ECLIPSEが作ったオーディオシステム「CDR1パック」を聴く。シンプルに「正確な音」を楽しめる

■ECLIPSEの「正確な音」を手軽に楽しめる「CDR1 パック」

富士通テンが手がけるオーディオブランド ECLIPSEは、「正確な音」の再現をコンセプトとした独自のアプローチによるフルレンジ・スピーカーシステム、そしてサブウーファーで知られている。オーディオ再生で音楽の本質を味わうためには、正確な音の再現は不可欠なものだ。だからこそECLIPSEのスピーカーは、オーディオファンにとどまらない音楽ファンや音楽の作り手に支持されてきたと言える。

今回取りあげる「CDR1 307パック」／「CDR1 508パック」は、このようなECLIPSEの正確な音を、より手軽に味わうことができるオーディオシステム・パッケージである。音楽ファンのためのパッケージと言ってもいいだろう。

オーディオの楽しみのひとつは、スピーカーやアンプといったコンポーネントを自ら選んで、組み合わせて、自分なりの理想の音を追求していくことだ。ただ、それはあくまで楽しみの “ひとつ” である。自分の目的は好きな音楽をとにかく手軽に良い音で聴きたいだけなので、迷うことなく最良の音が得られるオーディオが欲しい。そういう方も大勢いらっしゃるはずだ。CDR1は、シンプルに音楽を楽しみたいという要望に応えるオーディオシステムなのである。

■あえてCD再生に特化し音楽ファンの要望に応えた

専用CDレシーバーとECLIPSEスピーカーで構成されたCDR1は、機能性を必要最小限に絞り込んでいる。基本はCD再生がメインとなっている。その分、CDトレイにCDを載せてリモコンのスタートボタンを押せば、音楽再生が始まる。操作を迷わせるような機能は、割り切って搭載していない。

ハイレゾ、音楽ストリーミングなど、音楽ソースは多様化の一途を辿っている。しかし、必ずしも全てのユーザーがソースの多様性を必要としているわけではなく、しかも日本においてはCDを今もメインソースとして大切にしている音楽ファンは多い。必ずしも多機能を必要としないユーザーを、CDR1は想定しているのだ。

もちろんECLIPSEが次世代の音楽ソースや多機能性を否定しているわけではなく、ラインナップにおいてはUSB-DAC再生やAirPlayによるワイヤレス再生に対応したアクティブスピーカー「TD-M1」も用意する。筆者もTD-M1ユーザーなのだが、現代的なソースをフルに楽しみたい方にはこちらをおすすめしたい。

■3段インバーテッドダーリントン回路を搭載したCDレシーバー部

CDR1パックの内容について説明しよう。CDレシーバー「CDR1」は、定格出力22W+22W（4Ω）のアンプを内蔵。アンプにはハイクラスのHi-Fi用アンプに用いられる3段インバーテッドダーリントン回路を搭載しており、これがECLIPSEのスピーカーの特長でもある優れた過渡特性を、さらに向上させるという。ディスクドライブはCD再生に特化した専用設計となっている。

外部入力は、同軸デジタル／光デジタルとアナログRCAを搭載。テレビやBDレコーダーと接続して映画や放送を良い音で楽しむこともできる。USB-DACや最近増えているフォノイコ内蔵型のアナログプレーヤーを接続して、ハイレゾやレコードまで楽しむこともできる。フロント前面のUSB-A端子からは、iPhoneやUSBメモリーに保存した音楽を再生可能だ。ヘッドホン出力、サブウーファー出力も備えている。

スピーカーシステムは、CDR1 307パックが「TD307MK2A」、CDR1 508パックが「TD508MK3」となる。それぞれの特長については、この後の試聴レポートで合わせてお伝えしていこう。

このCDR1 パックでもうひとつ注目したいのが、購入特典として全員にプレゼントされる英国CHORD製のスピーカーケーブルだ。CHORD CompanyはHi-Fiオーディオ用ハイエンドケーブルで知られているブランドで、その製品開発においてECLIPSEのスピーカーをリファレンスとして用いている。

その縁もあって、今回のスピーカーケーブルの購入者全員プレゼントが実現した。このスピーカーケーブルは非売品なのだが、市場に流通している同グレードのケーブルと比較して想像するに、1万円〜2万円相当するものだろう。このスピーカーケーブルを考えると、このパックは相当お買い得と言えるだろう。