エラック、A.ジョーンズ氏が手がける初のJETトゥイーター搭載スピーカー「CARINAシリーズ」

ユキムは、同社が取り扱う独ELAC（エラック）のスピーカーシステム「CARINAシリーズ」3機種を9月上旬より発売する。

＜CARINAシリーズ＞
「FS247.4」（フロア型） ￥320,000/ペア（税抜）
「BS243.4」（ブックシェルフ型） ￥160,000/ペア（税抜）
「CC241.4」（センタースピーカー） ￥320,000/ペア（税抜）

CARINAは、著名なスピーカー技術者として知られ、近年エラックでもエンジニアの1人として活躍するアンドリュー・ジョーンズ氏が手がけたスピーカーシステム。同氏がエラックで手がけたスピーカーとして初めて、エラックの象徴的な技術であるJETトゥイーターを搭載したことが特徴だ。

なお、CARINA（カリーナ）とは、竜骨（船底の隆起部分）のことで、先にリリースされたVELA（ベラ）はラテン語で帆を意味している。ELACが100年以上本拠を置くバルト海に面した町 キールには、毎年“キールウィーク”という伝統的なセーリング・イベントが行われる港があり、こうした船の部位にちなんだ製品名に繋がっているとのことだ。

JETトゥイーターは、オスカー・ハイル博士が発明したAir Motion Transformer、いわゆるハイルドライバーを進化させたもの。CARINAに採用された「JET folded ribbon」は、「パワーハンドリング、トランジェント特性などの点において圧倒的なアドバンテージを発揮する」という新設計のJETトゥイーター。JETのパフォーマンスを幅広いラインアップで届けるために開発されたとのことで、基本性能を損なうことなくコストダウンに成功したと紹介されている。

呼称に“フォールデッド・リボン”と付けられているが、構造的には従来のJETと同様の製作過程で製作されたダイナミック型ドライバーユニットとなる（現行のJET Vとは区別され、JET Vは周波数帯域を50kHzまでカバーしているのに対して、JET folded ribbonは30kHzまでをカバーする）。

ウーファーユニットには、新たに設計されたアルミニウム振動板を複合曲率で成形したコーンウーファーを搭載。この特殊な形状によりブレイクアップ・ポイントを巧みにコントロールすることで、分割振動による共振周波数を再生帯域外に追いやる。また、ボイスコイルの冷却とウーファーダクト内の空気排出を行うために、ベント構造を用いたポールピースを採用。強力な磁気回路で駆動されロングストロークを可能とする大口径ボイスコイルも特徴だという。

エンクロージャーにはリブを効果的に配置して強度を高め、共振を抑制。スチール製フレームに固定されたエンクロージャー底部にバスレフポートが設けられており、ダウンファイヤリングにより不要な風切り音を排除する。

トゥイーター用とウーファー用に個別の基板を持つクロスオーバー・ネットワークは、上級機と同様の設計とのこと。スピーカー端子はバイワイヤリング接続に対応する大型端子となる。

フロア型のFS247.4は、2.5ウェイ・3スピーカーのバスレフ型。JET Folded ribbon、135mmアルミニウム・コーン・ウーファー2基を備え、クロスオーバーは1kHz／2.7kHz。周波数特性は34Hz〜30kHz。感度は87dB、インピーダンスは6Ω（最低保障4.8Ω）、外形寸法は210W×1,070H×213Dmm、質量は16.4kg。

ブックシェルフ型のFS243.4は、2ウェイ・2スピーカーのバスレフ型。JET Folded ribbon、135mmアルミニウム・コーン・ウーファー1基を備え、クロスオーバーは2.7kHz。周波数特性は46Hz〜30kHz。感度は85dB、インピーダンスは6Ω（最低保障4.8Ω）、外形寸法は210W×321H×213Dmm、質量は6.7kg。別売りで専用スタンド「LS 50」（￥65,000/ペア・税抜）も用意される。

センタースピーカー CC241.4は、3ウェイ・3スピーカーのバスレフ型。JET Folded ribbon、135mmアルミニウム・コーン・ウーファー2基を備え（1基はミッドレンジとして使用）、クロスオーバーは100Hz／3kHz。周波数特性は50Hz〜30kHz。感度は87dB、インピーダンスは6Ω（最低保障4.8Ω）、外形寸法は621W×205H×213Dmm、質量は10.2kg。