公開日 2014/05/22 19:35

NHK、立体映像を実現する「電子ホログラフィー」の新技術を開発

触感覚を仮想再現するシステムも開発
ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
NHKは、電子ホログラフィーを実現するための要素技術として、干渉縞を表示するSLMの光変調素子をトランジスターで駆動する技術を開発した。

NHKでは、特殊なメガネをかけなくても自然な立体映像を楽しめる「電子ホログラフィー」による立体テレビの研究を進めている。電子ホログラフィーとは、空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)により電子的に干渉縞を生成し、これに光を当てることで動画の立体像を表示できる技術。

空間光変調機によるホログラフィー立体表示の原理

これまでNHKは、電子のスピンを利用した一次元配列のスピンSLMを独自に開発し、その基本動作の確認を行ってきた。

一方、立体像を動画表示するには、非常に多くの光変調素子を二次元に並べて駆動する必要があり、それぞれを正確かつ高速に駆動する技術の開発や、低消費電力化に向けて駆動に必要な電流を低減することが課題となっていた。

今回、駆動電流の低減を図った光変調素子を用い、素子ごとにトランジスターを配置することで正確かつ高速に各素子を駆動できるアクティブ・マトリクス方式による二次元スピンSLMの試作に世界で初めて成功。スピンSLMの駆動にアクティブ・マトリクス方式の適用が可能になったことで、立体像の動画を表示できる将来の超多素子SLMの実現に向け、大きく前進したという。

アクティブ・マトリクス駆動方式スピンSLMの素子構造

試作したアクティブ・マトリクス駆動方式のスピンSLM は、電界効果トランジスター(MOS-FET)上にトンネル磁気抵抗効果(TMR)を利用した光変調素子が形成されている。このスピンSLMでは、トランジスターのスイッチング動作で個別に素子を制御できるため、高速で素子間のクロストーク などのない正確な駆動が可能となる。

またNHKと東京大学は、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを共同で開発した。

物体の硬さの触感覚伝達システムの模式図

NHKは物体の形状を再現する触・力覚ディスプレーの研究を進めていた。これまで、形状を再現するシステムを開発していたが、触感覚の伝達には、硬さの分布も併せて再現する必要があった。

今回、東京大学が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレーを用いて、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムが実現した。

レーザー変位計と超音波を組み合わせることで、離れたところから物体の形状と硬さの分布を非接触で測定し、その測定データから作成した形状と硬さの分布を表すモデルを、触・力覚ディスプレーで指先に複数の点の刺激として与えることで、物体を触った感覚を再現するという。

さらに、作成したモデルを仮想的な映像として映し出すことで、物体に直接触った感覚をより向上させることができる。将来的には、食べ物や生き物などの視覚だけでは伝えられない触感覚を伝達できる情報サービスの実現が期待される。

これらの研究成果は、5月29日(木)〜6月1日(日)に開催される「技研公開 2014」で公開される。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 パナソニック「miyotto」はテレビ視聴の強い味方! 画質は?使い勝手は?実際に使ってみた
2 ソニー、同社初のイヤーカフ型イヤホン「LinkBuds Clip」。使用シーンに合わせて設定を自動調整
3 Amazon「スマイルSALE」1/27 9時スタート。セール対象品情報が事前公開中
4 スマホ/PCの画面をテレビに映せるUSB Type-C to HDMIケーブル「CBCH02/03/05」
5 <CES>テレビ用QD-OLEDがまた進化。焼き付きも改良したサムスンディスプレイ
6 NHK技研、太陽光発電できる有機ELディスプレイデバイス開発。青色発光も可能
7 サブゼロ処理研究所初の電源ケーブルが登場――ひさご電材「GOURD CORD」にHST処理を施した限定モデルの実力を聴く
8 アナログレコード生産金額、37年ぶり80億円超え。レコード協会が2025年音楽ソフト生産実績を公表
9 <CES>Dolby Vision 2、その進化を体験!制作者の意図を視聴者まで届ける“画質確保プログラム”
10 Zonotone「Granster AC-3000」レビュー。ラインケーブルで音をグレードアップ
1/23 10:22 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX