公開日 2026/07/11 18:10

<ポタフェス>アユートブースは初公開製品が山盛り!Astell&Kern「A&ultima SP4000T」/qdc「BASALT」/Noble Audio「FoKus Artemis」など

Maestraudio「MAPro2000」/SENDY AUDIOからはプロトタイプも
編集部:成藤正宣
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7月11日(土)、12日(日)の2日間、東京・秋葉原にてe☆イヤホン主催のポータブルオーディオ展示試聴イベント「ポタフェス 2026夏 秋葉原」が開催中。本稿では、Astell&Kernやqdc、Maestraudio、Noble Audio、FitEar、SENDY AUDIOといった取り扱いブランドから、発売が近い最新製品、国内/世界初公開の参考出展を溢れんばかりに取り揃えるアユートブースの注目製品を紹介する。

Astell&Kern

アユートブースの第1の目玉が、国内初展示となるAstell&Kern「A&ultima SP4000T」。フラグシップDAP「A&ultima SP4000」の兄弟機にあたる、真空管アンプ搭載DAPなっている。国内ではこの夏、約63万円で発売予定だという。

「A&ultima SP4000T」(右)。左は内部構造を覗き見れる銅製筐体のサンプル

ポイントは、据え置きのハイエンド真空管アンプに通じる左右セパレート設計を取り入れたこと。レイセオンのビンテージ・ミニチュア真空管「JAN6418」を、左右それぞれ2基ずつ、計4基搭載。真空管に振動が加わったときに生じるマイクロフォニック・ノイズを防ぐ独自構造も、独立したモジュール式フレキシブルPCBと多層構造を組み合わせた第2世代にブラッシュアップしている。

背面のロゴの少し上の部分から、真空管の発光が見れる「窓」が設けられている

また、従来のAstell&Kernの真空管搭載製品と同様、真空管アンプと半導体アンプを切り替えたり組み合わせたりできる「トリプルアンプ」設計を採用しているのだが、SP4000Tではさらに「トリプルTUBEモード」を追加搭載。

これは真空管アンプの動作モードを繊細な「三極管(Triode)」、ダイナミックな「五極管(Pentode)」、バランスの取れた「ウルトラリニア(Ultra Linear)」から選べるもので、上述のトリプルアンプや真空管の電流レベル調整機能と組み合わせれば、合計54通りの音質が楽しめるということだ。

DAC回路は、AKMの「AK4499EX」+「AK4191EQ」を2セット(計4チップ)使用した、デジタル/アナログ分離設計の「HEXAオーディオ回路」。オペアンプを水平並列させた回路設計でパワフルな駆動を実現する「High Drivingモード」や、第2世代のアップスケーリング技術「DAR」など、さまざまなブランド独自技術も継続して搭載している。

なお、ボディの素材はステンレスだが、銅バージョンの “Copperモデル” も登場予定とのこと。会場でも外観のみのサンプル(モック)が展示されていた。

第2の目玉が、Astell&Kernオリジナルイヤホン「CLARUS(クラルス)」。他のブランドとのコラボレーションモデルではない、単独開発のイヤホンの第4弾で、ダイナミック×1/Sonion社製BA×7/MEMS×1の9ドライバー/トライブリッド構成を採用している。

「CLARUS」

ダイナミックドライバーが自然な重量感と深みのある低音、BAドライバーが繊細なディテールと解像感のある中高域を、MEMSドライバーがデリケートな高域を再現。音楽本来の “Clarity(明瞭さ)” をありのままに伝えることがコンセプトだそうだ。発売は夏 -  秋ごろで、価格は55万円後が予想される。

四葉のクローバーのような音導管構造も特徴的

qdc/FSF

qdcからは、アユートとの共同企画で開発したコンセプトモデルの最新機種「BASALT(バサルト)」が世界初展示。

BASALTとは「玄武岩」の英名で、マグマが急速に冷やされるなどで生まれる黒っぽい岩石のこと。また、過去に発売したコンセプトモデル「WHITE TIGER」「WHITE TIGER II」(白虎)と同様、中国の四神「玄武」にもかけたネーミングとなっている。

「BASALT」

音質面での注目は13mmのフルレンジ・ダイナミックドライバーで、振動板に「ピュア・ダイヤモンド・ダイヤフラム」を採用。化学気相成長法(CVD)という手法で純粋なダイヤモンドの膜を作り上げ、高度/音速/高域の伸びといった理想的な特性を備えた振動板を実現したという。

これに共振をコントロールするチタンハウジング、新開発の音響設計と内部キャビティ、特許を取得したブランド独自のチューニング技術を組み合わせ、“深く重く響く低域とバランスの取れた中高域再生” が味わえるとしている。qdcのダイナミックドライバー1基のイヤホンとしては最上位クラスになるそうで、価格は25万円前後の見込みだ。

またqdcが今年新たに立ち上げたゲーミングサブブランド「FSF(Fire So Fast)」からも、第1弾製品「Blink Bound(ブリンクバウンド)BD1」も参考出展。

「Blink Bound BD1」

今年5月の「ポタフェス 2026 札幌」でいち早く披露されたUSB-Cゲーミングイヤホンとなっており、PCのWebブラウザーから手軽にイコライザー設定ができる点が強み。遊ぶゲームに合わせてユーザーが自分で音質をカスタマイズしたり、プロeスポーツプレーヤーが監修した設定を読み込んだりすることが可能だという。

