ガジェット 公開日 2025/03/19 15:23

“1kg以下”実現のThinkPad発表。「X13 Gen 6」と「X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」

全7モデル15ラインナップを発表
Gadget Gate
編集部:平山洸太
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レノボ・ジャパンは、ノートPC“ThinkPadシリーズ”の2025年モデルとして、1kgを切る質量を実現したノートPC「ThinkPad X13 Gen 6」と「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」を発表。ThinkPad X13 Gen 6は5月上旬以降から、ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは3月18日から順次発売する。

日本市場に向けて「1kgを切ること」を目標に開発したという、同社ThinkPadシリーズの最新モデル。ThinkPad X13 Gen 6は約933gから(大容量バッテリーモデルは約968gから)、ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは約986gからの軽量設計を実現した。

プロセッサーについては、ThinkPad X13 Gen 6がインテルのCore Ultra 200U/H(Arrow Lake)、およびAMDのRyzen AI PRO 300(Krackan Point)を搭載した構成を用意。またThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionについては、インテルのCore Ultra 200V(Lunar Lake)、およびCore Ultra 200U/Hを用意する。Core Ultra 200VとRyzen AI PRO 300を搭載したモデルがCopilot+PCというかたちだ。

発表にあたりメディア向けの説明会が実施。レノボ・ジャパン合同会社 大和研究所 機構設計の橋倉誠氏が登壇し、両モデルにおける軽量化実現のための変更点が語られた。

■ThinkPad X13 Gen 6

ThinkPad X13 Gen 6の開発テーマは、「軽量化を実現しつつも犠牲を作らないこと」。これまでの良いところを維持させつつも進化をさせ、軽量化を実現しつつキーボードの打鍵感なども高めたという。大容量バッテリーの構成も用意しており、上述の通り大容量でも1kg切りを実現している。

前モデルからの軽量化は “スマートフォン1台分” とする約190g。各コンポーネントを少しずつ軽量化させることで、全体として軽量化を実現したという。具体的には、筐体(PC外側のメインのカバー類)を約20%、ディスプレイを約5%、バッテリーを約5%、キーボード関連を約30%、メインボードを約50%、排熱機構を約20%軽量化させている。開発にあたり、各担当がそれぞれ軽くなるような提案を持ち寄ったそうだ。

また軽量化を目指すにあたっては、「筐体の小型化が軽量化につながる」という目標があったという。そこで前モデルからさらにディスプレイのベゼルを狭額縁化。上側のベゼル幅を10.6mmから6.8mm、左右を7.2mmから6.0mm、下側を13.7mmから10.8mmに縮小した。さらに、ディスプレイ部の厚みは7.4mmから5.85mmに。一方で本体部分の厚みは11.4mmから11.9mmに厚くすることで冷却性能などを向上させ、トータルで薄型化(18.8mmから17.75mmに)しつつも性能向上を狙っている。

ベゼルを狭くできた要因として、ディスプレイと本体をつなぐヒンジをワンバーヒンジに変更したことが大きいそうだ。ワンバーヒンジでは中に空洞ができることから、これまでディスプレイ上辺にあったアンテナをワンバーヒンジキャップに移動。さらにディスプレイ基板も同様に移動させたという。筐体自体も軽量化させており、たとえばキーボード側のカバーは30%薄肉化している。

また、メインボードを30%小型化させることで軽量化を実現。オンモードメモリを両面実装して必要な面積を小さくしたり、USB Type-Aのポートを別基板にするなどの工夫を行っている。冷却機構についても、材料の見直しをすることでモジュールを70%大型化させつつも20%軽量化。冷却性能も向上し、パフォーマンスが10%向上、キーボードの表面温度が18%低下、ファンノイズが12%低下している。

キーボードは長時間使用しても疲れにくいよう、キーキャップの下にあるラバードームの構造を見直すことで、指が底突きしたときにふわっとした着地感が得られるように目指したという。加えて軽量化のため、ベースプレートの素材を軽量で柔らかい素材に変更。シミュレーションの繰り返しによって、ベースプレートを支えるネジの数と位置を調整し、柔らかい素材でも打鍵感を損なわないよう配慮したそうだ。

軽量化をしつつも、ThinkPadの特徴である厳格な耐久試験も実施。衝撃試験、振動試験、落下試験など、200種類のハードウェアの試験をクリアしたという。インターフェースではフルサイズのHDMIポートを搭載。ほか、2基のThunderbolt 4、有線のヘッドホン、USB 3.2 Gen 1(USB Type-A)、ケーブルロックスロットを搭載している。

■ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition

こちらのモデルについても、やはり軽量化が大きなテーマ。発表会では主にカーボンファイバー製の天板素材について語られた。これまでの天板はカーボンの繊維を長辺方向に使っていたが、設計の工夫で縦方向にすることに成功。薄型化にともなう剛性の低下に対して、繊維の方向を縦にすることで、開閉時のたわみに耐えられるようになったという。

加えて、ヒンジの部品の取り付け方法もネジ止めから接着に変更。これによってヒンジに必要な体積を小さくでき、ヒンジの金属部品が小さくなることで軽量化にもつながったそうだ。またThinkPad X13 Gen 6と同様に、キーボードのベースプレートを軽量なものに変更したりしている。

■7モデル15ラインナップを発表

レノボ・ジャパンは今回、ThinkPad X13 Gen 6とThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionを含めて、全部で7モデル15ラインナップを発表している。新たにユーザー交換式のバッテリー(CRU)を、いずれのモデルでも採用していることも特徴だ。

バッテリー交換は底板を取り外す必要があるが、ネジを4つ外して指をかけるだけで内部にアクセスできるように工夫。バッテリーを正しい位置にガイドするような構造を設けたり、バッテリーを取り付けるネジはバッテリーから外れないようにしてショートを防止するなど、ユーザーが作業しやすいように気をつけているという。バッテリー自体の色もグレーにすることで、異物に気づきやすいようにしているとのこと。

ラインナップおよび発売日は以下の通りとなる。

「ThindPad X13 Gen 6」(インテル:5月上旬以降/AMD:6月中旬以降)

「ThindPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」(インテル Core Ultra 200V:3月18日/インテル Core Ultra 200U/H:4月下旬以降)

「ThindPad X1 2-in-1 Gen 10 Aura Edition」(インテル Core Ultra 200V:3月18日/インテル Core Ultra 200U/H:4月下旬以降)

「ThinkPad T14s 2-in-1 Gen 10 Aura Edition」(6月上旬以降)

「ThinkPad T14s Gen 6」(インテル Core Ultra 200V:3月18日/インテル Core Ultra 200U/H:6月上旬以降)

「ThinkPad T14 Gen 6」(AMD:4月下旬以降/インテル:5月上旬以降)

「ThinkPad T16 Gen 4」(AMD:4月下旬以降/インテル:5月上旬以降)

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