公開日 2018/09/20 13:00

パイオニア、最上位UHD BDプレーヤー「UDP-LX800」。物量&ノウハウで「最高のディスク再生」

11月中旬発売、36.5万円
編集部:小澤貴信
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画質面を手がけた大平健治氏は「パイオニアのBDプレーヤーの画質は、LX91の時代からS/Nが良いと評価されてきた。ノイズ対策を突き詰めていくと、音質だけでなく、画質もどんどん良くなっていく。その意味で、物量をかけないとできない、フラグシップでないと出せない画がある。LX800は、LX500と比べても高S/Nで高精細な画を実現している。この点については他社製品と比較しても優れている」と自信を見せた。

大平健治氏

また、大平氏は「BDがUHD BDになり、解像度もアップしたことで、プレーヤーごとの差は縮まる方向になると考える方もいるかもしれない。しかしUHD BDにおいても、追い込んでいくことで画質に歴然とした差が出る。画も音も、ノウハウの塊。いままでパイオニアが受け継いできたノウハウを大いに活用することができた」と述べた。

音質設計を手がけた平塚友久氏は「LX800は、電源からデジタル回路に至るまで徹底してノイズフロアを下げることを目指した。LX500も同様だが、LX800ではさらに追求することができた。LX800ではクラシックやオペラのような難しいソースも、単体プレーヤーと遜色なく聴ける音質を備えている」と述べた。

内覧ではS-1EXを6本用いた6.2.4ch(センターレス)という豪華なシステムでデモを実施。その音質をアピールした

また宮川氏は「ディスクプレーヤーに特化してクオリティを追求した結果、スペック表の〇×比較だけなら、他社製品ではできないことが多いように見えるかもしれない。しかしLX800が目指したのはそこではなく、スペックでは計れない最高峰の画質や音質の追求だ」とも語っていた。

アナログマルチch出力を非搭載とした点については「より多くのユーザーがメインで利用しているHDMI出力のクオリティに物量を集中させるために、あえて非搭載とした」(宮川氏)とのこと。一方で2chアナログ出力の音質は、音楽ソースも扱うユニバーサルディスクプレーヤーとして、上述のように単体機レベルを目指して音質にこだわった。

筐体やドライブなど剛性・制振性を徹底的に強化

UDP-LX800の開発に、直接的に影響を与えたのは、先行して登場したUHD BDプレーヤー「UDP-LX500」と、ディスク再生に特化したSACDプレーヤーとして昨年の発売以来高い評価を集めている「PD-70AE」だ。また、前世代モデルであるBDプレーヤー「BDP-LX88」からも多くの設計思想が継承された。

ハニカム構造天板の高剛性を採用したドライブケース

ディスク再生の肝となるメカドライブは、ハニカム構造天板の高剛性ドライブケースに収められている。ハニカム構造によるドライブケースは、PD-70AEのときに開発したもの。UDP-LX500でも採用された。ハニカム構造の天板が高速回転による共振や筐体内部で発生する定在波を抑制。UDP-LX800ではPD-70AEと同様、天板表面に制振塗装も施されている。さらに共振対策として、減衰性の高いラバー素材でドライブをフローティングさせる構造も採用している。なお、ドライブメカ自体はLX800とLX500で共通だが、ドライブケースなど周辺はLX800専用に最適化され、さらなる物量が投入されている。

実際に筐体の中央に組み込まれたドライブメカ

LX800のディスクトレイを取り出したところ

筐体については、LX500と同様、ファンレス/放熱孔レスを実現した高剛性トップカバーとリアパネルを採用。放熱孔レスによって筐体の剛性強化と共にドライブの回転音漏れを最小化でき、ファンレス構造と合わせて圧倒的な静粛性・制振性を実現。S/Nを大きく向上させたとしている。

放熱孔レスについては、UHD BDはBD以上に高速回転するため、放熱孔の排除は回転音などのドライブに起因する直接的なノイズを漏らさない上でも重要なのだという。

UDP-LX800の筐体構成

一方でUHD BD再生は、その高速回転に加えて、大容量データを扱うために負荷の大きな処理も必要なため、放熱は従来のBDに加えてかなり大きくなる。そのためファンレス/放熱孔レスの実現はハードルが高い。UDP-LX800では部品選定はもちろん、電気回路設計の最適化を行うことで、ファンレス/放熱孔レスを実現した。

また、UDP-LX800は光ディスク再生に特化し、ビデオストリーミング再生などには対応していない。これによりデジタル系回路を必要最小限にでき、放熱孔レスも可能になったとのことだ。

次ページ低ノイズ設計を徹底してS/Nを追求

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