていると感じた。

晴れた日の昼間にPixel 3a(左上)/3a XL(右上)とPixel 3 XL(左下)で花壇を撮影。白い花の花弁の模様も白トビせず立体的に写る。自然な色合い、明暗の再現力はiPhone Xのカメラ(右下)に引けを取らない

昼間の明るい環境ではさらに周辺光の影響は受けづらく、安定したポートレート撮影を楽しめた。被写体と背景の境界線認識については頭髪レベルまで精度が高くて驚いた。背景のボケ味も自然に付いている。

インカメラのポートレートモードで撮影。Pixel 3a(左上)/3a XL(右上)、Pixel 3 XL(左下)は被写体の人物の切り抜きがとても正確。背景のボカシ方も自然だ。比較するとiPhone X(右下)は頭髪やジャケットの肩のラインなど被写体の輪郭にノイズが乗っている箇所が散見される

ミドルレンジのPixel 3aシリーズはフロント側の広角側のレンズを持たないため、Pixel 3シリーズのフロントカメラの看板機能だった「グループ自撮りモード」が使えなくなっている。どうしてもこの機能が欲しいという方はPixel 3シリーズを選ぶべきだ。

Pixel 3a(左上)/3a XL(右上)ではインカメラのスペクトルセンサーとフリッカーセンサーが省かれた。Pixel 3 XL(下)の写真と比べてみると周辺光に対して輪郭の認識、肌色の変化などが起きやすく感じるところもあるが、写真の仕上がりは悪くない

Pixel 3シリーズは発売後にソフトウェアアップデートにより「夜景モード」が追加された。新しいPixel 3aシリーズでもこの機能が使えることがうれしい。Pixel 3シリーズはもともと暗所の撮影性能には定評のある端末だ。夜間に灯りがほとんどない公園で花壇を撮ってみても作例のように花の色合いが記録される。同じ被写体をiPhone Xで撮った写真と比べてみるとよく分かるだろう。さらに夜景モードにして撮ると被写体の色や輪郭がはっきりと識別できるようになる。Pixelシリーズが暗所や夜景の撮影時に高いパフォーマンスを発揮できる端末であることはおわかりいただけるだろうか。

Pixel 3aで夜間に通常のモードで花壇を撮影(左上)。夜景モードに切り替えると花の色が鮮やかになる(右上)。iPhone Xで撮影した写真(下)と比較すると違いがよくわかる

夕焼け空の写真については筆者の腕前の問題もあるので、あくまで参考程度に比較してほしいが、総じてPixelシリーズは落ち着いたバランスの良い色合いに仕上がった。空に浮かぶ雲の立体感も丁寧に捉えている。iPhone Xで同じ景色を撮影すると陰影や色がよりドラマティックに記録されるような手応えがあった。

夕焼け空を撮影(※一部民家が写っていた箇所を切り取り加工しています)。Pixel 3a(左上)/3a XL(右上)で撮った写真は、Pixel 3 XL(左下)よりもやや色合いが浅めに仕上がった。iPhone X(右下)の方が若干色合いの鮮やかさと、なだらかなグラデーションのきめ細かな再現力が高いように感じる

次ページ手頃な価格とシンプルな使い勝手。万人におすすめできるスマホだ

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 BRAVIAが空飛ぶ時代? 動画コンテンツの楽しみ方に押し寄せた大きな変化を指摘するソニーショップ店長。超大画面はさらに身近に
2 ネットワークオーディオに、新たな扉を開く。オーディオ銘機賞の栄えある“金賞”、エソテリック「Grandioso N1」の実力に迫る
3 Nothing、最大40%オフのウィンターセール開催
4 LG、世界初のDolby Atmos FlexConnect対応サウンドバー「H7」。オーディオシステム「LG Sound Suite」をCESで発表へ
5 「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」を体験。目の前に実物大で現れる“圧倒的ゴジラ”の臨場感
6 衝撃のハイコスパ、サンシャインの純マグネシウム製3重構造インシュレーター「T-SPENCER」を試す
7 AVIOT、“業界最小クラス”のANC完全ワイヤレス「TE-Q3R」。LDAC、立体音響にも対応
8 ソニー「WH-1000XM5」に“2.5.1”アップデート。Quick AccessがApple Music/YouTube Musicに対応
9 「HDR10+ ADVANCED」が正式発表。全体的な輝度向上、ローカルトーンマッピングなど新機能も
10 クリプトン、左右独立バイアンプ機構のハイレゾ対応アクティブスピーカー「KS-55HG」新色 “RED”
12/19 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX