公開日 2015/06/10 10:52

HDD換装で容量アップ! QNAPのDTCP-IP対応NAS「HS-210-D」を使いこなす

録画番組ダビング済みHDDの換装を検証
■QNAP製の異なるDTCP-IP対応NAS同士のHDDを換装を試してみる

さて、HS-210-Dの内蔵3.5インチHDD換装に成功したところで、ひとつ疑問が出てきた。冒頭で紹介したようにQNAPのDTCP-IP対応NASには4ベイ仕様の「TS-420-D」がラインナップされているのだが、QNAPのNASは同社のNAS製品間で内蔵HDDを差し替えても、HDDをそのまま認識したりデータ移行したりできる仕様となっている。HS-210-DでDTCP-IPダビングしたHDDを、TS-420-Dに換装したら、こちらでも録画番組を認識できないのだろうか。

HS-210-DでDTCP-IPダビングしたHDDを、TS-420-Dに換装してみたが・・・

結論から言うと、試しに実行してみたのだが認識はできなかった。HS-210-DからDTCP-IPダビング済のHDDを取り外し、TS-420-Dのベイにセットして起動してみると、「システムの移行」という画面が表示。「移行の開始」を実行することでデータの移行が開始された。しかし移行の完了後、「Twonky Server」の動作を確認して「Z10X」などから録画番組にアクセスできるかをチェックしてみたが、録画番組は表示されなかった。

「HS-210-D」でセットアップしたHDDを「TS-420-D」をセットして「システムの移行」を実行してみたが、録画番組は認識できなかった

当然といえば当然の結果ではある。もし、ここでHDDを別のハードウェアに差し替えても録画番組にアクセスできてしまうと、「DTCP-IP」の運用ルール上グレーの領域に踏み入る事になる…と懸念していたが、QNAPのNASでは正しく運用ルールが守った上でDTCP-IP機能を最大限活用していることがよくわかった。

ちなみにTS-420-DにセットしたHDDを、再びHS-210-Dに取り付け、再度「システムの移行」を実行すると、HS-210-D上では再び録画番組が認識。対応機器からのアクセスも可能となった。やはり、記録時のハードウェアに対してのみ認識する形で運用されてるようだ。念のため、取り扱い元に確認したところ、やはりHDDはダビングを行った個体に紐付けられるとのことで、例えば同じHS-210-Dでも個体が異なればDTCP-IPダビングした番組は認識できなくなるとのことだった。

◇◇◇


DTCP-IPに正式に準拠した上で、HDD換装の機能を備えたDTCP-IP対応NASというのは、筆者の知る限りではQNAPの「HS-210-D」と「TS-420-D」のみである。これは貴重な存在だ。DTCP-IP対応NASの購入を検討している方のなかで、とくに膨大な量のアーカイブを検討しているヘビーな録画ユーザーには、自分で3.5インチのHDDを換装してHDDを増やしていける仕様に魅力を感じる人も多いと思う。

またHS-210-Dを1台購入すれば、PCパーツショップなどで安価に売られている3.5インチのベアドライブをユーザー自身の手で差し替えて、コストパフォーマンス重視でHDDを増設することも可能だ。もちろん、推奨したのはWD REDのような信頼性の高いHDDだが、一時保存的にそういった使い方をすることも考えられる。

また、一般的なDTCP-IP対応NASはもちろん、BDレコーダーやテレビ用HDDにおいてもRAIDによるバックアップに対応したモデルは見当たらない。将来にわたる番組保存の手段と考えたら、RAIDが使えることの意味は大きい。この点でも、HS-210-Dは非常にユニークなDTCP-IP対応NASといえる。

自分でHDDを購入して換装・管理するという運用方法に抵抗がない中級者以上であれば、HS-210-Dはハイ・コストパフォーマンスかつ発展性の高い、DTCP-IP環境として様々な使いこなしが可能といえるだろう。

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