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音質や機能向上、4Kテレビ&ゲームとの相性まで

アップデートで使い勝手がさらに向上。ECLIPSE「TD-M1」“現在の実力”を検証

2015/02/04 高橋敦/折原一也
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イクリプスのハイレゾ対応ワイヤレススピーカー「TD-M1」がアップデートでAndroidアプリやアナログ音声入力のオートパワーオンに対応し、その使い勝手をさらに高めた。このアップデートをふまえ、2人の評論家が改めてTD-M1の魅力を分析していく。

【Part.1】高橋敦がTD-M1のサウンド/アップデート内容を検証
【Part.2】折原一也がTD-M1と4Kテレビ&ゲームの相性をチェック

「TD-M1」 ¥125,000(税抜)


【Part1】高橋敦が検証
アップデート&Androidアプリで使い勝手もさらに向上
TD-M1のサウンドを改めて検証する


■人気モデルTD-M1がさらに魅力的に

USB-DACやAirPlayなど多くの機能を一体化したハイレゾ対応スピーカーシステム、ECLIPSE「TD-M1」。その音質と機能性は各所で高い評価を受けているが、昨年の12月にその「機能性」の方がさらに引き上げられた。Android版専用アプリが登場し、ファームウェアアップデートによる機能向上も実施された。


富士通テンの神戸本社内スタジオに設置されたTD-M1
今後の購入を検討していた方にも、既存ユーザーにも朗報といえる今回のアップデートが実現したタイミングで、改めてTD-M1の実力を再検証するべく、今回は富士通テンの神戸本社に赴いた。そして開発陣にお話を伺いながら、そのサウンドやアップデートの詳細を改めて確認した。

■TD-M1のサウンドの魅力を改めて確認

TD-M1の製品形態をひとことで言えば、アンプ内蔵スピーカーシステムにUSB-DACとAirPlayレシーバーを一体化させたものである。一体型システムで手軽かつシンプルにハイレゾを楽しめる点もその人気の理由のひとつだが、TD-M1が何より評価される理由は、その“音”である。

TD-M1は、ワイヤレスやデスクトップ、コンパクトといった括りは関係なしに、現在のスピーカーシステム全体を眺めてもみても屈指の、空間と音色の再現性を実現している。


神戸本社内には大規模な無響室が用意されている。ECLIPSEが正確な音を追求する上で不可欠な、様々な測定がここで行われる
例えばアコースティックでシンプルな編成を背後に女性歌手が歌えば、演奏は彼女の後ろですっと引いたところに定位しつつ豊かな響きで背景を広げ、歌の立ち姿を綺麗に浮かび上がらせる。そしてボーカルの立ち姿そのものがクリアであるからこそ、そのコントラストが成立する。

もちろん楽器やホールの自然な響きだけが再現されればいいというものではない。例えばエレクトリックギターにディレイやコーラスといった空間エフェクトをかけ、それを左右に緻密に振っていたり移動させたりするという、ロックやポップスの録音作品ならではの処理。それらの再現性もTD-M1が得意とするところだ。音像の芯や輪郭が明瞭であるからこそ、音の本体とエフェクト成分の分離や馴染み、移動を含めた定位が的確に再現されると解釈できる。

音色で言えば、ギターのカッティングの粒立ちや、シンバルの音の芯のカチッとした明確さには特に感心させられる。音色を決める大きな要素のひとつはアタック、音の立ち上がり方だが、その再現性が特に印象的だ。またアタックの正確な再現は、リズムの再現性の良好さにも直結している。

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