ドライバーユニットは専用設計の10mmフルレンジ・ダイナミックドライバー1基を搭載。デュアル磁気回路/デュアルチャンバーを備えて音場の広さやレスポンスを強化しているほか、本体に備えたスイッチを操作するとゲーム向け音質/リスニング向け音質を切り替えられる。価格は約1.9万円で、夏中に発売予定だ。

Maestraudio

Maestraudioからは、本格インイヤーモニター(IEM)“MAProシリーズ” の新モデルとして開発中の「MAPro2000」が初出展。夏 - 秋ごろに2.7万円程度で発売を見込んでいる。

「MAPro2000」

ドライバーモデルは既存モデルから引き続きダイナミック×1/パッシブトゥイーター「RST」×1のハイブリッド構成だが、ドライバーユニットは両方とも大きく進化。ダイナミックドライバーには高級スピーカーにも用いられる「磁性流体」を、RSTには「オーバートーン・ベリリウムアロイ」という新素材を投入し、すべての帯域で音の密度や情報量がパワーアップしているそうだ。

ほか、イヤホン側コネクターはMMCXからPentaconnEarに、付属ケーブルは3.5mmアンバランス/4.4mmバランスプラグを付け替えられるマルチプラグ仕様に変更されている。

FitEar

もうじき発売だというFitEarの「Lilior Universal(リリオール ユニバーサル)」は、実際に製品として販売されるものと同じ最終仕様が展示された。

6基のBAドライバーと4基の静電トゥイーター(EST)を搭載した10ドライバー/ハイブリッドモデルで、通気性のある「DECアンビエントフィルター」を装備することがトピック。

「Lilior Universal」

耳を完全に密閉するのではなく、フィルターを通して鼓膜にかかる空気圧を適度に逃がすことにより、自然な音場と定位、聴き心地を高める設計となっている。一般販売時の価格は49.5万円程度となるようだ。

Noble Audio

Noble Audioからも多数の製品が参考出展され、有線イヤホンでは2モデルが国内初披露。コンセプトモデルに位置づけられる「Iris(アイリス)」は10.2mmのPU+PEEK複合三層レイヤー振動板ダイナミックドライバーを採用した、12万円クラスのダイナミック型イヤホン。

「Iris」

もう1つの「Vanguard(ヴァンガード)」は既存モデル「Knight」の後継機的な位置づけだといい、10mm PEKダイナミックドライバー×1/BAドライバー×2の3ドライバーハイブリッド設計。価格はおよそ5万円と、ブランドの中ではエントリークラスの製品となる。両モデルとも秋ごろまでに国内発売を見込んでいるという。

「Vanguard」

さらに、事前予告なしのサプライズ出展されたのが、Bluetoothヘッドホンのフラグシップモデルとして開発中の「FoKus Artemis(アルテミス)」。

ダイナミック/BA/平面磁界ドライバーを1基ずつ搭載したトライブリッド・ヘッドホンとなっており、ANCや外音取り込みモード、Audidodoのパーソナライズ機能、LDAC/aptX HDコーデックのサポート等々、まさにNoble Audioヘッドホンの集大成的なモデルとなるようだ。ユーザー自身でバッテリー交換ができる構造も取り入れる予定だという。

サブライズ出展の「FoKus Artemis」
イヤーパッドを外すと、3基のドライバーユニットの開口部とともにバッテリーカバーが配置されているのが見えた

SENDY AUDIO

SENDY AUDIOでは、今夏発売に向けて調整中の平面磁界ヘッドホン「Apollo PRO」に加え、鋭意開発中の3つのイヤホン/ヘッドホンが世界初披露された。

ヘッドホン「Sendy Pro TG-X1」は、ブランド初のプロ向けスタジオモニターとして開発中だという、6万円クラスの密閉型ダイナミックヘッドホン。モデル名は「Target Genunie-X, No.1」を略したもので、“対象の本質や真実を捉える” という意気込みを込めているそうだ。

SENDY AUDIO初のプロ向けヘッドホン「Sendy Pro TG-X1」

搭載する50mmダイナミックドライバーは、PETとチタンという異なる素材を組み合わせた2層複合振動板を使用することで、解像度と周波数バランスの両方を高めている。

ハウジングには質感と音響特性の両面から選定した、マット仕上げのゼブラウッド材を採用。会場には2種類のカラーバリエーションが展示され、より好評な方を製品化するとしている。

明るい色合いの試作機も参考出展。好評な色を採用する予定だそうだ

“ヒバリ” を意味するモデル名のイヤホン「Lark(ラーク)」は、12mmダイナミックドライバーと6mm平面磁界ドライバーのハイブリッドイヤホン。ハウジングにはエボニーウッドを採用。同ブランドではエントリークラスに位置づけられるとのことで、価格は5万円程度を見込む。

「Lark」

Larkとは真逆の10万円クラスのハイエンドモデルとなるのが、もう一方のイヤホン「Nightingale King」。14.5mm平面磁界ドライバーに2基のESTを組み合わせたハイブリッドモデルで、Larkと同じ磨き上げられたエボニーウッドハウジングが映えるデザインも特徴となっている。

「Nightingale King」

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