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JEITA新会長に三菱電機社長の漆間 啓氏が就任。「ソフトウェア開発力が課題解決の鍵」
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、本日6月11日に開催した「第15回定時社員総会」において、新たな会長として三菱電機(株) 代表執行役 執行役社長 CEOの漆間 啓氏が就任したと発表した。任期は1年。前会長のパナソニックホールディングス(株)取締役会長の津賀一宏氏は任期満了で退任となる。
漆間氏は1982年に三菱電機に入社、2012年よりMitsubishi Electric Europe B.V. 取締役社長 兼 国際本部欧州代表などを経て2020年より代表執行役 専務執行役 経営企画・関係会社担当に就任。2021年7月より取締役 代表執行役 執行役社長 CEOを務めている。
会長就任記者会見が本日開催され、冒頭挨拶において漆間氏は、「地政学リスクや関税など、世界中で不確実性が高まっており、これらに対抗していくためにも、日本の潜在成長率や労働生産性の低さの改善こそが喫緊の課題」とコメント。「デジタルによる真のトランスフォーメーションを社会全体で推進することが求められる」とし、JEITAとしても積極的な働きかけをしていくと表明した。
そのための鍵となるのは「ソフトウェア開発力」にあるとし、「“Software Defined X” の時代に突入しつつあるいま、あらゆる産業においてデジタルテクノロジーを使いこなすためのソフトウェア開発力が勝負の行方を左右する」と分析。人材育成など、製造業におけるソフトウェア開発力の底上げに向けたJEITAとしての働きかけをさらに強めていくとした。
またサプライチェーンへの対応も大きな課題となっており、経済安全保障やサイバーセキュリティ対策、地政学リスクといった一社では解決が困難な課題に対して、業界団体が推進役として積極的に取り組むべきと宣言。またAIについても、「AIポリシー」を策定し本日公開。人とAIが共生できる社会の実現を目指し社会と調和したAIの普及に尽力していくと表明した。
質疑応答においては、特に自動車産業やそれに携わる半導体の未来予測についての質問が相次いだ。漆間氏は、「EV化は加速していくと見られており、その中で日本が遅れを取っているという状況があったが、一方でハイブリッドやプラグインハイブリッドに対する見直しの機運も出てきており、今後の動きが難しい局面にある」との見解を述べた。
アメリカ・トランプ大統領による関税交渉の行方についても触れ、「アメリカで車を生産をするなど、関税回避の動きを取る会社もあるだろう」としつつ、アメリカ国内の部品メーカーが整っているのか、従業員を十分に採用できるのかといった課題もあり、早期の判断が難しい状況だとコメント。
また半導体にも関税をかけることが検討されていることについても、「コストプッシュの要因となるため、避けるよう働きかけていく」としたうえで、「半導体は技術革新のキーとなる技術」であり、「日本の競争力をさらに高めていく必要がある」と展望を語った。































